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春のような温かさがいつもある学校に… 小さい子たちがそこで遊ぶから… 〜心の宝物196〜198

🌷温かなお便り


コロナ機の学校
学校には、ご関係の方々から日々、実にたくさんのご連絡をいただきます。電話であったり、お手紙であったり、会合や街頭でお目にかかったときに直接であったりと、場や経路は様々です。
どちらかと言えば、嬉しいお知らせよりも、耳に痛いお叱りの方が多いような気がします。しかし、どちらも、根底には必ず子供達の健やかな育ちを願うお気持ちがあります。素振りや語勢に惑わされず、そこを共有することに全力を注ぎます。それさえできれば、必ず建設的な話し合いになります。もちろん、対応が難しい場合は、管理職も喜んで同席し、対応します。

ある月曜日の放課後にいただいた電話は、うれしいお知らせでした。
本校4年生の3名が、日曜日、区画整理で新たに造営された公園を掃除してくれていたこと、新しい公園なのに、マナーの悪い利用者のごみが後を絶たず、近隣に困り感があったこと、3人の姿に気持ちが明るくなったこと、ぜひ学校でほめてほしいこと。
電話を受けた先生が、大喜びで伝えてくれました。

🌷小さい子たちも遊ぶから 自分たちで計画しました


翌日、早速3人に話を聞きました。
かねてから、年上の子たちが、飲食したごみを散らかしているのが気になっていたこと、それでも何も言えないことにつらさを感じていたこと、小さな子たちがその真似をするようになってはいけないと思ったこと、それなら自分たちできれいにしよう、時間のある休みの日にしようと話し合い、その日に決行するに至ったことを教えてくれました。

誰にもフレンドリーな彼女は、校長室のソファで物おじすることなく生き生きと話してくれました。優しさのアンテナを細やかに周囲に張り、誰かが困っていたり、悲しんでいたりするのを察すると真っ先に駆け寄ります。

彼女は物静かですが、物事をよく見つめ、何が本当で、何がよいことで、何が美しいことかについて、4年生ながら自分なりの価値観を内に育んでいました。言葉は穏やかですが、発言する声には強靭さがあり、心の内にあるしっかりとした軸のようなものが伝わりました。

彼女は、その皮膚の下に、いつも笑顔がある人でした。それがどんなトーンであれ、かけられた声に対しては、必ず笑顔を向けます。決して作り笑いでも、無理をしているわけでもありません。彼女の深いところにある、人間に対する無垢な信頼のようなものが自然に表れる、向けられた者に安堵が伝わる、そんな笑顔でした。

彼女たちの言葉に、心が震えました。そうして、一つ一つ言葉を選びながら、感動を伝えさせてもらいました。
そのことに問題意識をもったこと、身の回りの誰かや何かの痛みを自分事としてとらえられる感性を、本当に素敵に思うこと、そこで声を上げられなかったことは恥ずかしいことでも何でもなく、折り合う上で、むしろそれが賢明な選択である場合も多いこと、そこで嘆いて終わらずに、少しでも現状をよい方向に動かすために考えを働かせたこと、そうしてそれを実行したこと、それを支え合える仲間であること。それらに対する敬意をひたすら伝え、喜び合ったことは、その後、最上級生となり、私と共に卒業した彼女たちの笑顔と成長と共に、昨日のことのように覚えています。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで

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