#tankaはじめたい
つい先日、いつか会ってみたいと思っていた大人から、曇り無き眼の素敵な大人から、「好奇心を押し殺さない訓練をした方がいいよ。ラーメンと特製ラーメンで悩んだら、迷わず特製ラーメンを食べるようにした方がいい。差額を払うだけの価値があるのかなんて考えずに特製ラーメンを食べられるようになった方がいい。」と言われました。
その人はこうも言いました。
「好奇心を舐めたり無視したりしちゃいけない。自分のアイデアを自分で取捨選択するのが1番勿体無い。」と。
軽妙洒脱な語り口で繰り広げられるその人の話に終始じっと耳を傾けていた私は、ヘンテコな例え話に少し笑いつつ、途中で少し泣きそうになりました。
就活を終えた私は、"大人になるということ/社会人になるということ=何かを少しづつ諦めながら折り合いを付けながら無駄を切り捨てていくことに近い"と思い込んでいたのに、曇り無き眼の素敵な大人は、紛うことなき社会人でありながら、好奇心を捨てずに貪欲に生きることを生業としている人だったからです。その言葉は私を含む学生諸君に向けられたもので、私だけに向けられたものではありませんでしたが、思い込みの呪いを少し解いてもらったような気持ちでした。
その日の帰り道、私は、これまで自分が軽んじて無視してきた好奇心たちに対して申し訳なかったなと思いながら、最近私が諦めてしまったことはなんだろうと考えました。
考えた結果、心底残念なことに、癖付いた諦めの犠牲となった好奇心の欠片たちを、諦めた後になって全て呼び戻すことはとても難しいことがわかりました。
でも、何故か、少し前にぼんやりと短歌をはじめたいと思っていた時期があったことを思い出すことは出来ました。
全部を話したくて全部を聞いて欲しい私が四苦八苦して31文字を紡ぐことで、大好きな言葉への感度が研ぎ澄まされるのではないかと、いつかの私は期待していたのです。
紙とペンがあれば、というか極論今文字を打ち込んでいるスマートフォンさえあれば、簡単にはじめられる短歌を何故諦めたのか。今となってはもう思い出せません。
でも私は、もう自分の好奇心を舐めたくないし無視したくありませんから、今日から短歌をはじめることにしました。
不勉強なものでルールなんかは全く分かりませんし飽き性な私がお得意の三日坊主を披露するだけになる可能性もありますが、ひとまず明日からの私が好奇心を押し殺さない癖を付けられるように、ゆるくのんびりはじめます。
あたたかくお付き合いいただけますと幸いです。
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