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新潟県十日町市に移住した松山望さんのLOCAL MATCH STORY~地域の方が協力しあう姿が忘れられず、移住しゲストハウスを運営~


移住を経験し、地域で活躍されている人を紹介する「LOCAL MATCH STORY」。
今回は、新潟県十日町市に移住され地域おこし協力隊を経てゲストハウスを運営されている松山望さんをご紹介します。
そして、この記事は松山さんご本人に執筆いただきました。

自己紹介

松山望(まつやま のぞみ)
新潟県小千谷市出身。
長岡造形大学時代から「大地の芸術祭」が縁で十日町市に来ていました。社会人になってからも「大地の芸術祭」の宿泊施設の仕事のため十日町市に。小千谷市で接客業の仕事をしていまいたが、県外へ出て長野、仙台で接客業の仕事を通してゲストハウスに出会い、「自分もゲストハウスをやってみたい」と感じるようになりました。新潟に帰って来た後は、十日町市地域おこし協力隊を経て「まつだいゲストハウス お松の家」を立ち上げ、主人が経営している「地域の為の便利屋さん お松の手」の手伝いもしています。

大地の芸術祭
HP:https://www.echigo-tsumari.jp/
世界最大級の国際芸術祭であり、日本中で開催されている地域芸術祭のパイオニア。アートを道しるべに里山を巡る新しい旅は、アートによる地域づくりの先進事例として、国内外から注目を集めています。
(大地の芸術祭のホームページより引用)

私が移住した地域はこんなところ

03_松代の星峠の棚田_修正版

写真:松代の星峠の棚田


新潟県十日町市は新潟県の中越地方に位置する市で、人口49,723人(2020年11月現在)の人が住んでいます。

市の中央を日本一の大河である信濃川が流れ、十日町盆地とともに雄大な河岸段丘が形成されています。
日本有数の豪雪地帯として知られていて、多い年には2m~3mの積雪となる雪深い所です。
2000年から3年に1度開催されている「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は世界最大級の野外アート展として知られ、国内外から多くの来訪者があります。
その中で私は約3,000人の人が住む、観光スポット「星峠の棚田」がある松代地域に住んでいます。

02_十日町市の地図

画像:十日町市の地図

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なぜ移住しようと考えたのか

「大地の芸術祭」で地域の人たちがお互い協力し合って、地域を盛り上げていく姿がとても印象的で、県外に行った後も忘れられなかったのが強いです。
例えば、リゾートバイトで留学して英語を勉強していた若い子が海外の人に英語で対応するのはよくある光景ですが、十日町の松代地区だと70代の方がテレビの英語教室番組を見て英語を勉強して、観光にきた海外の人を対応している。地域の人が、仕事ではなく率先して地域を盛り上げようとしている。そんな光景が本当に凄いと思いました。

移住するまでこんなことありました。

移住するまでは、稼ぎながら生活していけるか不安はありました。
ですが、山間の地域は人手不足が深刻なため仕事をこなしていけばやっていけることに気づきました。

移住後のライフスタイル

移住してからは、米作り、野菜作りなど里山の暮らしに接した生活をしています。
移住後に「大地の芸術祭」で知り合い、結婚した主人も同じ移住者(長崎県出身)で、私より先に田んぼの耕作をしていたので詳しく指導を受けながらお米を作っています。

協力隊退任後の今、宿の仕事をしながら主人が起ち上げた「地域の為の便利屋さん お松の手」のお手伝いもしています。

便利屋さん「お松の手」Facebookページ
https://www.facebook.com/Omatsunote/

移住してわかった地方暮らしの魅力

お金では買えない経験をたくさん得られることが魅力だと思います。
特に自分の手で野菜やお米を作って食べることは松代に来てからできた貴重な経験です。松代に来てからは「食」に目覚め20キロ太りました(笑)「お松の家」は鶏を飼っていて卵を手に入れているのですが、新鮮な卵がこんなに美味しいのか!と感動しました。
野菜や山菜の種類など、山に自生している花や木について地域の方から教えて頂き知識も増えました。

後は、外から来た人を受け入れて下さる地域の方の人柄も魅力的です。活動中は厳しくも優しく指導して下さいました。

04_田んぼの手刈りが終わった瞬間

写真:田んぼの手刈りが終わった瞬間

05_自家製の卵は新鮮

写真:自家製の卵は新鮮

移住先での住まいについて 

地域おこし協力隊の時は、市営アパートを借りて住んでいました。
平成14年に建てられた2LDKの3階建て(1階は屋根付き駐車場)の家賃は44,000円で、市から30,000円の補助金が出ていたのでそれで殆ど賄っていました。     
今は「お松の家」に住んでいるのですが、その家には後の質問事項で記述します。

