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追憶の海外紀行

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2022年1月の記事一覧

東北の宵は軍歌とともに更けていった

東北の宵は軍歌とともに更けていった

 乳白色の湯けむりに覆われてしまった共同浴室から上がり、自分の宿泊していた部屋に戻った。部屋のドアをゆっくりと閉めたとほぼ同時に、控えめなノックの音がかろうじて聞こえて来た。

 時刻は二十時をまわっていたため、清掃時間にしては遅く感じられた。

 私が「誰呀(誰ですか)?」と尋ねると、返って来たのは落ち着いた若い声の日本語であった。

 「朝、食堂でお会いした河村です。もし良ければ少し一緒に話を

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