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輝く子どもの未来のために、保育者自身が輝ける職場をつくっていく|梶山裕樹(園長|輝きベビー保育園 篠崎)

美しい青い洞窟のようなエントランスをくぐり、2階に上がると、子どもたち、そして保育者の元気な声が聞こえてきた。縦に長い園内は用途ごとに可動扉で仕切られ、子どもたちがそれぞれの活動に集中できるよう工夫されている。今回お邪魔したのは「輝く大人で輝く子どもの未来を」を理念に掲げる輝きベビー保育園 篠崎。
「輝く大人」とは一体どんな大人なのか、そしてそれをいかに実現しているのか、園長の梶山さんにお話を伺った。

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大人自身が自分の「得意」や「好き」を活かし、いきいきと輝いている姿を子どもたちに見せられる園でありたい

今回の楽しい大人、梶山さんは輝きベビー保育園に参画するまでは、ウエディングプランナーや介護福祉の現場で働いてきた。2018年の園の立ち上げに向けて、輝く大人で輝く子どもたちを育んでいく当園に参画した。

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「これまでの仕事経験で感じてきたのは、どんな場面においても『人と人』であることを忘れてはいけない、ということです。介護を受ける側もする側も『人』。結婚式を挙げる側も、参加する側も、支える側も『人』です。保育も同様に人と人の関わり合いの仕事。サービスを受けるのも、働くのも、どちらも『人』だからこそ、どちらか一方だけではなく、どちらも大切にされることが重要だと考えて、子どもや保護者だけでなく、自分たち自身も輝くことを前提としている当園の理念に共感しています」。

そんな梶山さんは職員が子どもたちのことを考えられるよう、職員の輝ける職場づくりに取り組んでいる。

「保育園という場なので、当然一番に考えなければいけないのは『子どもたちにとって楽しい場であること』ですが、そのためにも職員自身が本当にやりたいことは何なのか、やりたいことができる場を作っていきたいと考えています。職員自身が楽しさを感じている姿は子どもたちにも、より楽しめる場づくりにつながると信じています」。

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保育者は「子どもや保護者のために」という想いを持っているからこそ、職場が自分たちのやりたいことをできる場であることを保証すれば、自ら進んで子どもたちや保護者のためになることに集中できる。また、つらさや大変さ、苦しさではなく、楽しさを感じて働いている大人の背中は、子どもたちにとっても喜びや安心を感じられる場になる。

「職員一人ひとりに話を聞くと、これまでの仕事経験の中で頭ごなしに『ダメ』と言われてきた職員が多くいることに気が付きました。『前例がないから』『公平性のために』と思い至った経緯も背景も考慮されないことも多いようです。そうした慣習をなくし、子どもたちに、大人自身が好きや得意を活かして輝いている姿を見せられるよう、職員の個性を発揮できる環境づくりを意識しています」。

大人自身が輝くためには、個々の想いや感情は切り離して語ることはできない。実際にそうしたパーソナルでエモーショナルな部分を大切にすることで、保育園に様々な特色が生まれていた。

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アトリエ、習字、英語の活動!保護者が子どもたちの生活をリアルに感じられる取り組みも

園内を見学していると、大人自身がとてもいきいきと子どもたちと活動している姿を目にした。そのひとつがアトリエ。これも職員の発想から生まれた取り組みだ。

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「自分自身、製作の活動が好きだったのはもちろん、これまで子どもたちの創造性に驚く機会が多くありました。さらに自由度も創造性も高い活動ができる環境や題材を用意したら、子どもたちはどうなるのか、とチャレンジしました」と語るのはアトリエ担当の保育士。これまではクラス担任のような立ち位置だったが、他の年齢の子どものアトリエ活動にも関わるようになった。その結果、子どもたちの創造体な活動や作品が広がり、その都度アトリエ自体もパワーアップを図っている。

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「あそこで英語の活動をしている人も、そこにある習字も、職員の得意技を生かしての活動です。入職面談のときに『得意技はなんですか?』と聞いたり、普段の雑談や定期的な面談でも実践したいことなどを聞くようにしています」と梶山さん。そんな梶山さん自身も「自分が保護者だった時に保育園でのリアルな生活が見えず、子どもがどう過ごしているのか知りたかった」という想いから、写真や動画共有のアプリを導入した。その想いを職員に伝え、とにかくたくさん、活動の様子がわかるように撮ってもらうよう依頼し、アプリへのアップロードなどは自ら実施している。

やりたい!と思ったことを園としてどのように取り組めるか、導入できるかを職員と一緒に考えているからこそ、やりたいことを発信できる状態が作られている。

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日常的な関わりを大切にしながら、進みたい方向に対する問いを立てる

職員一人ひとりが自分の得意や好きなことを活かしながら、輝いている姿を子どもに見せるために、どのような工夫がされているのだろうか?

「一番大切にしているのは、レスポンスを早くすることです。気持ちが熱いうちに、ということはもちろん、返答を待たせてしまうと、待っている側はその返事がいつになるのかや不安な気持ちが膨らんでしまいます。せっかくのやりたいという想いが冷めてしまわないよう心掛けています。また、変化に気づくこと、気づいたことを声に出すことも意識しています。髪型が変わったとか、ちょっと疲れていそうとか、個人に対することや、仕事の面でもあの活動よかったね、とか、これはなんでこうしたの?といった日常的なコミュニケーションを大切にしています」

こうした日常的な関わりがあることで、心理的な安全性が保たれて、やりたいことが生まれたときに声に出しやすくなるのかもしれない。

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「もうひとつ大切にしているのは、入職の際や普段の面談で『得意技は?』とか『実現したいこと、やりたいことは?』と問いを持って、その答えを否定せずに聞くことです。否定から入ってしまうと、その後どうしても構えてしまうので、まずは受け入れて一緒に検討していくようにしています」

どんな職場環境を作っていきたいか、それを問いという形にして持ち、一緒に働く仲間に投げかけることで、一緒に進んでいく道を作っているようだ。

「現状の課題として、同じ法人で運営している2園間で違っていることもあるので、そのすり合わせをしながら子ども、保護者、そして職員が迷うことなく過ごすことのできる園づくりを進めていきたいと考えています」

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それぞれの園の特徴を認め合いながら、2園間の規範を作っていく共同プロジェクト

今回取材を行った『輝きベビー保育園』とLiCが共同で取り組んでいるのが、同一法人が運営している2つの園の違いを認め合いながら、同一法人としての規範を作っていくプロジェクト。両園からプロジェクトメンバーを集め、理念について改めて考えたり、お互いの園の取り組みやその背景を共有し、それぞれの園の活動に生かしていく。

「複数園を運営していて、園同士の連携や理念に基づいた活動を実施したい」そんな方はぜひ下記の無料相談からお問い合わせください。

LiCの乳幼児教育施設の組織開発無料相談
メール:info@learning-in-context.com
電話:03-6663-8960
担当者:植竹(うえたけ)

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訪問先:輝きベビー保育園篠崎
所在地:東京都江戸川区篠崎町7-26-7 コスモリード篠崎駅前2階
Webサイト:http://kagayakihoiku.com/

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- - - - - 今回の楽しい大人の紹介者 - - - - -

from 輝きベビー保育園 瑞江 園長|村山さん