移住先でのお金事情について

松代はお酒や自分で作った野菜などの食材をお金の代わりに下さる文化が盛んなため食費はかかりません。飢え死にするのが困難な位です。
冬は雪深い所なため灯油代がかかります。車社会のためガソリン代もかかります。

移住先での暮らしで困ったこと

私がいる所は山間にあるので、場所によってはスマホの電波がないところがあったり、携帯会社によって電波のあり・なしがあったりします。
私は大丈夫だったのですが、同じ協力隊の人で電波が通じなく解約金を払って携帯会社を変えた人がいました。

地域おこし協力隊に応募した理由

実は地域おこし協力隊になる前は、正社員として十日町に住みながらゲストハウスを起ち上げようとしていたのですがシフト制の仕事だったため集落行事に参加出来ず、地域とのつながりを持つ機会が少ないことに焦りを感じました。
そんな中、十日町市のホームページで「地域おこし協力隊」を見つけ、十日町市の行政の方に相談したところ、親身に対応して下さり協力隊になることに決めました。
協力隊になった後は地域の方とのつながりも増え、その中で宿に活かせる里山の知恵や文化を知ることができました。

地域おこし協力隊の活動内容

地域おこし協力隊では、松代中部地区という7つの集落を担当していました。その地区の中で「松代おやっこ村」という地域団体があり、その活動の中で「ふれあい市場」という松代の人たちが作った野菜を売っている直売所の運営支援をしていました。
支援は主に販売や会計支援を行ない、野菜の宅配サービス「野菜の宝箱」を立ち上げ、東京の料理店に市場の野菜をメニュー展開してもらいました。
その活動の中で、高齢化による後継者不足の問題があることに気づき、地域の有志の方と子供たちとの共同畑「ふれあい農園」を立ち上げました。活動の中で集落の隔たりなく子どもたちとじゃがいもを作り、小学校の学校給食に実際に使ってもらいました。
今後も活動を続けて地域の子ども達のやりがいになっていければと思っています。

「松代おやっこ村」ホームページ
https://matsudaioyakko.localinfo.jp/

06_野菜の直売所「松代おやっこ村 ふれあい市場」

写真:野菜の直売所「松代おやっこ村 ふれあい市場」

07_子ども達との共同畑「ふれあい農園」

写真:子ども達との共同畑「ふれあい農園」

事業を始めようと思ったわけ

「お松の家」は松代地域室野集落にある空き家を改修して農家民宿にしたゲストハウスです。私が「宿をやりたい!」という気持ちもあったのですが、地域の方々も「観光客や集落に縁ある人が泊まれる場所が欲しい」という声があり、意思が合致したのも強いです。
また、移住後に結婚した主人が持っている家ということも大きな理由です(笑)

「お松の家」の名前の由来は、主人が家に入る前に前の家主が飼っていた三毛のメス猫の「お松」名前です。松代の「松」、松山の「松」にちなんで付けました。

ゲストハウス「お松の家」ホームページ
https://omatsunoie.localinfo.jp

08_「まつだいゲストハウス お松の家」

写真:「まつだいゲストハウス お松の家」

09_家主の猫「お松」

写真:家主の猫「お松」

事業を始めるまでにやったこと

まずは、見取り図を自分で作り、保健所や消防署や建築課の方に相談しに行きました。
保健所や消防署では民宿の許可を取る際のきまりがあるため、その概要に沿って家を改修しました。専門的なところ(電気、畳、ボイラー移動)以外は主人が床板や壁の張り替え、囲炉裏など全部行いました。
資金は2人で出し合ったのもありますが、協力隊の起業支援補助金(100万円)の支援もあり大変助かりました。

事業の内容について

「お松の家」は素泊まり形式で1泊4,000円で泊まれる宿です。
田舎に泊まって、文化、風習、祭、人、生活に実際に触れて体験し学べる場所。松代地域を案内できる場所。松代に住みたいと思うきっかけを提供する場所がテーマです。

事業の今後のプラン

今後は私と主人の知り合いから広げていき、宿主とゲストさんの垣根を越えた関係を築きながら里山の暮らしを探求できたらと思っています。田んぼの面積が今後増えるので、田んぼオーナー制度を作りゲストさんと一緒にお米を作りながら田んぼの保全ができたらと思っています。
松代にまた来てくださるリピーターを増やして、将来は移住者を増やす移住者促進の場所にできたらと考えています。

10_「お松の家」ロゴ

画像:「お松の家」ロゴ

11_主人2人で頑張っていきます!

写真:主人と2人で頑張っていきます!

移住を検討している方へ

まずは、気になる場所があるなら実際に行ってみて地域の方と話してみることが大切だと思います。もし、十日町市松代地域が気になる方がいらっしゃいましたら「お松の家」に来て下さい。

(終わり) 執筆時期:2020年12月

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