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グループ展[開放空間]を振り返る③
私の作品以外の出展者の作品やパフォーマンスについて、主催者として、また鑑賞者としての感想を記録する。
ー写真・グラフィック作品
写真家 Izukawa Yuya とグラフィックデザイナー Tatsuki Kohama による、日常と開放を表した作品。モデルは、今回のイベントのメインビジュアルも務めたバレエダンサーの美桜さん。
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都会における日常を写した作品では、人混みの中に混じり合いつつ埋もれることのない「自分」の姿や、足元に見つけた小さな物を、巧みな色彩感覚で捉えている。
メインとなる1枚は、開放感溢れる稜線の風車を遠景に、風、光を見事に捉えた、見る者の目を惹きつける作品となった。
写真に合わせたグラフィックは、登場人物の心情に合わせた書体やリズムで、言葉以外の要素でも作品に見る楽しさを添えた。
ー服飾[Né mui]
街の布団屋の「眠井さん」が、街の人々により良い睡眠を届けるために、まずはより良い日常から!と思い立ち、誕生したファッションブランド「Né mui」の新作展示、という奇抜で楽しいコンセプト(ファッションデザイナー Ritenuto by tac による作品)。
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どこでも寝られる、まくら内蔵型のセーラーカラードレスや、まくら型のブローチ、眠いけれど寝たくない時のためのコーヒー染めのガウン。
会場に置かれたルックブックには、多くの人がじっくりと目を留めていた。
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布団やまくらが空中を舞うディスプレイは見事で、螺旋状に空へ舞い上がっていくイメージは、そのまま夢の世界に繋がっていくかのようだった。
ーグラフィックデザイン Tatsuki Kohama
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「水」を色と形と文字とで表現した作品。人目を引く鮮やかで涼しげな色彩が印象的。眺めていると、そこに屋外プールがあるような気持ちになり、まだ夏の暑気の残る9月末に去りゆく夏への名残惜しさを感じた。
ークリスタルボウル演奏 空音シン
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音が鳴り始めると、途端にどこからともなくたくさんの人が集まってくる。不思議な倍音に引き寄せられるかのように。クリスタルボウルの演奏は、音楽とは少し違う。メロディはなく、自分の内側から鳴る音を感じているような、耳で聞いているというよりも、もっと視覚的な音に近いものだと感じた。
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クリスタルボウルの音の波長が人間に与える影響として、瞑想のような状態をもたらすことがあると言われている。とても概念的な話になるが、自分の中で常に交錯するさまざまな情報(電気信号)が、この音の波長で整えられ、自然界の一部のような状態になれるのではないかと私は想像している。
演奏後、多くの人が演奏者の空音慎さんに質問をしていた姿も興味深く、鑑賞者が自分の感性や思考を[開放]してくれる、とても良い機会になったと思う。
ーヘッドマッサージ
今回の展示企画のなかで、唯一有料参加の企画とした(施術者のコンディションを考慮したため)。日常的にパソコンやスマートフォンを見続ける生活を送る人が多いため、頭や首に蓄積された緊張を物理的に解放し、軽やかな感覚で作品と触れ合ってほしいという目的で本展のラインナップに加えた。施術ブースを箱から舞い上がる布地のインスタレーションの内側に作ることで、鑑賞者自身が作品、引いてはこの展示空間の一部となってくれることを意図した。
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グループ展[開放空間]を振り返る④につづく
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