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高齢期リハビリのココロエ39 高齢者は時間を持て余すようにできている

要介護高齢者のほとんどは退屈です。時間を持て余します。施設や通所サービスにて無言で座っている高齢者さん、ホントに多いんですよ。自分がそこにいると想像してみてください、いかがでしょうか?
そんな退屈を解消する介護保険サービスの定番メニューは『塗り絵』や『クロスワード』など、いわゆる脳トレや集団体操です。そしてマンツーマンの機能訓練といったところでしょう。それらが好きなら問題はありませんが、苦手であればどうしようもないですね。
本来、現役世代はそんなとき『暇つぶし』をする道具を準備したりします。スマホをはじめ本などが代表的です。人は時間を有効に使いたい、と本能的に感じる生き物だと思います。
余談ですが、例えば施設生活などで無為に過ごす生活が年単位で続くとどうなるか、ご存知でしょうか?答えは『行動することを諦め、思考が止まります』。心の中をのぞいたわけではありませんが、客観的にみてそのようにみえます。そこに至るまではたくさん、葛藤や思考があり認知症の方は『帰り道』を探されたりしますが、最終はそうなる方が多いと見受けます。さらに手足を動かさないため老化はすすみます。
ではどうすればいいのでしょうか?要介護高齢者の『時間を有効に使いたい』という想いに周りはどんなフォローをすればよいのでしょうか?
そもそもなぜ要介護高齢者は退屈になるのか、から考えていきましょう。
みなさん、生活上『しなければならないこと』はありますか?仕事、家事、子育てなどが思い浮かびませんか。ではそれらは一週間のうち、何%を占めますでしょうか?子育て世代、現役世代はおそらく70〜80%『しなければならないこと』が生活に組み込まれていることと思います。
では要介護高齢者の『しなければならないこと』は何でしょうか?答えは『ない』ことが多いと思います。なぜか、それは要介護になると同居家族や施設スタッフが善かれと思い、お世話がはじまるからです。周囲でフォローする方は『要介護だから何もできないはず』という思考になりやすくもなり、その動きは強化されます。
話を戻しますと、人の生活は『しなければならないこと』が一週間のほとんどを占めていました。それが、ごっそりなくなると当然退屈になります。自然と社会文化的に『要介護高齢者は退屈問題』は熟成されてきているわけです。一方で『したいこと』だけで生活を満たすことは非常に困難なわけですね。
一人暮らしの超高齢者がなぜ健康か、よく話題になりますが、それは家事などの『しなければならないこと』がたくさんあり、頭手足を使い続けているからなんですよね。
そのため、『要介護高齢者の退屈問題』を解く鍵は『しなければならないこと』=『家事・仕事』にあります。

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