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『話し方教室で学んだこと』#1アナウンサーの本当のすごさは朗読の上手さではなかった

 話し方教室に通ってみて最も衝撃的だったのは、元アナウンサーだった先生の「聞く力のすごさ」でした。

1はじめに

 以前、話し方教室に通っていた時期がありました。教室が自分に合っていたこともあり4、5年通っていました。

 その時学んだことについて、書いてみたいと思います。

 今回ご紹介する学びは、「アナウンサーの本当のすごさは朗読の上手さではなかった」です。

 アナウンサーの本当のすごさは「聞く力」でした。話す力をつけようと行った教室で、聞く力の重要性に気が付きました。


2教室に入ったきっかけ

 きっかけは社内報で読んだ記事でした。社内研修を担当している方が、「話し方教室に一度は通ってみると良い」と書いているのを読んだのです。

 また、当時、昇格試験を受けようと考えていました。私は話すのが得意なほうではありません。話し方教室が面接の備えになる、と考えました。

 ネットで調べると、NHKのカルチャーセンターに話し方教室があることがわかりました。講師は元NHKアナウンサーの方でした。

 一度教室を見学させてもらい、とても和やかな雰囲気だと思いました。ここだったら続けていけそうだと感じ、受講を決めました。


3授業の内容

教室は月2回、1回2時間でした。授業の流れは次の通りです。

■Aさんが、自由なテーマで話をする 時間は決まっていないが2~5分程度 この時Aさんはレコーダーで自分の話を録音する

■話が終わると先生が、一言二言コメントをする
コメントの内容は常にポジティブ。
ごくまれに録音した自分の話を再生して確認することがある

■Bさん、CさんがAさんの話に対して、感想を話す

■先生が、感想に対しても一言二言コメントをする
コメントの内容は常にポジティブ

■話し手と聞き手の役割を変えて、一巡する。

■時間が余れば先生がテキストを使って說明する。

こんな流れでした。同じNHKのカルチャーセンターでも、先生によって違いがあるかもしれません。


4アナウンサーの本当のすごさ

 話が終わると、先生が「今の話は~のような内容でした。この表現が素晴らしかったですね。」等と、必ずコメントをしてくれます。

 そのコメントが、本当に的確なのです。なんで自分の話をそこまで理解してくれるの!?、と話した自分がびっくりするほどです。

 また、昔からの受講生に対しては、「Aさんは昔こんな表現をされていましたね」と、何年前のことかもわからないようなことを、さらっと言われるのです。

 受講生の話していることを全て記憶しているのでは、と感じる程でした。

 本当に馬鹿な話ですが、私は「朗読がうまい人がアナウンサー」だと思っていました。

 中でもNHKのアナウンサーというと、1人で行う短いニュースの印象が強いです。ですから、そのように思いこんでいました。

 アナウンサーは聞く達人でもあったのです。取材の名人でもあったのだ、という当たり前のことに、教室に通って初めて気が付きました。

 先生のように話を聞けるようになりたい。これが教室に通い続けられた動機の1つだったと思います。


5おわりに

 先生は受講生の話を全て記憶していたのでしょうか。そうではないと、通い初めて、しばらくしてから、気が付きました。

 先生はいつも、カラフルな文字がびっしりと書かれたノートを持っていました。話をしながらそのノートを見ていることがありました。

 ここにメモをしていたから、何年も前の話であっても、表現まで正確にコメントができたのだと思います。

 おそらく、授業の前には一通り受講者の過去の話に目を通し、準備をされていたのではないでしょうか。

 どうしたらそんなふうにメモと取りながら話を聞けるのか、いつか先生に聞いてみたいと思っていました。

 しかし、それは何となく踏み込んではいけない「プロとしての領域の問題」のような気がし、聞けずじまいでした。

 話し方の勉強するはずが、聞く力の重要性に気がついた、というお話でした。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 今後もがんばって記事を投稿していきます。
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