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愛に濡れたわたし(1973年7月25日公開)
監督 加藤彰
脚本 吉原幸夫
日活ロマンポルノのしきたりとして10分間に一度Hなシーンがあれば、あとは自由に撮っていいというのがあります。それを逆手に取ったからこそ今に至るまで日活ロマンポルノが評価されてるのだと思いますが、この作品は自由というより思いつくまま意味不明の展開で終わる。よほどイメージ・シーンの繋ぎ合わせとしてくれた方が最初からそういう覚悟で見れるけど、謎が謎を呼び解決に向けて収束し
やくざ観音 情女仁義(1973年7月14日公開)
監督 神代辰巳
脚本 田中陽造
神代辰巳の中では異色作かもしれませんね。バイオレンス色が非常に濃い映画。正直言うとこの映画、私はそれほど好きじゃない。今回観るのは2度目でしたが、どうも主人公の気障ったらしい低い声が苦手で眠くなっちゃいました。あと女優さんの演技が素人目に見ても酷すぎて、どうしてこの作品が人気あるのかわかりません。人気あるのかもわからないけど、ネットで調べたら好意的な感想ばかりで、
女地獄 森は濡れた(1973年5月23日公開)
監督 神代辰巳
脚本 神代辰巳
何度観ても強烈な映画です。狂気の乱交シーンと善悪の概念を問うテーマ。道徳というのは権力者が自分達の都合のいいようにこしらえて、自然界としてはライオンがシマウマを食うことに誰が抗えるか。一度はこの境地に至った方がいいと私は思っております。それでも、とこちら側に戻ってくるから一回り大きくなれる気がするんですけど。
神代辰巳の映画としては一番好きとまでは言わないけど、
(秘)女郎責め地獄(1973年4月14日公開)
監督 田中登
脚本 田中陽造
近松門左衛門の心中物をヒントにやや無理めに作り上げた作品。でも悪くはない。最初のタイトルロールが秀逸で、石畳にスタッフ、キャスト名を連ねてカメラが舐め回すように追っていく。作品全体としてはもう一つピリッとしたものが欲しかったけど、このタイトルロールと人形浄瑠璃を中川梨絵で模した描写が映像的にはよかった。それから大正ロマン期の鈴木清順みたいな横移動のカメラも、田中登ら
八月はエロスの匂い(1972年8月16日公開)
監督 藤田敏八
脚本 藤田敏八 大和屋竺
藤田敏八は私も大好きな監督ですが、とりわけ日活ロマンポルノ期の作品はセンスが光ってると思います。どこがと説明するのが難しいのですがちょっとしたところにセンスが感じられて、それを連続して見せられるとフワフワっと非日常空間に入り込めるんです。
『八月はエロスの匂い』はポルノとしてありがちな性欲衝動をモチーフにしてますが、その衝動スイッチの入り方が強盗に襲わ