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書籍「リジェネラティヴ・リーダーシップ」を読んで受けとったもの、とは?

はじめに

約6ヶ月前に洋書「Regenerative Leadership」を読み始めました。

隔週で友人たちと読み進めてきて、11月中旬に全てのパートを読み終わったので「それぞれが書籍からどんなことを受け取ったのか?」を順番に発表していくことに。先日その第1回目があり、私が発表したのですが、せっかくだからその内容を記事に残そうと思いました。ので、今回の記事は、「私にとってこの本は何だったのか?」をテーマにしています。

1.直感の裏付けを世界中から集めて目の前に持ってきてくれて自信・勇気につながった

まず1つ目ですが、上記の通りです。この本はなぜリジェネラティブリーダーシップが重要なのか?について時代背景から語ることに複数のチャプターを割いています。具体的にどんな内容が書かれているかは以下の記事を参照して欲しいです。

そこに書かれている内容は、私が2010年にハワイ島のオーガニックファームで3ヶ月間過ごす中で直感したことがより解像度高く語られていました。

当時過ごしていたファームのガーデン(一部)

書かれている内容も知らないのに見せられても、、、と思うこと請け合いですが、当時の私のブログ記事から抜粋します。

また、当時の私はこのような現状をつくり出してきた要因は、肥大化した・偏った男性性にあると見立て、その解決策は数字の最大化という観点からすると非効率であっても、男女(男女性)を共に大事にすることに見出し、自身の行動指針としてきました。

この行動指針についても、この書籍の中でまさに通ずる内容が書かれていたこともあって、私は自分が歩んできたこの12年の道のりを再評価できた、経験したことを改めてちゃんとあることとして捉え直すことができた、勇気をもらった、そんな感覚を感じたのです。

2.経験のメタ認知や現在地・伸び代の把握のきっかけになった

この書籍の中では私が感覚的にやってきた、切り拓いてきたテーマについて世界中の叡智の整理統合された体系的なエッセンスが紹介されています。そのそれぞれについて自身の経験を振り返ってみることにより、空白地帯はどこなのか?すでに経験を積んできている領域におけるさらなる伸び代はどこにあるのか?等を浮かび上がらせることができたことも大きな収穫でした。

まず、空白地帯でいうと1で紹介したように地球、生態系、自然といったテーマの重要性を感じながらもこれまでそれらの分野を学んでこなかった私にとって、生命とは何か?その原理とは?といったテーマや、長らく人間の内面に強く関心を持ってきている私にとってあることは知りながらも触れてこなかったデザインの分野、ここでいうと自然に学ぶデザイン(リジェネラティヴデザイン)といったテーマについては未探検ゾーンなのでした。

逆に、組織文化、組織構造といったテーマは2018年から実践探究してきていますし、個人と人間関係のウェルビーイングにまつわるテーマはそれ以前に実践探究してきていたので土地勘がかなりあるゾーンでした。だからこそ、踏み込んで微差に迫っていくきっかけをもらえたとも思っています。

3.新たに生まれた問い・探究テーマ

DeepL翻訳をかけた文章を読んだだけで分かった気になってはいませんし、引き続き書かれていることについて深めていきたいと思っていますが、その上で生まれた問い・探究テーマもあります。

①エコシステミックファシリテーションとソース原理について

どちらも知らない人には意味が分からないと思いますが、エコシステミックファシリテーションとは、この書籍に出てくる用語で、用語解説文をDeepL翻訳したものを載せると「生態系全体(ここでいう生態系とは組織を軸においたもの)の多様な利害関係者を促進して、生命を肯定する未来への体系的な変革を可能にする」となります。

一方でソース原理とは「人が何かのアイデアを現実化したり、何かのイマジネーションを世界に現実化していく際のプロセスであり、世界を観察する時の新しいレンズ(観方)」のことを指します。(こちらの記事から引用)※最近、和訳本が出ました。

いずれも別々で実践探究しているテーマですが、どうもエコシステミックファシリテーションとして実践していく上でソース原理というレンズは役立つという予感がしてなりません。混ぜて扱うのではなく別々にちゃんと理解することを大事にしているので安易にはやりませんが、探究したい組み合わせではあります。

②自然の摂理にならうデザイン(リジェネラティヴデザイン)について

こちらは、主には工業製品をはじめとした商業におけるデザインを指していると思いますが、自然環境そのものを再生させるためのデザインという領域もリジェネラティヴデザインという意味では含まれるように思いました。

後者については、今年からご縁をいただきこれまで2度ワークショップに参加した高田宏臣さんが提唱されている土中環境というコンセプトがあり、こちらがそのデザインの領域にあたると捉えています。どちらかというとこちらの方が興味関心も強いので、さらにこの方面を深めていきたいかなぁと思っています。

③デジタルエコシステミック(私の造語)という可能性

最後は、本書のメインテーマといってもいいエコシステミック(生態系)というキーワードに関連して、デジタルエコシステミック(私の造語)という可能性についてです。

私はこの書籍は、ポスト人間中心の1つの方向性として「自然中心型生態系」に重心をおいてあらゆることを捉え直す・デザインし直すことについて書いてあると思えました。

一方でポスト人間中心のもう1つの方向性としてありうると思っているのが落合陽一さんが提唱されているデジタルネイチャー(計算機自然)にヒントを得た、「計算機自然中心型生態系」に重心をおく世界観です。こちらについては人工知能(AI)ではなく、ALIFE(人工生命)といったキーワードも関連しているのではと感じています。

この後者の生態系についても興味深い探究テーマだなと思っています。

さいごに

継続的な読書会をする→発表するためにプチレポートをまとめる→そのレポートを記事化するというプロセスは初めてでした。やってみて、アウトプットするからこそ理解も進むし、新たな問いも生まれるし、投稿するネタもできるし、と相応の時間はかかりますが、いいことずくめだなぁと感じました。このフレームは今後も使っていきたいなと思います。

リジェネラティヴ・リーダーシップの和訳本も現在鋭意制作中とのことなので、和訳本を読めることも楽しみだなぁ〜。


おまけ
リジェネラティヴという観点で関連する過去記事


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