才能は自力で作れる! ~書評 ぼくたちは習慣でできている~ その1
自分には何も才能がないと思っていませんか?実は才能は神から与えられるものではなく、自分で作るものらしいのです。才能を作り出すには、習慣を手に入れる必要があります。この本を読んで、才能を手に入れる第一歩の"習慣"を生活に取り入れてみませんか?興味のある方はぜひ最後まで読んでみてください。
今回紹介する本
佐々木典士 著 「ぼくたちは習慣でできている」ワニブックス
※今回もAudibleで聞きました。
この本から得られること
1. 生活はすべて習慣でできている
2. この習慣から、とてつもない偉業が飛び出す
3. 才能とは、習慣によって得られたスキル、知識のことを指す
4. 習慣をコントロールできれば、様々な才能を手に入れることができる
著者はベストセラー作家、編集者、ミニマリストです。特にミニマリズムの第一人者なのだそうです。さらに筋トレ、朝5時起き、ヨガ、瞑想、日記を書く、ブログ、原稿を書く、10 kmランニングなどマルチな日課をこなしているのだそうです。
これだけマルチな才能を発揮し、たくさんの日課をこなすので、さぞかし意志の強い方なのだろう。そう思ってしまいます。しかし、別段意志が強いわけではなく、習慣を身に付けるコツを知っていた。というのが著者の主張です。
本書では、良い習慣が人の人生にどのようなプラスの影響をもたらすのか。そしてその習慣の身に付け方が紹介されています。今、ご自身が断ち切りたい悪い習慣がある方、勉強やトレーニングの習慣がなかなか身に付かない方はご一読の価値ありだと思います!
概要~ここだけ読んで内容理解~
本書が定義する才能とは、努力の継続によって得られたスキル、知識のことです。面白いのは、才能を得るために継続すべき"努力"は工夫次第で身に就くという点です。
【本書をまとめると】
才能→努力の継続によって身に付く
努力→習慣によって継続できる
習慣→学習によって身に付く
つまり、才能は”自分で作れる”ということです。才能は神が与えし能力ではないのです。必要な才能を得る手段は、そのために必要な努力をすることなのです。ここでいう努力は“歯を食いしばってする苦しいもの”ではありません。賢く習慣を身に付ければ“歯磨きをする”くらい自然な日課のようになるのだそうです。
習慣を身に付けるにはコツがあります。ただ時間をかけるだけでは身に付かないそうです。著者の体験談として以下の話が挙げられていました。
著者は2016年に出版社の仕事を辞め、時間がたっぷりある状況になったそうです。そこで感じたのは何もしない時間は人を不幸にするということです。今まで仕事の合間にやっていた読書、そこに大きな幸せを感じていたそうです。しかし、仕事を辞めて時間がたっぷりある状態では、あれほど楽しかった読書がちっとも楽しくなくなったそうです。事実、1日7時間以上の自由時間は人を不幸にするという研究データまであるそうです。
その生活からの教訓
習慣は時間とエネルギーがたっぷりあっても身に付かない
逆に言えば、時間やエネルギーがなくても習慣が身に付くということです。「時間がなくて新しいことを始められない」「自分は意志が弱くて努力が続かない」という方も、実は意思の問題ではなく、継続の仕方を知らないだけなのかもしれません。本書を読んで、習慣を身に付けることを実践してみてはいかがでしょうか?
各論 第1章 意志力は、生まれつき決まってる?
新年の目標はなぜ挫折するのか?
元旦に、新年の目標を立てる人が多いかと思います。その目標達成率をご存じですか?
なんと、新年の目標の達成率は8%なんだそうです。
つまり92%の人は、目標を達成できずに挫折しているのです。なぜでしょう?
人には"現在の報酬>未来の罰"という考えが本能的に備わっているためだそうです。
実は、人間には本能的に未来の報酬や罰則に疎いのだそうです。多くは、"未来のご褒美まで待てない"もしくは"未来の罰を見ないふりする"ことから目標達成をあきらめてしまうのだとか。
分かりやすくダイエットの例で考えるとこうなります。目の前のケーキがある。これを食べてしまう(現在の報酬)ことで太る(未来の罰)ことがわかっているのに、やっぱりケーキを食べてしまう。同じ葛藤は勉強やトレーニング、仕事などでも当てはまります。目標の挫折は、この目の前の誘惑が大きな原因だったということです。
そして、この"現在の報酬を優先する"傾向は、大多数の人に共通しているようです。ある研究では、
A: 金曜日に1000円もらう
B: 翌週の月曜日に1250円もらう
という選択肢を被験者に取らせました。
金曜以前に聞いたとき→ほとんどの人はBを選んだ。
金曜当日に聞いたとき→6割の人がAを選んだ。
数字によってどれだけお得かがわかるテストでこの結果です。ダイエット、勉強、筋トレ、仕事などは、今日の努力が将来の結果となって見えにくいですよね?なのでなおさらに現在の報酬を優先してしまうそうです。
実はこの特性は、原始時代の生活様式を反映しているそうです。狩猟採集をしていたころの人類は、目の前に食料を見つけた場合、次にいつ見つけられるのかわからなかった。なのですぐに食べるほうが生存には効果的だったのです。言い換えれば、進化の過程でより即物的だった人類の先祖が優位に生き残った。そしてその末裔が我々といえそうですね。なので、現代に生きる我々は、即物的な性格をより濃く受け継いでいるので、我慢ができないのかもしれません。
しかし、飽食の時代、われわれは将来の報酬をもっと過大に考えてもよいのではないでしょうか? ここで、長くなるのでパートを切ります。
ということで、現代の人類が即物的で”我慢ができない”存在であることがわかりました。この即物的な考えを、未来志向に変えるには強い意志が必要となってきそうです。次の記事では、未来志向になるために強い意志が絶対的な必要項目なのかどうか、本書に従って解説していきます。お楽しみに!
感想
実は私も、意志がとても弱くて、ついつい目先の誘惑に負けてしまう人間なのですが、最近ボクシングジムにずっと通っています。練習もハードですし、この前、肋骨を骨折しました(今も折れてます)が折れてる状態でも練習を続けてます。多くて週に6日、少なくても週に4日は通ってます。意志の弱い私が、結構続けているなぁ、と自分で驚いています。これは意志を通り越して習慣として身に付いていると確信しております。
ボクシングジムに通う習慣を身に付けた後で、本書に出会いましたので、実際に「この本を読んで試して良い習慣を手に入れました!」ということではありません。しかし、聞いていて「なるほどな、確かにこういう思考があってジムが続いているな」と思うことが多かったのです。本当に共感の連続でした。なので、本書は習慣を身に付けるのに必要なエッセンスが濃縮された良書の一冊だと断言します。
悪い習慣がなくならない、いい習慣が身に付かないという方は、ぜひご一読ください!そして次回の記事も読んでいただけると嬉しいです。
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