にげろ。食え。休め。を書いたわけ。前編
先日、「逃げろ。食え。休め。」という記事を公開しました。
その時は、まだ受け入れられなくて、明記はしませんでしたが、三浦春馬さんの訃報を聞いたのがきっかけです。
そちらにも書いたとおり、元々このタイトルで自分の経験談を書いていたところだったのですが、彼のことを見聞きしたことで、ぎりぎりの淵にいる人が、ふとそれを越えてしまわないように、取りあえず呼びかける記事になりました。
少し落ち着いてきましたので、元々書いていた記事をベースにこの言葉について説明する前編と、三浦春馬さんへの気持ちを語る後編の、前後編で、「どうしてこの言葉を呼びかけたのか」の背景をお伝えしたいと思います。
わたしは二度逃げた
他のわたしの記事に書いている通り、わたしはつい先日、退職しました。
経緯については追々まとめながら記事公開していく予定ですが。
2度目の逃げ、でした。
1度目の逃げた経験
わたしは10代で一度、逃げました。
高校に入ってから、内気でクラスメイトに心を開けない。話せない。学校に居づらい。体が辛い。朝起きられない。
休みが増えました。
勉強がわからなくなりさらに気まずくなりました。
学校に行けなくなりました。
最初は放置気味だった親も、いよいよ長引くと理由を聞かれ、「具合が悪い」と言っても理解されず、「いじめか?」などと見当違いのことを言われ、否定すれば「じゃあどうして」と詰問され。
一番ひどい時は「とにかく行け」と怒鳴ら叩かれ、ベッドから引きずり出されました。
医者から「起立性調節障害」と診断されても、全く理解されませんでした。
私自身も理解していなかったから、行けない理由など問われても言えませんでした。
どうしようもなくて心を閉ざしました。
食事は居間で食べれたけれど、他はほとんど自室で過ごしました。
高3の冬、出席日数が完全に足りなくなって卒業できなくなって。
通信制があるよ、と教えてもらって、4年目をやることになって。
1月から3月は休学にするからもう学校に行かなくていいことになって。
やり直せる希望は見えたはずでした。
学校に行かなきゃいけない重圧から解放されたはずでした。
それなのに、家での居心地はよくなくて、死にたいと思っていました。
どこかで「普通でなくなってしまった」「もう取り返しがつかない」という気持ちがあったのだと思う。
うつ病だったかもしれない、と思うのだけれど、当時親に「精神科に連れていってほしい」といったら「そんなのわからないから行けない」と言われ、またどうしようもなくなった。
ある朝、他の家族がその日出かけることになっていて、わたしは家に残ることになっていたのですが。
不意に「まぜるな危険」の薬剤を混ぜれば死ねるのでは、と思い立ち、具体的に脳内で考えて、家族を巻き込まない方法を考えて。
実現可能な気がした瞬間、考えている自分が恐ろしくなって、泣きながら台所に駆け込んだ。
泣きながら「食べなきゃ」といって。
まだ家族は家にいたので、母が驚きながらも食パン焼いてくれて。
泣きながらかじったのは良く覚えています。
なぜ「食べなきゃ」だったかというと。当時読んでいた大好きな小説で「死のうなんて考えが浮かんだら、 まず、うまいものを食え」(手元に本がないので厳密な引用ではないです)という言葉があったからです。
泣きながら食べて、何となくほっとして、もう考えるのはやめました。
小説で言ってたこと、本当だった。
好きでいてよかったと思います。
結局、通信制高校の入学前ガイダンスなどで通信制高校がどういうものかを知り、これからなんとでもなる、ということが分かってきて、辛い気持ちは徐々に落ち着きました。
そこから少しずつ、成功体験を増やすことをしました。
運転免許を取って、大学目指して勉強して、さらに一浪したけどバイトしながら勉強して大学入って。
世の中いろんな人がいる、と視界が広がって、それなりに社会性も身に付き、就職もどうにかできました。
そして2度目
今年退職することにしました。
夫さんと、夫さん母には相談に乗ってもらったが「辞めてもいいよ」「大丈夫、なんとかなるよ」と言ってくれた。
もし「途中で投げ出すな」「がまんしてがんばれ」「収入が減るのは困る」…などと言われていたら?
……辞める以前に心や体が壊れてしまったかもしれない。
それくらい限界でした。
だから、その場から離れる、退職という逃げを選びました。
辞めると決めたらすごく楽になった。
で、やっぱり食べた。
心配した夫さん母が何度も夕食に招いてくれて、たくさん食べた。
体調崩して少し痩せていたので、遠慮なく食べた。
それでも、勤務で辛い時は休憩中にGABAチョコビターを何個もほおばった。
(※適量を食べましょう)
同僚皆にありがとうと言って、有休消化して、円満に退職した。
そして今は、のんびりお暇いただいております。
いや、家事は家事であるのでそこのところはご了承頂きたいけれども、少なくとも好きな物書きを復活させるくらいの余裕はできました。
逃げていい
逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ……!
という台詞は同世代のアニメ好きなら誰もが脳内で真似したことがあるかもしれませんが、わたしもそうです。
もう少しだけ勇気がほしい、そんな時は使ってもいいと思う。
でも、逃げていいんです。
逃げて、美味しいもの食べて、自分をいたわってほしい。
逃げてもあとでどうにでもなる。大丈夫。
わたし2回逃げてますけど元気ですよ。
むしろ逃げる度に精神太くなってる気がする。
今の方がポジティブに生きてますよ。
そんな風に思います。
そんな矢先に入った三浦春馬さんの報せは、全く信じられなくて、今もまだ、自分のなかで消化しきれていなくて。
気持ちをまとめるためにも、後編で、三浦春馬さんへの自分の気持ちを書きたいと思います。
※後編公開はしばらくお待ちください。