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僕の成長と親の老い、そしてタローも

父親が倒れた。

幸い大事には至らなかったけど・・・

どうやら心臓らしい。


父親は自営をしていたので、母がその分頑張っていた。

2番目の兄は、相変わらずレーサーの夢を追いかけていた。


しかし、長男は何か思い考えていたように見えていた。


僕は、その時ただ良かったと安心していたのかもしれない。


ふと、母親の白髪を見ると

「年いったんだなぁ~」

改めて自分が成長していたことを思った。


母が

「最近タローが食欲ないのよね」

僕は驚いた。


そういえば・・

フワフワだった毛が何だか最近ツヤがない気がしてた。

「おい、タローどうしたんだよ?」


クゥン

しっぽを振って僕に寄り添ってくる。


僕は抱きかかえた。

「お前・・細くなったか?」

嬉しそうに僕の顔を舐めてくる。


僕の手からご飯を口元に持って行った。

「うん、食べてる」

少し安心した。


何故みんな年を取っていくんだろう・・

僕はとりとめのないことを考えていた。


僕は成長してるのに

親やタローは老いていくのか?

見えない不安に僕の心は揺さぶられていた。

つづく


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