ゲーマーの読書教育論
ゲーマーの私が読書を好きになった背景から、勉強が苦手な子供に共通する原因の推察と対策について検討します。
勉強が苦手な子供達
勉強が苦手な子供たちに、ある程度共通する原因として、教科書への苦手意識があると考えています。
おそらく、学ぶことが楽しく感じない、本の内容を理解することが苦手、そもそも文字が苦手ということが起因しているのではないか。
つまり、本を読むことに慣れていないことが、教科書への苦手意識を醸成する、そう考えています。
勉強が苦手な友達はみな、教科書を見るだけで勉強するやる気が削がれていたように思います。
私は、子供が小学校に入学した時点でいきなり教科書を読み始めることが、実はハードルが高いと考えています。それまで、日常的に本を読んでいない子供が、急に教科書のような難しい本は読めないでしょう。
また、教科書の内容は時間と共に難しくなっていきますから、どこかで苦手意識ができると、あっという間に内容についていけなくなると思います。
子供の苦手意識に対して、適切にケアができないまま時間が経ってしまうと、授業中にぼーっとしたり、外を見たり、果てには授業を聞かずに寝ることに繋がり、最終的に勉強が苦手になるのです。
スポーツは得意で要領もいいのに、勉強は苦手な友達はいませんでしたか?それはやはり、本を読む習慣がなく教科書が読めないまま、時間が経ってしまった状態だったと思います。要領が良いので、頭も良いと思うのですが、勉強が苦手になってしまい学力が伴いません。
勉強が苦手という問題を解決するには、本を読む習慣作り、本を好きになることが重要だと、私は睨んでいます。
私のプロフィール
私自身はどうだったかと言うと、幼い頃から本が好きでした。
そのためか、教科書や参考書に苦手意識もなく、勉強も好きです。もともと、中学生の頃の私の学力は平均くらいでしたが、高校受験のために自主勉強を始めたことで、偏差値は69まで上昇しました。だいたい上位3%くらいですね。
おそらく、教科書に苦手意識がなく、勉強が嫌いでなければ、誰でも成績が上がる素質があると思います。勉強しても成績の上がらない子供は苦手意識から記憶の定着率が低いのでしょう。
とにかく、本を好きになれば相当なメリットがあると考えて、私が本を好きになった理由を辿ることで、本を好きになるヒントを見つけることにしました。理由を辿ると、私がゲーマーだったことが大きく関係しているように思います。
愛読本
好んで読んでいた本が2つあります。
1つ目はゲームの攻略本です。当時はインターネットもあまり普及していませんので、ゲームの情報は攻略本に頼って集めることになります。
攻略本には大きく4つの特徴があります。
・カラーの絵や図がありわかりやすい
・情報が体系的に整理されており読みやすい
・ルビがついていて知らない漢字でも読める
・自分の知らない情報を得ることができる
つまり、攻略本は圧倒的に読みやすい部類の本なのです。私は幼稚園児のころにポケモンの攻略本を読んでいましたが、まだ日本語も習っていない状態でありながら毎日何度も読み続けていました。今考えるとすごいですよね。
攻略本なので、その内容は小学生1年生の教科書より難しいでしょうから、初めて読む教科書につまづかなかったのだと思います。
また、攻略本を読むことでゲームが上手くなりました。周りの友達と比べてもとても上手い部類に入ります。相手の知らない情報を持っているので優位性があるのは当たり前なのですが、この優位性がとても優越感を持っていました。
そこから、新しい知識は貴重である、情報は力であると感じ、幼いながら学ぶことの楽しさを見出したように思います。勉強が嫌いにならなかった理由はここでしょう。
2つ目の愛読本は漫画(週刊誌)です。具体的言えば、少年ジャンプと少年サンデー。これは父の趣味ですが、毎週買ってきてくれました。
少年誌には攻略本と同じくルビがあるので、読みやすいです。攻略本と違い、漫画のルビは漢字と読み、用法と意味が一度に表現されているので日本語の学習に最適だと思います。場面やキャラクターの情景なども絵と文字で認識できることで、とても識字力の向上に役に立ったと思います。
ここから私は、読む本によらず、本を読む行為が大切だという結論に辿り着きました。私にとっての攻略本や漫画は、人によっては絵本だったり、図鑑だったりするでしょう。とにかく、子供の好奇心に合わせた読みやすい本を読ませることが効果的だと考えています。
たまに、ゲームや漫画は子供に悪影響をもたらすなど言って避けるようにする親がいますが、それは親のエゴだと思います。
