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名前しか知らないあの人に会いに行く

触発された本の著者、15年以上見続けているアニメの監督、ドラマ考察のYoutuberなどの皆様に会いに行く旅ができました。

この旅で強く感じたこと。
それは、世界は"広くて狭い"ってことでした。


旅の玄関口

ーー2022年の夏
漠然とした危機感がありました。

めっきり人と会う機会が減ってしまい、
さらには数少ない日頃会う人も固定化してしまっているのです。
このままじゃ、ダラダラ癖が染みついちゃう!!

「旅をしたい」
そう思った瞬間。
人生の大旅行が始まりました。


どんな旅が良い??

"情報"に価値がない時代。
有り触れていた情報を目にしても、自分のコンディションと誰に言われるかによって情報の受け取り方が180度変わってしまいます。

最近、モチベーションが下がった時はYoutubeや書籍で自己啓発に触れることでなんとか自分を奮い立たせて生きてきました。
だけど旅行と一緒です。
写真や動画で旅行先動画を見るのと、実際に訪れるのでは全然違います。

いつもの日常とは全く異なる人達と会ってみたい。

行く宛を探そう

誰に会いに行こう?
普段自分だったら絶対関わることができない人。
しかし会ってみたい人。

例えば、アイドルとか?
「会う」ではなく「見る」であれば、イベントに参加したりドラマのエキストラに行ったりと実現することはできそうです。
だけど自分がアイドルになりたいわけではないので、会って何をしたいかと言われると悩ましいところ。

絵を描くことが好きなので、描くことを生業としている方に会ってみるのはどうだろう?
漫画家、イラストレーター、アニメーター。
きっと返事はもらえない。

でもいつも見ている漫画やアニメに携わっている人に会えたら楽しそう。
決めました。

たった一つの持ち物

旅に出るなら、持ち物は最小限におさえなきゃ。
そんな当たり前のことですら僕にはできなくなっていたのです。

いつの間にか、
僕の背中と肩の上には大きな荷物がどっさりとのしかかっていたのです。

あぁ、、、
肩が重い。
腰が重い。。。
それよりなにより、気が重い。

なぜならやらない方が良い理由なんて、
考えなくても雨後のタケノコの如くニョキニョキと顔を出してくるのです。

初対面で返事をくれるわけがない。
相手に迷惑ではないか。
人に会っても自分が変わるわけじゃない。
会って文句言われたらどうするんだ。
うんぬん…

SNSのDMを開放していると言うことはメッセージを送っても良いと言うこと。
だけどどうしても勇気が出ません。

もっとこういう文章にした方が良いのではないか。
やっぱり送らなくても良いんじゃないか。

たった数行のメッセージを考えるだけであっという間に2時間。
出来上がった文章を送るか送らないかを考えるだけでもう1時間。

この旅に必要な持ち物はたった一つ。
嫌われる勇気。

ではなく、
ほんの一瞬の勇気。

えいやっ!!
ーーシュポッ

目を瞑ったまま、スマホを放り投げました。

旅先の事前調査

結局、30回ほどスマホは放物線を描きました。
返信くる確率はきっと1割にも満たないでしょう。

しかも僕のSNSは顔も出していなければ名前も出していません。
相手方にとって、僕と会うメリットは1ミリもないのです。

3人からもらえるなんて夢のまた夢、
1人からでも返信をもらえればこんな幸せなことはありません。

ところが。
ダメ元で送ったメッセージに、なんと返信をくださったのです、
しかも15人以上も。

ドキドキと恐る恐る開きました。

ドラマ「Silent」の脚本家、生方美久さん(silent放送前でした)。
絵本「こびとづかん」の著者、なばたとしたかさん。
朝ドラ100作目「なつぞら」のOPアニメに大抜擢された刈谷仁美さん。
20歳でバングラディッシュにてドラゴン桜を成功させた税所篤快さん。

衝撃でした。
時間を作ることができない、という断りの連絡をくださった方もいました。
果たして僕が知らない人から「会いたい」と言われて、断りの返信をすることができたでしょうか。

また、直接会うことはできないけれどメッセージでのやりとりなら良いという提案や、オンラインでお会いしましょうというご提案をしてくださった方々もいらして非常に嬉しかったです。

こんな機会はもう二度とない。
飛び上がって椅子の上に正座をし、早速返信。
そしてこの日から、徹夜でネット上にあがっているインタビュー記事、過去のSNSの記事、出版されている高著など読み始めました。

少し不思議なご縁

足が重い。
この期に及んでこんな自分が嫌になる。
旅の恥は掻き捨て。仮に大失敗が起きたとしても良いじゃないか!

やっぱり僕に一番必要なものはたった一つ。
ほんの一瞬の勇気。
深呼吸をして、靴ひもを結んで、えいや!と玄関のドアを開けました。

今日お会いできるのは、アニメ「ドラえもん」の絵コンテ・演出家の森山瑠潮さん。
そもそもアニメの演出家とはどんなお仕事なのかも知らないにも関わらず、非常に丁寧にわかりやすくお仕事のお話を教えてくださいました。

そんな感謝してもしきれない森山さんがおっしゃいました。
「作画監督をできるような方は本当にすごい」

・・・ということは、作画監督をされている方にも会ってみたい!!

そこでドラえもんの作画監督・キャラクターデザインを担当されている藤田優奈さんにお願いの連絡を差し上げました。
するとまさかの会ってくださるという!!

こんな何者でもない僕に会ってくださるなんて申し訳なさすぎます。
しかも「せっかくだったらよく打ち合わせで利用しているカフェで」とご提案くださいました。

こんなことまでしていただいて良いのでしょうか(>_<)

ワクワクがとまりません。
少し不思議なひみつ道具を使っているのではないかと勘繰りたくなります。

藤田さんには、アニメーターを目指された理由や普段のお仕事で感じていることなど沢山お話をお聞きしました。
そんな中、とあるお客さんが入店。

なんと、ドラえもんのディレクターをずっと務められていた大杉監督というお方。
僭越ながらご挨拶をさせていただき、ぜひ改めてお会いしたいとお願いしてしまいました。

内心、社交辞令で終わるだろうと思っていたのですが本当にお会いしてくださることに…!!
国民的コンテンツを毎週世に送り出すことの難しさなど赤裸々にお話伺うことができました。

明日の旅が見えてきた

まるでドラえもんが導いてくれたかのようなご縁。
袖振り合うも多生の縁を超えるご縁でした。

大杉監督に「僕も絵を描くことが好きなんです」というお話をしたところ、美学校という所に通ってみたらどうかと教えていただきました。

絵を描くことは好きですが、
学生時代も一度も美術部に入ったことはなかったですし、絵の勉強をしたこともありませんでした。

一度くらい、絵を学びたい。
そんな思いが芽生えてきました。

そこで、美学校の見学に申し込み足を運んできました。
もしかしたら、こうやって新しい旅路を拓いていくことができるのかもしれません。


もう一つ、やってみたいことができました。
漫画「宇宙兄弟」のアシスタントのあさころさんにお話を伺った時。
個展開いてみると良い、とおっしゃっていたのです。

どうやれば個展を開けるのかというところからのスタートですが、きっと必要なのは「ほんの一瞬の勇気」

2024年中には開きたいと思います。
ぜひ本当に開けたら、遊びに来てください!


【最後まで読んでいただきありがとうございます!】
ぜひ他の記事も覗いていただけたら嬉しいです🍀🍀


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