2022.11月(10冊ログ)
毎月、読んだ本から「10冊」紹介しています。
1. #母親になって後悔してる
ここでの後悔は、子どもの存在というより「母親である状態」のこと。“すべての人間は確かに女性から生まれるが、女性は生まれつきの母親ではない”“母になる義務が女性の本質ではない。”と本書にある言葉がすべて。
母親という立場が社会的神聖となり、これを後悔することはルール違反で非難されてしかるべき、というタブーに踏み込んでいる。研究結果として記されているのでフラットに読めるし、この話題で網羅されていない感情はないほど情報は多い。個人的にはそういう気持ちがあっていいと思うし、それも含めて「母親」という肩書が、何者でもない自分が存在していてもいいんだって支えになる時があるのは事実だと思う。ただ、社会的圧力・パートナーからの圧力で母親を選択することがないといいなと願う。
2. #A2Z #山田詠美
2003年出版の本が、来年AmazonPrimeオリジナルでドラマ化される。そう聞いて20年前にも読んだ恋愛小説を今もう一回読んだ。今の私が読むとどんな感覚になるのかが気になった。
大胆な解剖学的恋愛小説。20年前の小説なのか?1ミリも色あせてない。全員の色気、艶っぽさ。今これが選ばれる理由もわかる気がする。誰がこんな夫婦の不倫劇を予想できるだろう。地上波ではなくAmazonPrimeだから放映できるところも期待。
3.#全部を賭けない恋がはじまれば #稲田万里
「性」と「生」を赤裸々に描く、ビバ解放!の書である。ドキドキしたり、爆笑したり、さすがに引きがちになったり、悔しくて泣いたり。結局、楽しみ方もどうぞご自由に、という余裕がカッコよかった。
出版前からnoteにたくさんのファンがいた稲田万里さんのデビュー作品。占い師としての専門は霊視。この物語には確実に見えない何かが宿っている。解放の解放越え。
4. #トランスジェンダー問題
この本は医療書だった。ジェンダーアイデンティティが守られるために必要なことはヘルスケアじゃないかな。少しでもその人が長く生きることができるための医療機関が全然整っていない。偏見がトランス医療の進化を止めている。
どの内容を転記するのも難しい内容。そのくらい誰かがこの事実をちゃんと明るみに出さないと何も変わっていかないという歴史の一幕。学校、教育、社会、政治、経済、医療で起こるトランスジェンダー問題を知った。
5.#余命一年、男をかう
めちゃくちゃ面白かった!最高に好きである。ずっと笑った。フィクションで余命宣告テーマの最高傑作だと思う。映像化してほしい。ドラマで観たい。全てのやるべきことを放り出して一気に読んだ。
言葉の選び方がいい。ずっと爆笑orニヤニヤしちゃう。全登場人物に愛着が持てる。夢がある。テンポが良い。卑屈さがない。間延びする描写が全くない。2.5㎝の厚みのある新書とは思えないスピードで読み終わった。あ~楽しかった!
6. #「静かな人」の戦略書
内向型の人が埋もれないようにするための人生攻略本。アイディアや野心があっても内向的な性格が邪魔して埋もれてしまう。騒がずに着実に実現していくための戦略がわかりやすい。
内向的であることで問題があるとしたら「物事がややこしくなること」かもしれない。言えば済むこと、巻き込めば済むこと、すべきはフォローじゃなくて攻めの時に遅くなる。ここを理解すると仕事も格段にうまく行きそう。
7.#哲学者たちの思想、戦わせてみました
人生の中に、自分の中に、自分の好みで良いから哲学を持っておくといい。どんな自己啓発本も基本的には歴史上の人物、哲学者たちの言葉をそれぞれの解釈に変えて世の中にもう一度出ている気がする。
どんな哲学者の、どんな解釈を自分が好きかという事を考えると、結局自分の自由意志に行きつく。哲学って特別なことじゃなくて、考え方の源泉みたいなもの。哲学に触れるにはとてもわかりやすく、楽しい本。やっぱりドイツの哲学者が好きだなぁ、私はね。
8.#無人島のふたり #山本文緒
山本文緒さんがある日突然、58歳で余命宣告を受け、最期まで自宅で綴っていた日記。この本に綴られていることは全てがリアルで、読んで苦しくなることももちろんあるけど、とても穏やかだった。お別れの挨拶。
山本文緒さんがまだ書きたかった作品のテーマを公開している章がある。この環境の女性をテーマにこのメッセージを伝えたいけどもう書けないのでどなたかどうぞ、と。まだ新作を読みたかった、という気持ちが溢れた。書きたかった、読みたかった。書くことの偉業を生業にされていた山本文緒さんのご冥福を心よりお祈りします。
9.#しにたい気持ちが消えるまで
人間は「生きたい」と思うのが当たり前にはできていないと思う。生きる理由になることを見つけたり、死なない選択をする出会いを毎日繰り返すことが生きている状態になっている。だから死を願う気持ちは存在してもいい。
ただ、死にたい気持ちが湧き上がったときに考えておいた方がいいことは、死ぬって難題だということ。その望みが叶うかどうかを自分では決めることができない。自分自身の肉体を死に追いやって手放そうとしても、魂が肉体を手放そうとしない。だから死ぬことは諦めて、少しでも穏やかに生きる方法を考えよう。
10. #子どもが「学びたくなる」育て方
大前提に親子で会話してほしい、親子は仲良くしてほしい。その願いの書に思えた。子どもの人生観や哲学は毎日の生活、親子関係の中にある。そしてそれはとても大切なことである。
ずっとずっと答えはない。答えのない問いに親子で向き合っていく事が生活になっていく。信じること、迷うこと、立ち止まることも全部一緒に親子で行動できる時、親子が一緒に育つ。その瞬間に何度立ち会うことができるかで親子の絆が作られて信頼関係が子どもを前に進めることになる。
おわり。
今月も読んでくださってありがとうございました。来月も書きますので良かったら遊びに来てください。
喜びます、ありがとうございます。