もし、子供が一日中漫画を読むようになっても、一日中漫画を読める集中力を讃える方がいいと思うのです。その場合はよりたくさんのジャンルの漫画を与えて、視野を広げてあげる方が長期的に見ると良い教育になると思います。
ほかにやることがないからと、惰性で同じ漫画ばかり読んでいる場合はさすがに改善するべきでしょう。漫画が悪影響というより、環境が悪いです。
どちらにしても、漫画やゲームで括っているところに、子供を見る視点が抜けていますよね。それはやはりエゴだよ、と思うのです。
読む本の選び方
ここからは、私の考えに合わせた本の選び方を書きます。本を選ぶ方法は我が子でぼちぼち検証中ですが、選ぶ時のポイントや注意点はなんとなく、わかってきました。
まず、本は図書館でなく大型の書店で選びましょう。図書館には最新の漫画やゲームに関する本はありません。本を選ばせる場所として、よりジャンルの多い書店の方が子供に取って都合がいいでしょう。
次に、本は買いましょう。
今まで本を読んでいない子供がいきなり図書館で本を借りても読みません。貸出期限があれば期限内に読むと思うと間違いです。
ただ、本は買い与えることで、自分の本という特別感を持ってくれます。買った本も最初はあまり読まなかったとしても、無くなることはないので少しずつでも読んでくれることがあります。
そして、読みやい本を選んであげる必要があるということです。子供にとって興味がある内容であっても、ルビがなければ漢字が読めず挫折することがあります。欲しい本がわかれば、それが読めるかどうか吟味しましょう。難しければ、少し内容を落としてでも読める本を買うようにしましょう。読みたい本なら自分で漢字を調べつつ読む、そう思うかもしれませんがそんなことはありません。漢字を調べてまで本を読みません。知らない漢字があっても読みたいと思うことはごくごく稀でしょう。
大切なことは本を読むことですので、最初のうちはお金がかかると思います。といっても、毎週1冊本を買っても3000円程度で済みますので、習い事の一つと考えて子供に投資しましょう。
本を読むことに慣れてきたら、図書館に連れて行って借りるようにしてもいいでしょう。
本を読んでいるうちに、学ぶ楽しさや考える力が身につくと思います。既に小学生で勉強が苦手になっている子供でも、本を読むようになれば学力は少しずつ改善すると思います。
注意点
もし子供が攻略本を欲しいと言った場合、買ってあげてください。最近のゲームはググれば攻略wikiがあり、攻略に必要な情報はすぐにわかりますので、ネットで十分だと決めつけてはいけません、落とし穴があります。ポケモンを例に説明しましょう。
ネットで調べる場合、「ピカチュウ」について調べたいときは「ピカチュウ」とググればさまざまな情報がすぐに出てきます。
では次に、「ランターン」というポケモンを調べる場合はどうでしょう。ランターンを知っていればいいですが、知らなければググれません。
その場合、「ランターン」がどんなに強いポケモンだったとしても気づくことは困難です。
攻略本で調べる場合は、体系的に情報を集約していますので、ポケモン図鑑のページを順にめくれば全てのポケモンを知ることができます。
もちろん「ランターン」も調べることができます。
このように、バラバラのページの集合体であるネットと、体系的にまとまっている本とでは、大きく違いがあります。ネットにはルビもないです。
知らない情報を探せない側面があるネットの情報は、子供には扱いずらいと思います。ネットの情報だけで擬似的に本を読む効果を与えようとしても、同じようにはなりません。
最後に
どうだったでしょうか。我が子にいろいろな本を読んで欲しいと思い考えていたことを書きましたが、読みたいと言う本を読ませる方ががいいという結論になりました。
自発的に行動できる子供になるには、やりたいことをさせることが手っ取り早いように思います。
余談ですが、私はいまだにピカチュウはlv.26で10まんボルトを覚えるからわざマシンは使わない方がいいよねとか、ガーディはlv.50でかえんほうしゃを覚えさせてから進化しないとほのお技が乏しくなるねなどの知識が残っています。幼稚園児の頃に必死に考えていたゲームに関する知識が一生ものになってしまったのは笑い話ではありますが、あながち本よりゲームの方が知育には良いのではないかとも思うこともあるのです。
この辺りはまた研究してみたいですね。
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