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【マンガ業界Newsまとめ】AnimeJapan4年ぶり完全リアル開催、講談社米国向けKMANGA開始、ソラジマ10億円調達 など|3/26-95

マンガ業界ニュースの週1まとめです。動きの早いマンガ業界・Webtoon界隈のニュースを出来る限り一か所に集め、業界の方が短時間で情報を得られることを目指しています。

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AnimeJapan 2023:国内最大級アニメイベント開幕 4年ぶり“完全”リアル開催 「鬼滅の刃」「呪術廻戦」「SPY×FAMILY」も

国内最大の版権アニメ・マンガのイベントAnimeJapan2023が、東京ビックサイトにて、約4年ぶりの完全リアル開催です。今年同名の開催になった10周年とか。

無数の新作情報や、ねんどろいど野沢雅子さん(悟空じゃなくてw)の発売などで盛り上がってますね。
そして恒例のアニメ化して欲しいマンガランキングもやってます。


アメリカ向け新マンガプラットフォーム 「K MANGA」が5月にスタート 日米の読者に最新話を同時配信へ

講談社プレスリリースより】2023.03.22アメリカ向け新マンガプラットフォーム「K MANGA」のスタートを現地メディア向けに発表しました。

講談社がアメリカ向けに「K MANGA」という形で自社プラットフォーム展開とのこと。5月スタートで、アプリリリース後、Webにも展開とのこと。400作品展開予定とのこと。配信はアメリカのみとのこと。

英語圏向けサービスのためか国内では記事がなく、講談社本体サイトのPDFのみ。英語圏ではニュース記事がありましたので、2本目のリンク記事は英語のものになります。


株式会社ソラジマ、総額約10億円の資金調達を実施

先日、年内51作品連載スタートと謡ったSORAJIMAが、10億円の資金調達を行いました。国内で10億円調達は非常に大きいですね。資金用途は事業展開で、海外進出や新しいメディアミックス創出に向けるとのこと。

事業計画によると、2023年に年商10億、2025年に年間100作品連載体制と、インドネシア、フランス、スペインなど海外進出(米国は展開済み)、2027年に年商100億円を目指すとのこと。

出資企業・Fundは11に渡り、色々なところが入っていますね。エンタメ系では、大手広告代理店の他、ナタリーのナターシャ社に出資したKDDIのファンドを運営するという形で、IT系の優れた企業を厳選してハンズオンもするグローバルブレイン社も入っているとのこと。ここは強いVCという印象を持っていて、勝ち筋が見えたのかなぁと思いました。


国内News

毎度お馴染み不破雷蔵さんによる、4半期に一度の紙雑誌部数動向のグラフ化記事です。

業界では4月以降、紙の雑誌の環境が大きく変わるという話題が多い中ですが、少年誌では週刊少年ジャンプが少し下げて126万部、青年誌ではビッグコミックオリジナルが30万部を少し割り込み29.3万部、すぐ後にヤングジャンプが28.2万部と続いています。

少年誌青年誌ともに、アプリシフト、Webシフトが進んでいる現状で、3/10には白泉社ヤングアニマルが「ヤングアニマルWeb」を開始、SNSで作家ツイートがバズるなどして、新旧作品の認知拡大、掘り起こしなどをしています。


booklistaSUTDIOwebなどを運営する株式会社ブックリスタが、Twitterに投稿したマンガをすぐに取り込めるなどの機能を実装したアプリ「YOMcoma」を開始。ショートマンガを創作するクリエイターを支援するとのこと。


マイクロマガジン社が、『コミックライドivy(アイビー)』を創刊。
同社の女性向けコミック作品を集めて提供していくとのこと。


マンガワン、サイコミなどを立上げた石橋和章氏が、先日株式会社コミックルーム社の立上を宣言。3/20には、双葉社とCOMICROOMで協業レーベルを立ち上げたとのこと。毎月刊行のアンソロジーコミックや、週刊・月刊連載など行うとのこと。


1982年よりマーガレット・別冊マーガレット編集部共同編集の「ザ・マーガレット」が休刊とのこと。


アニメ化から大ヒットを迎えている、芳文社『ぼっち・ざ・ろっく!』の担当編集者瀬古口拓也氏のインタビューです。同社は4コマ雑誌を中心に、独特のマンガ専業出版社で、そのスタイルが垣間見える記事でした。


KADOKAWAの「FLOS COMIC」が、関東・東海エリアに6店舗を展開する「竜泉寺の湯」とコラボとのこと。フロースだけに風呂??


