見出し画像

【前編】点から線へ「エシカルアクション」がつなぐ、人と海の未来

今回登場してくれるのは、ボランティア団体「エシカルアクション」代表の安江 省吾(やすえ しょうご)さん。
とてもさわやかな笑顔が印象的な方でした。

地球を守るエシカルな活動を企画・発信し、都内でのゴミ拾いの活動はテレビからの取材を受けるほど。そんな団体の発起人である安江さんには、どんな想いやストーリーがあるのかを語っていただきました。

目の前のことに忙殺されてしまう経験は誰しもあるかもしれません。
今回安江さんのお話を聞いて、日常に流されてしまうことがあっても、人はほんの小さなきっかけで、大きく未来を変えていく一歩を踏み出せるのだということを教えてもらいました。

北海道の大自然で育った学生時代、そして社会人としての直面

画像1

安江さんが生まれ育ったのは、自然豊かな北海道の大地。

毎年のように家族で川や海へキャンプに出かけ、自然が大好きになった安江さんは、それをきっかけに将来は環境保全に関する仕事をしたい!と思うようになったんだとか。

そんな安江さんは、大学で環境調査を行う研究室に入り、水質を専門に学びます。大学院では微生物に興味をもち、環境にやさしい自然素材を用いて食中毒菌を殺菌する研究を行ったことをきっかけに、卒業後は地元の大手食品メーカーで働きはじめます。

社会人としてのスタートを切った安江さんに、ここでショックな事実が待っていました。

「僕の所属する部署だけで、月に100万円以上のフードロスを出していたんです」

ほんの少しクリームが欠けただけで食べられるケーキを簡単に廃棄してしまうような日本の現状に課題意識を感じる安江さん。それと同時に、現場管理のため日勤と夜勤を繰りかえすハードな毎日を過ごすなかで鬱々とした気持ちが大きくなっていったそうです。

フィリピンの「ゴミ山で微笑む少女」との出会い

孤児が通う学校にて

毎日やるせない気持ちを持っていた安江さんは、ある日書店で一冊の本と出会います。

『最も大切なボランティアは、自分自身が一生懸命生きること』
(NPO法人アジアチャイルドサポート代表理事 池間哲郎氏 著)

安江さんはその本のタイトルと、表紙の「ゴミ山の上で満面の笑みを浮かべる少女」の写真に釘付けに。それは、フィリピンのゴミ山(街からのゴミが集積される場所)でお金に替えられるものを拾うことで生計を立てている人たちを取材した本だったそうです。

「こんなに恵まれた環境に生きる自分が鬱々としていて、なんでこの(表紙の)子はこんな笑顔なんだ?って思って、その1ヶ月後にはフィリピンに足を運んでいました」

フィリピンの孤児院でのボランティアを通して、幸せはモノがあることじゃない、自分のいる状況のせいにしてメソメソしていてはいけない!そう強く感じた安江さん。これをきっかけに地元北海道から出て、上京を決意します。

再び忙しい日々。そして、衝撃の動画「ウミガメとストロー」

「ただ、決意って薄れるんですよね」

そういって苦笑いをする安江さん。なんて正直者なのだろうと思いながら、強い共感を覚える編集部(笑)

上京した安江さんは科学の知識を活かし、環境にやさしい建築資材の営業という新しい業界でチャレンジをスタートしますが、再び忙しい毎日に流されがちになっていました。しかし、実直に働くその姿が長年担当していたお客様の目にとまり、スカウトを受けます。そのお客様とは現在働いている会社の社長さんで、東京拠点の立ち上げという大役をまかされました。

もらった大役にふさわしい人間になろう!そう心を震わせていた2018年の夏、安江さんはその後の自分に大きく影響する、とある動画と出会います。

それは、鼻の穴にプラスチックストローが刺さってしまい、苦しみもがくウミガメの動画。

(※とても痛々しい動画ですので、ご覧になる場合はご注意ください)

「ストローを捨てたのが自分じゃないとは言い切れない、そう思ったんです」

目の覚めるような感覚になった安江さんは、それから使い捨てのプラスチックやペットボトルのドリンクを買うのをやめ、生活からなるべくプラスチックを減らす努力をスタートします。

すっかり日常に流されてしまっていたけれど、幼いころ、大好きな自然を守ることがしたいと思っていた自分をウミガメが思い出させてくれた!そう話す安江さんの嬉しそうな表情が印象的でした。

一人でもとにかく始める、動きだす

画像3

(安江さんのマイボトルとエコバック!)

ずっと安江さんの心のなかにあった、環境問題への想い。

「今度こそ目を背けてはならないって思ったんです」

そんな安江さんがまず始めたのは、ゴミ拾い。なんとそれから半年間、一人でゴミ拾いの活動を継続していきます。

紆余曲折ありながらも、自分自身の本当の気持ちに気づき、行動を変化させはじめた安江さん。

次回は、一人で活動をはじめた安江さんがどうやって「エシカルアクション」の立ち上げに至ったのか、そしてこの先に描いている想いをお届けしていきます。

後編はこちら。

エシカルアクションInstagram

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?