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2024.1月(5冊ログ)

毎月、読んだ本から「5冊」紹介しています。

1. 時間は存在しない

『時間』とは何か、という概念。『今この瞬間』の連続がずっと毎秒あるだけで、生きているうちは過去も未来も存在しない。もし望めば過去に存在し続けることもできるし、未来に早く進むこともできる。

年齢や肉体の衰えが生まれたスタートから徐々に過去に送っていくように見えているだけで、意識的過去と未来は時間の流れ、全人類共通のものではない。時間を軸にして行動や生産性を決めて人生を推し進めると、強烈なひずみが来る時がある。その時すべてをストップしたくなるのは、自分の時間の流れの感覚と規律ある時間の感覚がずれているのではないだろうか。

目の前にあるグラスは、動かさなければずっと動かない。3日放置しても何も変わらない。でも今動かした瞬間から「ここにグラスがおいてあった過去」がうまれる。ただそれのことだから、サッサと過去にする必要もないし、片付けることが遅いということもない。時間縛られずに自分のペースを取り戻していい、と安心した。

2. #自信のない部屋へようこそ

作家雨宮まみさんが、「もうちょっとぐらい自分の部屋を好きになる方法や、ましな感じにする方法はないのだろうか。」と考えるところから少しずつインテリアを揃えた記録的エッセイ。

本書に“すべてがなんだか億劫で、自分の面倒を楽しんで見ることができない。”とあるが、赤べこレベルに共感度高く、うなずきまくってしまった。まったく同感。私はインテリアやファッションに対して、お気に入りやこだわりを見つけ、気持ちを維持するのが下手。下手というのがしっくりくるほど、得意ではない。機能や肌触り、何に対してもできるだけシンプルで情報量が少ない状態にしたい、という無機質が楽なのだ。

でも本当は『お気に入りに囲まれる』というのには憧れていて、このエッセイは、モノを選ぶ感覚を取り戻して時間をかけて集めていくことが書かれていて、プロセスの結果、「少しずつ暮らしをお気に入りに満たしていく」ということを知った。

お気に入りのものが写真に映っていた。その写真がものすごくキレイで、うつくしくて、光と愛情が注がれているモノが、キラキラして見えた。私も本当のお気に入りをまず1個探す、ことから始めてみる。

3.#今日もていねいに

『暮らしの手帖』編集長が、ご自身の日々の生活に組み込んでいる『ていねい』の工夫や、それがもたらす変化を書いた本。

「暮らし」をていねいにする、ということが「穏やかに生きている・大丈夫。」と思えることだ、というのが私の最近のトレンドで。

ていねいとは、いつくしむこと。モノもヒト、そしてなにより自分を。

暮らしは生活で、生活は毎日で、家事も仕事もやっていることは毎日の微差の連続で、TODOをテキストにしてみれば、毎日同じことの繰り返し。でも、本当に100%全く同じことは一つもない。だとすると、その1つ1つに少しの意識をもう少し向けるだけで、何かを実感するヒントがある。

今日もていねいに。と、図らずも読み終わったら本の題名を呟いていた。

4. #決めつけてはいけません 、他人を。何より自分を。

プロダクトデザイナー秋田道夫さんの格言集。心の機微の哲学書でした。70代の著者がXでつぶやくたび、ふと冷静になれたり、そうありたい、と思うことが多く手に取った。

喜怒哀楽は、他人には関係ないことだとつくづく思う。相手との関係性の中に改善すべきプロセスがあるなら、なおさらご機嫌な状態でスムーズに交渉できる方が良い。「もう二度と会いません」という前提より、「これからいい関係性で一緒に進んでいけると良いですね」というスタンスで話をした方が良い。

もうそろそろ、落ち着いた人間になりたい。
そう思う日々に、ヒントがたくさん、ありがたいお言葉集。

5.#私を整えるスープ

自分がバタバタ、時間に追われて焦ってる時にも、スープという存在は、やさしく、応援なのである。

スープってあったかいし、潤うし、染み渡るし、充足感が広がる感じで。スープを作ることは、シンプルだからこそ、キッチンの空間で音に集中できる。トントン、ガチャガチャ、シャカシャカ、グツグツ、自分の中にあるあたたかさを抽出していく作業なのかもしれない。

ざわざわ、ごちゃごちゃを感じたら、「落ち着いてスープを作ろう」そんなこともセルフケアの一つにしたい。

おわり。
今月も読んでくださってありがとうございました。来月も書きますので良かったら遊びに来てください。

#本
#読書

喜びます、ありがとうございます。