今週のWebtoon新規参入・新たな動き

LINEマンガにて、日本テレビが企画・プロデュースを行う新作Webtoon連載開始と言うことで、日本テレビもWebtoon進出と言うことですね。テレビ局の動きが多いですね。


バーチャルYouTuverのキズナアイを運営するKizunaAI社が、「ENGI-MONOGATARI」と銘打ち、Webtoon展開を発表しました。動画がかっこいいです。これまたユニークなものになりそうですね。


Amazon「fliptoon」に作品を提供している企業まとめということで、Webtoon専門メディアのWIJさんらしい記事になっています。スタート時に作品提供した韓国企業は以下。

■KIDARI&LEZHIN
■MRBLUE
■Rockin’ KOREA

記事より

以上が現状の提供社とのこと。パッとみただけでは読み取れない情報ですね。
そして、改めて見落としてましたが、amazonは韓国でサービスを行ってない中で、韓国のWebtoonを集めて、日本にFlipToonをローンチしたのですね。本場で韓国料理の修業をして、日本でお店を出すみたいな感じでしょうか。


3/24に『俺だけレベルアップ』の外伝がピッコマで公開開始、前後して今年公開予定のアニメのティザーPVが公開されています。


【前編】フーモア大勝利の理由は「アートディレクター」にあり!? ランキング上位連発を可能にした制作体制とは~ヒット作品のリバースエンジニアリング
【後編】ヒット連発のフーモアのスタッフは「今のウェブトゥーンが好き」な人たち~1話制作には7工程7週間

コミチで飯田一史氏が連載する「ウェブトゥーン制作の最前線」3月の最新記事と言うことで、前後編同時に掲載しています。

昨年末から、LINEマンガ、ピッコマなどでランキング上位を次々ととっているフーモア社に、ウェブトゥーンスタジオとしての制作体制や制作方法などを聞いています。

前編では、マンガにおける編集者ともまた違う、Webtoon制作のキーパーソン「アートディレクター」の役割について詳説。後編では、1話制作に7工程があるため、この7工程を7週間で作品を作っているという、確立された体制について聞いています。

インタビューには同席しましたが、大変興味深い内容になっておりますので、関係者の皆さんは必読です。


海外News

今回ご紹介する記事は、ほとんど英語の記事です。GoogleChromeにGoogle翻訳のアドオンをするなどして、翻訳ツールを使用いただくと読みやすいと思います。ChromeのG翻訳アドオンは、ページ全部をすぐに日本語訳出来るので大変便利です。

icv2という、北米でのコミック市場などの記事に定評のあるサイトが、2022年のタイミングで、好調だった北米マンガ市場が踊り場に来たと述べています。

前年までの市場成長が非常に大きく、『鬼滅の刃』などアニメでヒットした作品のスーパーヒットな紙コミックなどもあり急成長を見せていましたが、ここがアメコミともども軒並みダウンしているとのこと。コミックの危機と言うよりは、ブーム的な急成長が一旦落ち着いたというような見方のようです。特需があった翌年ということなのでしょうね。


先週、DCコミックのWebtoon展開が好調という記事を紹介させていただいたのですが、こちらは逆で、バットマンシリーズでスピンオフものの定番、ロビンのPaperBack版紙コミックの刊行が10話で打ち切りとのこと。

