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「事業を通じて社会課題の解決に取り組む」を本気で取り組むトリガー:LIFULL アジェンダ

皆さんは「社会課題」と聞いて、どんな社会課題があると考えますか?

LIFULLは中期経営計画VISION2025で「事業を通じて社会課題の解決に取り組む」ことを掲げています。

LIFULLが「最も多様性を認め、社会課題解決に取り組む企業」になるため、私たち未来デザイン推進ユニットは、「未来のつくり方をつくる」をビジョンに掲げ、世の中の社会課題を捉え、多様な社会課題の解決に向けた事業創出の促進・サポートをし、更には社内のイノベーション文化を醸成していくことをミッションにしています。

そんな私たちが、現在進行形で取り組んでいる「LIFULL アジェンダ」について、今回お話したいと思います。

LIFULLが捉える「社会課題」とは

冒頭に投げかけました「どんな社会課題があるか?」について、改めて皆さんはどう考えるでしょうか?

「社会課題」は、環境問題・災害・人権・貧困…など非常に様々な分野で多岐にわたります。
地球規模の問題や国の問題など、そんな話を見聞きした時に「少し遠い話」と感じることもあるかもしれません。

なぜ「遠い」と感じるのか、これは私の個人的な考えですが、「困っている人達の顔がリアルに感じ取れていない」ことが一因ではないかと思います。

なので、すこし視点を変えると、その「遠い話」もかわってきます。自分の身近な何かに置き換えながら考えてみるのです。

世の中にあるどんなに大きな社会課題も、その中には必ず誰か(一人ひとり)が直面しています。
表面化・顕在化しているものもあれば、まだ気づいていないものもありますし、今は直面していなくても、これから直面するかもしれません。仮に、自分自身が直面していなくても実は身近に潜んでいることもあります。

自分の身近に引き寄せて考えていくと、「遠い」と感じていた様々な課題が「自分ごと」に捉えられるようになっていきます。

だからこそ、LIFULLは「個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで。安心と喜びをさまたげる社会課題」と捉えています。
社会課題の本質を捉えるために、まずn=1(一人ひとり)に目を向け、
そしてその先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通じて解決に取り組んでいます。

note_アジェンダ_個人・社会課題

「LIFULL アジェンダ」誕生の背景/目的

「事業を通じて社会課題の解決に取り組む」ときに、まずはじめの論点は2つあります。

1.未来・ゴール「どんな未来を実現したいのか」
2.社会課題  「実現したい未来に対して、
         解決すべきギャップ(=社会課題)が何か」        

LIFULLは経営理念の中で「より多くの人々が心からの「安心」と「喜び」を得られる社会」の実現を掲げており、これが存在意義であり目指している最終目的です。

この最終目的を実現するために、達成したいゴールを7つ定義しました。

note_アジェンダ_7つ

これらの実現したい未来・ゴールに対して、解決すべきギャップ(=社会課題)が何かを示していくのが「LIFULL アジェンダ」です。

note_アジェンダ_完成

実現したい未来と社会課題を明確にすることで、具体的な解決方法(アイデア)の発想を促す活動に繋げることが出来ます。

そのため、LIFULL アジェンダは、世界中の一人ひとりの暮らしから見えてくる社会の変化から、個人が抱える課題やその先にある世の中の課題を発見し、その解決のために、LIFULLが描く実現したい未来像へ向けての、取り組むべき目標を示しています。

note_アジェンダ_方向性を示す

社会課題解決アイデアの発想のトリガーとなるアジェンダづくりの流れ

アジェンダを作成するにあたり、まず様々なFact情報から社会課題の種を見つけていきます。その種を多角的な視点で議論を重ねながら課題の本質・実現したい未来イメージを描き、その課題の構造を整理していきます。

そして、整理した情報を元に、課題解決に向けたアイデア発想が加速するよう、課題内容をアジェンダに変換していきます。

現在作成されているアジェンダも、住生活・地方創生・高齢社会など、それぞれの領域に携わり課題に直面している関係者の方々とワークショップを行い、対話を重ねることでお互いの理解を深めながら作成していきました。

そして現在進行形で、まだ議論出来ていない様々な領域の社会課題についても議論し、アジェンダへの変換を進めています。

note_アジェンダ_分析・洞察・課題設定

社会課題アジェンダに変換する際には、「困っている誰か」が「理想の状態」になるために「条件として最も必要だと思うこと」を「どうするのか」を1つの文章にしていきます。最後の「どうするのか」については、行動による変化が明確になるよう動詞で必ず括ります。

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アジェンダ文の作成が完了した次は、より社内外に伝わりやすい形式にデザインし、発信をしていきます。
このデザインプロセスに関しては、担当したデザイナーの桑原さんが後日公開します「デザイン編」でご覧いただけますので、乞うご期待下さい!

