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葬儀屋さんのお仕事について。⑤お葬式その2。

私の仕事である、

【命のお仕事】。

今日はお葬式についての続編です。前回の記事はこちら↓↓

ご遺族様との式のお打ち合わせ。

いよいよです。お葬式ではお通夜と異なる流れと、最後だからこそ会場の皆様や故人様へのメッセージを語ることが出来る時間でもあります。亡くなってから2,3日という短い時間でもそういった故人様と、周りの方々との絆や思い出を振り返って頂けたらと思いながら、「葬儀」という時間を皆で共有して頂けるようスタッフとしてご提案させていただいてます。

お通夜では通常行わない事は、

①弔電の拝読。

②最後のお別れ。

③霊柩車にて出棺。

④弔辞・お別れの言葉(故人様を偲んで贈る、知人などからの言葉)

などです。上記内容に関して一つ一つ確認すると共に、最後となることから最後のお別れに何かご遺族様が希望されることがあればそれをカタチにします。たとえば、

ホールに故人様の趣味を回想できるようなものをお飾りする。

祭壇の付近に故人様が好きだった食べ物をお供えし、最後のお別れの際にお棺へ納める。

故人様へ向けた最後のお別れを伝える。

お別れの言葉を皆の前で伝えるのは照れるし緊張するのでお手紙を書いて最後のお別れの時にお棺に納める。

霊柩車へ故人様をお乗せする時にご遺族様やご友人様にお手伝い頂く。

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・・・・このようなたくさんの「想い」を実現でき、残されたご遺族様が悔いの残らないようにサポートすることを考えながらお打ち合わせをします。中には悲しすぎて何もしたくない方もおいでのようですが、何もしない、ということも大切なお別れの一つだと考えます。あくまでご遺族様主体で考える様にしているつもりです。

こういった要素を実は一番大切にしながら式で一般的に行うことを再確認し、葬儀式の準備を行います。

ご導師様と、葬儀式次第の確認と指示を頂く。

次はお寺様との葬儀式の打合せです。前回でもお話ししましたがお葬式前の時間は場合によってはご遺族様がお寺様へお布施をお渡ししたりする時間でもございます。

主なお打ち合わせの内容を簡単にまとめると、(仏教)

①ご導師様の入場や開式に行うこと。

②ご導師様の読経の間に行われること。(式中のご導師様による作法や焼香など。)

③ご遺族様や参列者の方の焼香の順番やタイミング。

④ご導師様の読経後の退場の際に行うこと。

⑤退場後から、お葬式が終わるまでのお見送りの事。

⑥出棺後の火葬場での読経について。

⑦火葬が終わり、自宅や葬儀場で初七日などの法事を希望される方は、火葬後の連絡について、など。

この様な内容についてご導師様の指示を仰ぎます。

司会進行と葬儀スタッフ。

ご遺族・ご導師様とのお打ち合わせが済むと、いよいよお葬式の開式ですが、開式の15分くらい前からスタッフ側の動きは少し加速します。お焼香の為の香炭に火をつけたり、マイクのボリュームテスト、長いお線香を立てたりと式場に関するセッティングと、会葬者様の座席へのご案内、ご導師様の法衣の着せ替えの補助など、いろいろと準備します。

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そして迎える開式のお時刻。ご導師様が入場され、着席されると開式の辞、読経が始まります。読経の間に焼香があり、焼香は多数のご会葬者様がおいでの時にはスムーズな案内が必須となります。司会者と案内係の言葉を使わない、連携によってすすめられます。

ご導師様の読経が終了し、ご退場されると弔電の披露やご遺族様の代表挨拶があります。ご遺族様の挨拶が終わると故人様を偲んでのナレーションなどを挟みながら最後のお別れとなります。

故人様との最後のお別れ。

お別れに入る時には祭壇や頂いたお生花を切り、ご遺族さまやご親族様へお渡しします。ご友人などでお別れを希望される方へもお花をお渡しします。お花を受け取ると、お一人お一人棺の中に横たわる故人様と面会し、お花を添えます。ここで、故人様の愛用品やご遺族様が予め用意したものなども入ることがあります。火葬できない物などを除けば最後にお棺に入れていただくものをご用意されて大丈夫です。

私達スタッフも出来るだけお別れのお時間をゆっくりお過ごし頂けるよう陰から皆様を見渡しながらお別れを進めていきます。

お別れが済むとお棺に蓋をして霊柩車出発口へと向かいます。

霊柩車の出棺~火葬場まで。

霊柩車に故人様をお乗せしたらご遺族様を横に乗せて出棺となります。同時に火葬場へ御供される方もお車の準備をしていただき、火葬場へと向かいます。

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火葬場へ到着するとまずは告別室へとご案内します。この部屋で最後のお焼香をしていただき、故人様とお別れをします。そう、火葬炉に入ります。

ここまでの流れでご遺族様は疲れや悲しみ、様々なお気持ちが飛び交うようです。しかし、その後もご収骨まで立ち会わなければならないのがご遺族様です。我々スタッフも一名火葬場に残り、収骨までのサポートを致します。

葬儀を終えて。

ここまでの事を一気に2,3日ですることは葬儀スタッフにとっても簡単な事ではございません。慣れないうちは相当疲れます。

なのですが、ここまでを無事に終えることが出来れば次は、ご遺族様から深いお礼の言葉を頂くこともあります。人生最後のお別れという最後の舞台に立ち、故人様を見送るということにあらためて感謝の言葉を私自身とてもたくさん頂きました。そのお陰で私も葬儀屋さんとして今日を迎えることが出来ております。

以上、6回に分けてお葬式と言う仕事をスタッフ目線でご紹介してきたつもり(笑)ですが、いかがだったでしょうか?

今や日本は高齢化大国として、世界からも注目されているようです。私たちのこの、【命のお仕事】に対するご理解が深まればありがたいと思います。

                                拝


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