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中高生xAI チーム開発で技術力と創造性をブースト。AI開発ハッカソン「AI HACK FOR TEENS」開催レポート

ChatGPTに代表される生成AIの登場により、人工知能(AI)を誰もが活用する未来が現実味を帯びてきました。中高生も気軽に生成AIに触れ、イノベーションを生み出せる時代に、彼らはAIをどのように活用していくのか。

ライフイズテックでは、ゴールデンウィークにプログラミング経験のある中学生・高校生を対象とした4日間のAIサービス開発ハッカソン「AI HACK FOR TEENS」を開催。中高生がAIを活用したサービスを実際に開発しました。

今回は制作された作品とともにその様子をレポートします。


生成AIを使ったWebサービスをチームで開発し発表する

今回のハッカソンはチームで共に学び、生成AIをつかったサービスを4日間で作り上げることで、AIを活用したサービスの実装方法を学ぶことが目的です。

1日目は生成AIワークショップや企画ワークショップを通して、生成AIでできること、企画の立て方、発表の仕方を学び、2〜3日目はチームに分かれてサービス開発に集中します。
参加した中高生は、ほぼ全員がチーム開発未経験。チーム内の役割分担や進捗管理、コミュニケーションの取り方など、チーム開発ならではのスキルも習得。加えて開発と並行しながら、発表資料・プレゼンの作成方法を学び、オリジナル作品を魅力に人に伝えるためのスキルを習得しました。

最終発表には、生成AIを高度に連携させた4作品が登場

最終日にはチームごとにオリジナル作品を発表。Unityゲームプログラミングコース1作品と、Webサービスプログラミングコース3作品の合計4作品が出揃いました。

プロンプト文をクイズ形式で当てるゲーム「ピッタグラム」

Aチームの作品は「ピッタグラム」。OpenAIの画像生成AI「DALL-E(ダリ)」を使って、ピクトグラムを自動生成し、画面に表示。その際のプロンプト(命令)文をクイズ形式で当てるというゲームです。自動生成されたピクトグラムを見て、ユーザーが解答を入力するとChatGPTがそのテキストがどれくらい正答に近いかを採点してくれます。ゲーム開発ツールUnityにChatGPTとDALL-Eを組み込むという開発難度の高い作品でした。

生成AIが遊びプランを考えてくれるWebサービス 「あそぷら」

続いて、Bチームの作品名は「あそぷら」。生成AIが友達との遊びのプランを考えてくれるWebサービスです。ユーザーがその日の気分に合わせて提示された「カフェ巡り」「映画鑑賞」などの条件を選ぶと、ChatGPTが「表参道カフェ巡り」「神保町古書店巡り」といったプランを自動生成。その際、プランに合わせたイメージ画像も自動生成されます。ユーザーはまず、自分に合うキャラクターを予め用意された6タイプから選択。そのキャラクターの志向と目的の条件をかけ合わせたプランが出力される仕組みです。テキスト&画像生成というChatGPTの機能をフル活用したサービスとなりました。

友達と遊ぶ際の日程を“勝手に調整”してくれるWebサービス 「CATECHO」(かてちょ)

Cチームの作品名は「CATECHO」。友達と遊ぶ際の日程を“勝手に調整”してくれるWebサービスです。サイトにログインし、友達を探すだけで、お互いの予定の合う時間帯が自動的に複数表示されます。APIを使用して、Google カレンダーから自動で取得した互いの予定に合わせて、ChatGPTが都合の良い時間帯を割り出す仕組みで、これがあれば、カレンダーで自分の予定を確認し、空いている時間帯を送るという面倒な作業がなくなるといいます。APIを使って、AIとGoogle カレンダーを連携させている点がポイントです。
※API=Application Programming Interfaceの略。異なるシステム間でアプリケーションを連携する際に使用するプログラムのこと。

生成AIを使用したゲーム感覚の会話練習アプリケーション 「PRA.COM」(ぷらどっとこむ)

Dチームの作品は、生成AIを使用したゲーム感覚の会話練習アプリケーション。チャットを入力すると自動でその属性を模した返信があり、会話を続けることができます。「PRA.COM」は、PRACTICE × COMMUNICATIONが由来で、会話の様子はChatGPTによって採点され、改善点を含めたレビューが表示されます。相手はAIなので、恥ずかしがらずに何度でもトライできるのがポイント。ユーザーの入力テキストに合わせた会話相手の人格を自動生成し、会話データをスコア化するところで生成AIが活用されています。

各チーム、ゲームやWebサービスの開発、発表だけでなく、X(旧Twitter)を通じて、作品の内容を一般ユーザーに発信し、その反応コメントを開発に活かしたりする経験も。多いチームは、Xの投稿に対し6,000以上のインプレッションを集めていました。

【参加者の声】めとろさん(高校1年生/Dチーム)

「ライフイズテックでAndroidアプリ開発のコースに3年間通っています。それでもHTMLやRubyといったWeb開発用の言語は、半年くらいしか学んでおらず、参加するまでは不安でした。でも、結果的に生成AIを使ったWebアプリケーションを完成させることができ、大きな自信になりました」

【参加者の声】みずきさん(高校2年生/Cチーム)

「ライフイズテックでWebサービス、Webデザインのコースに計3年ほど通っています。生成AIを組み合わせて、Webサービスの開発をするのは初めてでしたが、意外とカンタンだぞという手応えを得ました。生成AIはプログラミングのコードなども生成できます。生成AIを使いこなすためのプロンプトの手法に興味が出てきました」

チームで開発をした経験を将来の活動に活かしてほしい

4日間を終え、プログラム運営を統括したライフイズテックのメンバーサクセス事業部LXグループの江口はこう語ります。

「AI HACK FOR TEENSの目的は、次世代のコアイノベーターの育成・輩出です。それは、世の中の課題を見つけて、それを解決するプログラムを実装し、社会にインパクトを与えられる人材です。生成AIのことは知っているけれど、触ったことがない……という中高生にも『できることからやってみよう』という機会を与え、AIを自分ごとにしてもらいたい。手を動かして、アプリケーションなどを形にしていくことで、AIはどんどん身近なものになっていくはずです。また、チームで開発を行う点も今回の大きな狙いです。仲間と一緒に、強みを活かし、苦手を補い合って、ひとつのプロダクトを創り上げた経験を、今後のあらゆる活動に活かしてほしいと思います」


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