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【北米エンタメニュースまとめ】講談社が漫画配信プラットフォーム「K Manga」立ち上げ、アニメ『ポケモン』のムサシ&コジロウ人気の背景、初の黒人ファンのためのコミコン

日々の北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。


講談社、新たな漫画配信プラットフォーム「K Manga」を米国で立ち上げ

講談社の海外展開に新たな動きです。5月にも米国で新たな英語版の漫画配信プラットフォームを立ち上げるとのこと。「ちはやふる」や「ブルーロック」などを配信する予定だそうです。講談社が運営を管轄するということで、集英社の「Manga Plus」に近い形になりそうです。集英社と違うのは、当初から講談社発行の雑誌をカバーしており、少年漫画から青年漫画、少女漫画が配信対象となっていることです。日本の大手出版社の海外展開では、集英社が先行していましたが、とうとう他社も動くことになりそうです。なおアニメ・ニュース・ネットワークの続報では、米国以外での展開も排除しているわけではないとのこと。ここは、法規制や現地出版社との調整が済み次第となるのでしょう。

こちらは「K Manga」のプロジェクトリーダーへのインタビュー記事です。講談社はすでに外部のプラットフォームに翻訳作品を提供していますが、より多くの作品を同時配信するために、編集部で直接管轄する必要があると判断したようです。最終的に、日本の読者と同じタイミングで読めるようにするとのこと。


名古屋、TIME誌の「2023年に訪れるべき場所」に選出

TIME誌が選出する「2023年に訪れるべき場所」。世界各国の都市が選ばれる中、2023年は名古屋市が選ばれました。ピックアップされたのはジブリパークです。名古屋市以外には日本からは京都が選ばれました。


『SPY×FAMILY』編集者・林氏の世界視野のマンガ作り

世界的なヒット作となった「SPY&FAMILY」の編集者へのインタビュー記事です。「SPY&FAMILY」の世界展開はひとつ、エポックメーキングで、アニメ化前から同時配信プラットフォームを通じて英語で漫画版が人気になり、その後のアニメ化も含めて世界的なヒットになったという背景があります。ほかの多くの作品がアニメが先行していたことを考えると、集英社が投資していた「漫画の英語版の同時配信プラットフォーム」が生んだヒット作といえそうです。


アニメ『ポケモン』のムサシ&コジロウはなぜ海外のLGBTQコミュニティから熱烈に支持されたのか?

非常に興味深い記事でした。アニメ「ポケットモンスター」の敵役として描かれたムサシとコジロウがなぜ海外のLGBTQコミュニティで支持されたのかを解説したものです。おそらくクリエイター側は想定していなかったものだとは思いますが、ファンが広がることで、新たな解釈を生んでいった事例だと思います。


ノースカロライナ農工州立大学、初の黒人ファンのためのコミコンを開催

「米国のコミコン文化ものここまできたか」と感慨深いものがありました。春から秋にかけて、全米の各都市で大小さまざまなコミックコンベンションが開催されます。この記事は、米南部のノースカロライナ州にある大学のアニメクラブが黒人ファンのためのコミコンを主催することを紹介しています。この大学は伝統的に黒人学生が多く、今でも全学生のうち92%が黒人とのこと。記事では主催者のコメントとして「スティグマなしにファン活動を楽しんでほしい」とあります。


KADOKAWA、タテスクコミック大賞をグローバルで募集

KADOKAWAの「タテスクコミック」レーベルで「タテスクコミック大賞」を全6言語で募集しています。英語圏では、1位は1万5000米ドルの賞金。電子版での出版も保障されています。


「葬送のフリーレン」翻訳者が明かす マンガ翻訳の難しさ 日本語特有の「タメ口」「めそめそ」どう訳す?

サンデー発の人気漫画「葬送のフリーレン」。こちら英語版が出版され、人気となっています。その英語版の翻訳を担う出版社の編集担当と翻訳者のインタビュー記事です。タイトルが「Frieren :Beyond Journey’s End」となった背景を含め、翻訳の難しさや工夫が語られています。翻訳には「lost in translation」という、翻訳をすることで失われてしまう概念がありますが、いろいろな表現を追求する漫画では特に顕著。その失われるものがなるべく少なくなるように翻訳者らは試行錯誤しているようです。


追加
この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。

なんといっても4年ぶりのリアルの「AnimeJapan」の開催ですよね。配信で一部のステージを見ていましたが、やはり声を出して声優らを応援できる機会があるのは楽しいし盛り上がります。
個人的にはどうしてもこういう場所でのアニメのPRが声優頼みになっているのを実感しました。漫画で漫画家や編集者がPRに出ていくように、アニメのキャラクターや世界観と付き合う時間の長い制作側がもっとこうしたイベントで情報発信できるようになると面白いなと思いました。最近は日本のアニメ制作会社が海外のコミコンで作品のPRをするのが当たり前になってきているからこそ、日本でもその機会があればと感じます。

今週はここまで。引き続きよろしくお願いします。

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