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ウルフウォーカー

『ソング オブ ザ シー』『ブレンダンとケルズの秘密』とともにカートゥーンサルーンのケルト三部作に数えられる『ウルフウォーカー』

『ソング オブ ザ シー』は未視聴、『ブレンダンとケルズの秘密』は今年度のEUフィルムデーズでオンライン視聴だったので、カートゥーンサルーン作品を初めて映画館で観た。映画館のスクリーンと音響設備で観るのはやはり素晴らしい。

アイルランドの森と、城壁に囲まれた街で繰り広げられる物語。絵本をめくっているような優しい色合いの絵が世界観と合っていて良い。なんといってもBGMのケルト音楽がいい。

また森の中のシーンでは、遠くで狼が走る音や鳥が羽ばたく音、呼びかける声などが左右のスピーカーから流れてくるので、まるで自分も森の中にいるような臨場感を味わえる。その点でこの作品は映画館での鑑賞を勧めたい。

個人的なおすすめポイントとしては、字幕版を観ると英語の訛りの違いが出ているのかいいと思った。ロビンと父親はイギリス英語だし、他の街の人はアイルランド英語(おそらく)。言語オタクならニヤニヤしてしまうこと間違いなし。

吹替も気になっている。ロビンとメーヴはキャラクターと年の近い女の子が演じている。同じく最近公開された中国アニメの『羅小黒戦記』は豪華声優陣の起用をしており、話題的には少しその陰に隠れてしまってはいるものの、これはこれでいいキャスティングだと思っている。(パンフレットでロビン役の子が2010年生まれ、メーヴ役の子が2009年生まれというのを見てひっくり返りそうになった。もう2000年生まれの芸能人に驚いている場合ではない。)

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激しいアクションや劇的な演出の多い映画を好む人には物足りないだろうが、暗く静かな空間で美しい絵とケルト音楽に癒されに行くだけの価値はある。鬼を滅する某映画はPG12だが、『ウルフウォーカー』には年齢制限はない。ロビンとメーヴの友情はもちろん、ロビンと父親、メーヴと母親という親子関係にもスポットが当たるストーリーなので、親子で観てもいいだろう。

アイルランドのジブリとも言われるカートゥーンサルーンの最新作、ぜひ多くの人に届いてほしい。



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