アジェンダづくりの難しさ

「いいアイデアはいい問いから始まる」と言われます。

この「いい問い」がアジェンダづくりの非常に難しいポイントで、何度も議論が交わされます。

アジェンダ作成の過程では、個(n=1)の課題を世の中ごとと繋げながら抽象化していく工程を行います。ここで、極度に抽象化してしまうと、課題の本質が不透明になってしまったり、自分ごと化しにくくなってしまったり、論点がズレてしまう可能性があるため、適切な抽象化が必要です。
逆に、具体的(限定的)にしすぎてしまうと、アジェンダに対する思考・議論とその先の解決アイデアの発想を狭めてしまい、課題の本質を解決するアイデア・解決策がうまれません。

ここが非常に難しく、そして重要な工程です。

多様で幅広い社会課題に対して、それぞれを的確に捉えながら、議論やアイデア発想を促していけるように、課題の粒度・表現一つ一つのブラッシュアップを繰り返します。

その際、様々な視点でアジェンダの磨き込みを行うのですが、その中でも重要視しているポイントは3つあります。

1.アジェンダから、背景にある問題や達成したいゴールを
   適切に想像でき、思考・議論・行動を誘発できるか
2.アジェンダで語られる課題の大きさは適切か
  (壮大・抽象的すぎないか?矮小・具体的すぎないか?)
3.アジェンダを見て「心から解決したい」と思えるか

そして上記以外で、より細かい視点でもチェックしながら、アジェンダを作成していきます。
「描いた課題が自分本位になっておらず、利他的に考えているか」であったり、「目的である実現したい未来像につながるのか」を繰り返し見直しつつ、一つ一つのアジェンダを磨き込んでいくのです。

note_LIFULL アジェンダ_7つの視点

今後について

LIFULL アジェンダは社会課題解決のためのトリガーです。
アジェンダを通じて、社会課題に気付き、議論がうまれ、アイデアの発想につながり、アイデアに共感して取り組みが広がっていく、それが課題の解決に繋がっていく。

このサイクルを今後も加速させていきたいと強く思います。

最近では6~7月に、社員一人ひとりが社会課題を自分たちなりに見つめ、解決に向けたアイデアをテクノロジーと掛け合わせて発想し、意見を述べ合う“知的交配”の場として、「SOCIAL INNOVATION FORUM」を企画。
全編オンラインの中、約700人弱のLIFULL社員が参加しました。

イベントの中では、社員一人ひとりが身近なn=1の課題の種を観察し、グループディスカッションを通じて見えてくる具体的な社会課題をそれぞれのMy アジェンダとして作成。そして、実現したい未来のテーマ毎にチームに分かれて解決アイデアを発想していく等、非常に積極的な意見交換がなされました。

開催後のアンケートでは、「様々な社会課題があることを実感した」「社会課題の解像度があがった」や、「より深く知りたい」と回答した方が8割近くとなり、「解決のために行動したい」と回答された方も6割を超えるなど、社会課題の解決に取り組むための文化醸成の一翼になったかなと思います。

また、アジェンダを介した社会課題解決のアイデアに対しては、既存事業や新規事業の部署の方々とも連携をしながら、事業創出への磨き込み・事業によるアクションに繋げる活動を進めています。

LIFULLでは、今後も事業によるアクションやオープンイノベーションなどを通じて、それぞれのアジェンダへ積極的に取り組みます。

私たち未来デザイン推進のチームとしても、「安心」と「喜び」をさまたげる社会課題の発見と、そのためのアジェンダを新たに作成し、1つひとつのアジェンダへの取り組みを増やしていくことで、社会課題を解決していきます。

参考
LIFULLアジェンダ
https://lifull.com/brand/agenda/


お問い合わせ先
https://design.lifull.com/contact/


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クリエイティブ本部 未来デザイン推進ユニット ユニット長
木村 紗希

社会課題の発見・事業創出サポートを推進する未来デザイン推進ユニットでリーダーを務めています。
過去にはLIFULL マスターブランド戦略におけるインターナルブランディング活動やブランド投資対効果分析、LIFULL HOME'Sにおけるデジタルマーケティングに携わるなどしています。京都と音楽と美味しいお酒があればだいたいHAPPYなカメラ趣味歴10年ちょっとな人です。(2021年9月時点)


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