記事内では、Webtoonなどには言及していませんが、片やアニメ化、片や日本でいう短期打ち切りですので、トレンドの移り変わりを感じます。


そんな中で、ナイトウィングシリーズでは、完全に主人公1人称視点の作品作りにチャレンジとのこと。メタバースというか、新たなバースへのチャレンジのようにも見て取れます。


NAVERは各国展開の中で、日本のセルシス社が提供するCLIP STUDIOとの提携や、コラボなどを多く発表しているのですが、この記事ではNAVERが出資もする韓国内の企業が提供するWebtoon作成ツール「TOONIT」が、北米対応してローンチしたと報じています。

最初からWebtoonを作る思想で開発した仕組みのようで、3Dデータの取り込みなどに工夫があるツールのようですね。


ゴシップっぽいので、国内の俺レベニュースと別に紹介しますが、英語記事内では、「俺レベアニメをU社じゃなくてA社で作ったから、アニメ化改変に不安がある」というような文脈が語られています。日本だと個人投稿レベルの記事ですが、こういうのもあるんですね。


記事の発信元はインド企業です。
内容的には「必読のロマンスものWebtoon10作品」ということでインド向けに書いている記事のようです。

NAVER WEBTOONが北米で発掘してヒットした『ロアオリンポス』の他、韓国製Webtoonが複数紹介されています。こういうところに日本製のWebtoonが入るのも近いんじゃないかなと。しかしインドでもこういう記事があるんですね。


続いて今度は、イタリアのWebtoonプラットフォームJUNDOのニュースです。そもそもイタリアにWebtoonプラットフォームがあるんですね。その時点で驚きですが、こちらは、イタリアオリジナル作品が多いみたいですね。さっぱり読めないですが、一応facebookアカウントでユーザー登録ができました。


こちらは、カカオがインドネシアで海賊版対策をして大きな成果を上げているという記事です。

すでに英語圏や中国語圏でも先行して動いているそうですが、これがインドネシアまで展開と言うことで、ここまで色んな国の取組を見ましたが、韓国主語の取組が多く、本気度も感じますね。


TRIGGER制作のサイバーパンクアニメが、北米で人気とのこと。祝着。


AIイラスト・画像生成関連

記事タイトルの通りですが、マンガ制作的には背景作画のアタリをつけるには良さそうですね。


最近はStableDiffusionに話題をさらわれ、ちょっと影の薄くなっていた元祖AI作画ツールのMidjourneyですが、最新版のV5を提供開始とのこと。


今度は、テキストから直接動画生成とのこと。AIの話は「マンガにどう活かせるか?」と自問する癖がついてるのですが、テクノロジー発展の早さには置いて行かれそうになりますね。手元ばかり見てると、気が付くとそもそもの世界そのものが変わってしまっていそうです。


ちょっと笑っちゃったんですが、AIにも敬意をもって接すると、良い成果が出るというお話です。今は、日本語を英語に自動翻訳してからプログラムに命令しているということが影響しているようではありますが、ありそうなお話です。


記事として面白いのですが、例えば「プロットを10パターン出して」と命令して、出てきたパターンから面白いのを一つ選んでネームを作った作家さんがいたとして、確かにそれは「作風」に影響を与えそうですね。もう起きていそうな現実です。


最早AIのエバンジェリスト的立ち位置のnote深津さんと、知財専門弁護士水野拓さんによる、画像生成AIの解説書とのこと。第1章は無料公開中


そして、米国ではAIに関連した著作権の扱いなど、どんどん先に進んでいますね。学校での一部使用禁止などはその枝葉で、論文や作品制作など、現場ではどんどん進んでるみたいです。


記事のみ紹介


告知関連

3/10にオープンしたヤングアニマルWebですが、羽海野チカ先生の『ハチミツとクローバー』が4/14まで読み放題です!このツイートのおかげでものすごくたくさん読まれています!


豊島区椎名町のトキワ荘マンガミュージアムそば、マンガピットはオープン1周年を迎えました!「これも学習マンガだ」展を開催中です。


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