見出し画像

星降る夜に想う

『星降る夜に』は、2023年1月クール枠にて放送されたテレビドラマ。主演は吉高由里子さん。大石静さん脚本。

オンデマンド配信で、イッキ見した。

シンプルによかった。

『手話で会話する』人間の存在の描き方、取り巻く人々の日常がすごく良かった。テーマがそこだけにフォーカスされてない感じが、すごくよかった。私に細かいことはわからないけど、脚本のチカラってこういうところにあるって感じた。

私の祖母は点字ボランティアをずっとしていた。なんとなく私もいろんなコミュニケーション方法に興味を持って幼少期に勉強した経験から、2ミリくらい手話がわかる。自己紹介や気持ちを表現するところと、「あなたの家の近くに映画館はありますか?」という質問は手話でできる。なぜそのピンポイントなのかはわからないけど。

相手とコミュニケーションをとりたい、と思ったときに、どの方法だったら可能なのか?を考えて行動する。それだけのことを、カテゴリ分けすることだけで複雑に考えすぎてる気がする。もちろん当事者じゃないとわからないことがあるはず。でも結局のところ、価値観に行きつけば相性の結論は同じだから。

共通の肌や言葉を持ってても、全然1ミリも、まったくお互いのことが分かり合えないってあるし。だから、言葉を発することなくとも、遠慮せずに自分の気持ちを、とにかく堂々と、ずっとまっすぐに感情表現する一星(北村匠海さん)が描かれていてすごくよかった。

この話とは切り離したとして、マイノリティが描かれたドラマは片っ端から観ているんだけど、社会現象、問題に見えることを自然に描くことってむつかしいんだろうな、とは思う。それだとやっぱり感動をよべないから。でも、悲しいとか苦しいとかわかってもらえないとか、だから守ってほしいってメッセージを、どれだけジャーナリズムやエンターテイメントで伝えたとしても、結局現実ってなんにも変わらない。

最近起こった残酷な事件の現場に立ち合った人が、『すぐに被害者に駆け寄り、大きな声でAEDを持ってくるように叫び、周りを見ると、みんながスマホを構えてただ撮影していた。』という記事を読んだ。かなしいかな、このような記事を読むのは何度目だろうかと。それが普通なんだよなって思ってしまう自分もいたりして。

10歳年下だろうが年上だろうが、加害者だからとか被害者だからとか、性別がどうのとか、いろんなことをひっくるめても本質がどこにあるのかを描いてあるのに仰々しくしないただそっと描いていく、大石静さんリスペクト。

ハイパー余談ですが、このドラマを観ている時に、娘から「ん?なに?あれ?今ママが喋った?ママに似てる!!」って何度も言われたのは、「遺品整理」の社長を演じる水野美紀さん。何かのスイッチが入った時の私の口調に似てるなぁ、たしかにと。光栄ですよ。しかし、娘が髪の毛をForeverピンクにしたらどうしようとは思った。

んー、その時は、たぶん私もピンクにするでしょうね。

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

喜びます、ありがとうございます。