アサガオの咲く朝に

・プロローグ

私はアサガオが嫌いだ。

そもそも、アサガオに対して嫌いなんて感情を持つことすらもおかしな話だが。

そして、アサガオと同じくらいに、朝の寝起きの私の顔は大嫌いだけども。

その、だらしない朝の顔を洗っていたところにいつも通り、あの声が家中に響き渡る。

「アサカー!いつまで寝てるの⁉また遅刻する気⁉」

私は「うぅん」と、居間にいる母に届いているか届いていないか分からない声で返事をする。

そもそも遅刻をしたのは先週の話だ。”また”なんて言われる筋合いはない。しかも、ベッドからはとっくに出てるし、寝室も出ているというのに。

でも、これがいつもの朝だ。

「この毎日を”いつも”と思うようになったのも、時の流れのせいなのかな」なんて小説チックなことをつぶやいてしまった自分はアサガオよりもっと嫌いだ。

典型的なマンションの間取りの廊下を居間に向かって歩きながら、私は考え始める。

私はいつから悲劇のヒロインになったのだろう。

なんて、無駄なことを考えているうちにご飯を食べ終わっていた。

朝に考え事なんかするんじゃなかった。もう学校に行く時間だ。

しょうがないから、学校の制服に着替えるとする。

毎度ながら中途半端な緑のような紺色のような色合いの、ダサいセーラー服に身を包む。

憂鬱だ。学校に行くことが、ではなく、朝というものが。加えて今日は雨が降っている。アサガオは私とは正反対に喜んでいるのかと思うと更にアサガオが嫌いになった。

必要な道具は昨日用意してある。玄関のドアノブに手をかける。また、”いつも”が始まる。

・”いつも”だったはずの朝

今日は朝から気分がいい。

寝室の窓から見える公園に咲くアサガオが綺麗だから。加えて雨のおかげでキラキラと輝いている。やっぱり朝が大好きだ。あと雨も。

「ねーちゃーん!起きてるー?朝ごはん出来るってよー!」

弟が居間から小学校低学年らしい甲高い声で、私を呼んでくる。顔を洗って、居間に行く準備は出来ている。”いつも”通りの朝だ。

「起きてるってば」といいながら居間のドアを、口調とは裏腹に穏やかに開けた。

お母さんが作ったいつも通りの味噌汁とご飯と、目玉焼き。それに、テーブルの上に飾られた一輪のアサガオが綺麗だ。

やっぱり今朝は気分がいい。

いつも通り、弟と学校の宿題の愚痴などをこぼしながら、朝ごはんをいつも通り弟と同じタイミングで食べ終わる。

なんとも、相性のいい姉弟だ。

4つ椅子のあるテーブルのうち1席が開いているのも、いつも通りだから気にならない。仕事でお父さんはすでに家を出ている。

そして、朝ごはんを食べ終えた私たち姉弟は二人で同じ部屋に戻りそれぞれ学校に行く準備を整える。

そういえば、私たち姉弟は二人とも名前が植物に由来している。

私の名前は朝香で、アサガオを由来にしていると小学生の時にお母さんに聞いた。

弟も柊と書いて、シュウと読む。読んでの通りヒイラギが由来だなんてのを、弟がいつかお母さんに聞かされていた。

ちなみに、お母さんの名前は花だから、納得がいった。

じゃあ、お父さんはというと敦(アツシ)だから、なんとも残念だ。

そんなことはどうでもいい。と思い出したように、登校の準備をし始める。

時間には余裕もあるし、なにより私よりも出来のいい弟が時間の管理をしてくれている。

無事に準備を終えた私たちは仲良く一緒に家を出て、通学路に踏み出す。”いつも”通りに。


今回はここまでです。

ただひたすらに自分が書いてみたいと思った物語を書いてみました。

※この物語はフィクションです(笑)

当たり前ですが、私の想像した世界です。

昔から物語は書くのが好きだったので、読みたい世界を書いていってみます。

もし、少しでも続きが気になると思ったら感想頂きたいです!

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました!

では、また!



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