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30歳初海外紀行〜海外で自分探し〜

海外に行って自分探しすると言う言葉に昔から違和感を覚えていた。

日本にいようが海外にいようが、自分は自分。海外に行ったからといって何かとんでもない発見をするような人間は、自分と向き合う機会がないだけなんだ。そんなことを言い訳に、海外に行かずに日本に留まること30年。ついに私にも自分を探す機会が訪れた。

なんと彼女がスウェーデンに住むこととなり、これは一度は行かねばならないと意を決したわけだ。センター英語は8割、海外ドラマと洋画は馬鹿みたいに見ている私にとって、英語はさして問題ではない…はず…。さらに彼女は英語もスウェーデン語もできるというものだから鬼に金棒だ!

さて、彼女が就労ビザでいるのは1年。いつに行こうかと考えるにも、物価は高いし戦争は起こっているし、飛行機の取り方はわからない。もはや迷っても仕方ないと、とりあえず一週間休みをとって、飛行機の取り方だけなんとか教わり、蓋を開けてみると、結局シンガポール、スウェーデン、イギリスの3カ国をまわることになった。

トランジットや入国の仕組みすらよく理解していなかったし、危うく3回ワクチンを接種していなかったら帰国すらままならなかったと帰国3日前に気づいたりしつつ、なんとか初の海外旅行を終えられたのはひとえに最愛の彼女のおかげである。

そんな海外旅行で発見したことを、まだ興奮冷めやらぬうちに伝えたいと思う。


まず、海外の人は怖くない。スウェーデンは治安がいい国なので安心していたのだが、シンガポールやロンドンなんかはそこら中にスリがいて、財布を二つ持っていないと拳銃でも突きつけられて路頭に迷ってしまうと偏見たっぷりに考えていた。しかし蓋を開ければロンドンでは何も盗まれていないし、鞄が空いていたら教えてくれて、落ちた財布すら拾ってくれる国だった。さらに地下鉄では英国紳士も、がたいのいい兄ちゃんも身を寄せ合って人の入れる場所を開けていた。日本の田舎の電車の1000倍マナーがなっている。さらに気軽に話しかけてくる人の多いこと。まずシンガポールでは、入国の手続きを助けてくれたおじちゃんおばちゃん、スウェーデンでは公共交通機関がストップしてることを教えてくれるおじさんがいた。ロンドンでは、道路を渡ってこけそうになるおばちゃんに対して、赤の他人であろうおばちゃんが本気で心配して声をかけていた。失われたらしい昭和の日本の人の暖かさは海外で依然として存在した。

ここでひとつ悔しかったのは、私がスピーキングがからっきしにできなかったこと。ホットチョコレートを頼んだお店でココアにたっぷりのチョコを入れてもらった時も、ニコニコすることしかできず話しかけてくれたのに何も答えられなかった。飛行機の中では水を頼むのもやっとで水分不足に陥り、隣の人はジェスチャーでトイレに行きたいと申し訳なさそうに表してくれた。もう少しだけ英会話ができれば気さくな返答ができたのに・・・。こんないい人たちにと、旅の場でコミュニケーションが取れなかったのは悔しい。

スウェーデンで出会った彼女の友人が語学を学ぶことがストレス解消になると言っていて、その理由が「いろんな人と交流できると思えるから」だそうで、わたしはその時寒さと疲れで意識が朦朧としていたのも相まって、海外に触れていなかった自分がすごく惨めに思えた。

海外に自分はいなかったけど、海外で見つめておくべきだった自分には出会えた海外旅行だった。

まだまだ、情報量の多さに混乱しきった話や、料理の味濃すぎ問題や、風邪薬の偉大さについて語りたいので、次回もお楽しみに。


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