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売れてる本はどんな仕組み?解析シリーズ第一弾<「欲しい」の本質>

電子書籍を書いてみよう、と思っても実際にどうやれば良いのかは分かり辛いものです。
そういった時は理論だけでなく、具体的な事例、つまり売れている書籍を分析すると理解の助けになることがあります。
今回は、マーケティングの新分野を切り開く「インサイト」に関する書籍、<「欲しい」の本質~人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方~とは>を解析していきます!

<「欲しい」の本質~人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方~>とは


<「欲しい」の本質~人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方~>とは、デザインシンキングとほぼ同時期に出てきた「インサイト」というマーケティング起点の用語・概念の見つけ方や活用方法をまとめた書籍です。
「ヒットアイデアを意図的に作り出す」事をビジネスとしている株式会社デコムの代表取締役が著者の一人であり、同氏の実績や経験から生まれた書籍といえます。

人の無意識を掘り起こすことで消費者を動かすというアイデア開発や商品企画にぜひとも欲しい思考パターンなどについて解説しています。
レビューは好評化と低評価に二分しており、概念自体はマーケティング上級者向けなものの、今までの流れや固定概念を覆す書籍といえるでしょう。

大まかな内容

ここでは著作権に違反しない程度に書籍の内容を短く説明・紹介します。
どんな内容かを把握する手助けにしてください。

現在、日本のみならず世界の先進国は一つの問題を抱えています。
それが「新商品の開発」です。
企業が利益を獲得するためには新商品の開発は欠かせませんが、既存製品の「改良品を出してもあまり売れない」のが現実です。
そこで陥るのが「革新的な商品を開発したいがどうすればいいかが分からない」という葛藤です。
この背景にあるのが「だいたい、良いんじゃないんですか?時代」と作中でよばれている現在の社会的な流れであり、『顧客の声を聴いて新商品を開発する従来型のマーケティングでは限界がある』という結論に行きつきます。
この解決策として提示されているのが、インサイトです。
インサイトとは顧客を動かす無意識的な心理と作中で定義されており、ニーズの源泉ともいえるような存在です。

インサイトは「シーン」「ドライバー」「エモーション」「バックグラウンド」の4要素で構成されいます。
「新商品の開発」というシーンにおいて、「改良品を出してもあまり売れない」というドライバーがあります。
ここから生じるのが「革新的な商品を開発したいがどうすればいいかが分からない」というエモーションであり、これらのバックグラウンドは「だいたい、良いんじゃないんですか?時代」といえます。
これらから導き出されるのは『顧客の声を聴いて新商品を開発する従来型のマーケティングでは限界がある』というキーインサイトであり、本書ではキーインサイトを元に商品開発などを行うことでヒット商品を生み出すことが出来るといっています。
このように、インサイトとは「事実に基づいた潜在的な心理」であり、単なる感情でも既に表層化している(顧客が分かっている)ものでもありません。
本書では何故インサイトが重要なのか、インサイトとは何なのか、具体的な事例の解析やどうやってインサイトを活用するかを書いています。
イノベーションを意図的に作り出す方法論といっても良いかもしれません。

売れる表紙の要件

ではここから売れる要因についての解析、つまり本題に入っていきましょう。
まずは表紙がどうなっているかから。

LifeBenefit本記事の方で何度も記事でお伝えしていますが、電子書籍に於いて表紙は極めて重要な要素です。
表紙の出来が悪ければそもそも書籍の内容に興味すら持ってもらえないからです。
<「欲しい」の本質~人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方~>の表紙はどうなっているのでしょうか?

これがその表紙です。
見ていただいて分かる通り、画像すら使わない非常にシンプルな作りになっています。

実のところ、売れている書籍はシンプルな表紙のものが数多くあります。
シンプルにすることで要点を強調する事が出来るからです。
この書籍で言えば、最もユーザーにインパクトを与える「95%の無意識がヒットを生み出す」というフレーズの効果を最大化するために、あえてシンプルにしているといえます。

また、配色に関しても読者の「隠れた心理」をついているといえます。
この書籍では赤色をメインカラーとして使っていますが、色彩心理学の分野では赤色には刺激の心理効果があるといわれています。
その為ボタン等のクリックや動作を促したいものに赤色を使うとクリック率を無意識的に高めることが出来るのです。

更に、キーになる部分を明朝体にし、漢字と平仮名のフォントサイズを変えることで「リッチな」「専門的な」といった印象を与えています。
Kindle本は誰でも出せてしまうため質のあまり良くない表紙の書籍も数多くあります。
だからこそ、「プロが作ったのだろう」と思える表紙の書籍は購入されやすい傾向にあるのです。
表紙についてまとめると、赤をベースにしてシンプルに作ることで要所要所を強く押し出し、フォントを工夫することでプロフェッショナル感を演出しているといえます。

3つの売れた要因

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