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アサガオの咲く朝に

・朝の顔

長い夜が明けた。

夜中に何度か寝ていたようだけど、不安に駆られてすぐに起きてしまっていた。

今日は久しぶりの休日だ。

正確には毎週土日は休みなんだけど、ここ一カ月は一週間が長いからいつも久しぶりの休みのような気分になる。

お父さんも今日は、一度リフレッシュのために休みを取るようだ。

今日も顔を洗ったけど、寝てないせいか、やけに顔もしっかりとしていた。

いつも通り柊の元気な声で居間に向かって歩き出す。

朝ご飯は最近はいつも同じで味噌汁とご飯と目玉焼き。

これ以上のバリエーションはない。

今日はお母さんと二人で買い物に行く。

とはいっても、食料品とかを中心に買いに行くだけで、洋服とかは買えない。

朝ごはんを食べ終わってひと段落したところで、お父さんと柊はお家で今日は家事を担当するみたいだ。

お母さんと買い物に出かける時間は12時だから、あと3時間ある。

今日は少し化粧に気合が入る。

柊は不思議そうな顔で私の気合の入った顔を見てる。

当然の反応だろう。ただ買い物に行くだけなのに、こんなに気合を入れるのは普通じゃない。

今日は特別な日なのだ。

家族が久しぶりにそろって朝から時間を共有できてるのだから。

そんな時間は久しぶりに楽しい時間だった。

つい一か月前まではこれが”いつも”だったのに、いつの間にか特別な時間になっていた。

時間の流れって恐ろしい。

そんなことは置いといて、お母さんと一緒に出掛ける時間だ。

今日だけは今後のこととか忘れて楽しめそうだ。

お母さんとも二人きりで出かけるのは久しぶりだし、天気もいい。

もうアサガオの季節は過ぎてしまっているからそこだけは残念だけども。

お母さんと一緒に、近くのバス停でバスに乗ってショッピングモールへと向かって出発する。

なんだか旅行気分だ。買うものは特別ではないけど、行く場所だけでも特別にしようとお母さんが気を遣ってくれた。というか、お母さんも行きたかったのだろう。

二人でバスの中で何気ない会話をしながらも全てが特別だった。

そして、ショッピングモールに着いてからも、まずはウィンドウショッピングを楽しんだ。買う余裕もないけど、見ているだけでもメイクをしてきた甲斐があったものだと感じた。

あと少しすれば、またいつもが戻ってきてくれると思って、次に来た時には何を買ってもらおうかなんて、考えるだけでも心が躍った。

そんな時間はあっという間に過ぎてしまった。

買い物もとても楽しいまま過ぎていった。

お母さんとの会話に特別なものはなかったし、むしろお母さんも現実を忘れたいのか、あえてこの状態に関する話はしていなかった。

楽しい時間はいつもあっという間だし、あとから振り返ると一瞬だ。

お父さんがクビになるまでの”いつも”も楽しかったし、今思い出すと本当に一瞬だった。

本当に一瞬にして家に着いてしまった。

でも、ここからも楽しい時間が待っているから、またあっという間に終わっちゃうのだろう。

家のドアを開けると家の中はとても静かだった。

柊も迎えに来てくれない。

サプライズでも準備してくれているのかな。

まだ心は踊り続けている。

お土産くらい買ってくればよかったかな。

居間のドアノブに手をかける。


今日はここまででした!

自分で書きながら楽しく書かせてもらっています。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました!

日常って本当に大事だったなって、このコロナで感じているのでこの題材を書いています。

また次回も読んでいただけると嬉しいです。

ではまた!

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