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いつでも花は咲く。

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書き下ろしでゆっくり。ここに書かれた物語には全てモデルとなる人物がいます。 そのほとんどは実話です(脚色はしていますが)。それぞれの人生に花が咲きますように。
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記事一覧

花は咲く Flowers bloom in your garden.ⅩⅩⅣ

青春を謳歌する、というのはあの頃のことを言うのだろうか? 26歳の私は豪華なクルーズ船の上…

岩井圭一
5か月前

花は咲く Flowers bloom in your garden.ⅩⅩⅢ

ニースから電車に揺られて小一時間、 まるで絵に描いたようなミントカラーに包まれた街並みに…

岩井圭一
7か月前
2

花は咲く Flowers bloom in your garden.ⅩⅩⅡ

地平線なんて見たことがなかった。 ほとんど平らな地面に突き刺さるように大きなバオバブがそ…

岩井圭一
7か月前
1

花は咲く Flowers bloom in your garden.ⅩⅩⅠ

●遠い家 貧しさがどういうものか?知ってはいたけれど 貧しくない今の方が心が痛い。 屋根に…

岩井圭一
8か月前
1

花は咲く Flowers bloom in your garden.ⅩⅩ

荒れ果てた人生に未練などない。 この国はどこなんだ? 俺は誰なんだ。 荒んだ心の中で声にな…

岩井圭一
9か月前

花は咲く Flowers bloom in your garden.ⅩⅨ

遠くから声が聞こえる。 ・・・・さぁ〜ん。・・・・さぁ〜ん。 ほっといてくれよ。俺は眠いん…

岩井圭一
11か月前
2

花は咲く Flowers bloom in your garden.ⅩⅧ

「押しかけ社員やな」 「そやけど、ここがええんです」 「そうか、しゃあないな」 うちの人生にようやく優しい風が吹き始めた。 ●あんた何しよん? 美大を出て恩師の経営するお店を手伝い始めた時違和感を覚えた。 周りのスタッフの視線がやけに痛く私に向けられていたのに気が付かんかった。 同じゼミの先輩が数名いたそのお店には助教授から声をかけられて入社した。 はっきりと何をしたいか決められずにいた私は言われるままにそのディスプレイ会社に入社した。 仕事は皆が家路につく夜にはじまるん

花は咲く Flowers bloom in your garden.ⅩⅦ

赤い帽子をかぶって、ウエットスーツの上に赤い衣装を着込んだ。 フィンを足につけてボンベを…

岩井圭一
1年前
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花は咲く Flowers bloom in your garden.ⅩⅥ

自分の能力なんて信じちゃいなかった。 でも相手を威圧するような大きな声で「これで良いんだ…

岩井圭一
1年前
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花は咲く Flowers bloom in your garden.ⅩⅤ

大手出版社から独立して5年。 Mook本を中心に3冊の出版を手掛けてこれまでの集大成になるカル…

岩井圭一
1年前
4

花は咲く Flowers bloom in your garden.ⅩⅣ

その日は一年に一度の大潮の日で、 朝早く起きるとバケツとカナベラを持った人たちが 村のあち…

岩井圭一
1年前
2

花は咲く Flowers bloom in your garden.ⅩⅢ

彼はいつも数歩前を歩いていた。 どんなに頑張っても追いつけない。 ようやく追いつきそうにな…

岩井圭一
1年前

花は咲く Flowers bloom in your garden.Ⅻ

いつまでもここにしがみついているしか方法がなかった。 同期だったあいつは今は僕の上司だっ…

岩井圭一
1年前
4

花は咲く Flowers bloom in your garden.Ⅺ

車窓に映る水平線の島々が通り過ぎてゆく。 ざわめく水面のようにささくれた痛みを抱えて客車は東の岬に向かって走り続けていた。 軋んだ停車音とともによろめきながら降り立つ。 長い坂道を足を引きずりながら登ると岬の先に小さなホテルがあの時のままに建っていた。 ●月の花 ホテルは記憶の中のそれとは違ってずいぶん古びて見えた。 「月花(つきはな)」。 家の表札のようにひっそりとエントランスの右側の柱に嵌め込まれたプレートも錆び付いて時間の流れを感じさせた。 そう、僕もすっかり錆び付