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裸の椅子取りゲーム


最近やたらとサウナが流行り始めている。
テレビをつけてもラジオをつけてもサウナの話でもちきりである。
今回はそんな流行りモノ好きな日本人の話。

まずサウナがなぜ流行っているのか、
2019年のドラマ「サ道」の放送をきっかけに続々とサウナに行き始める人が多くなったと感じる。
それまでのサウナの立ち位置は銭湯の風呂のオマケであったり、年配の方の憩いの場というイメージからか若者はほとんど寄りつかなかった。

しかし現在では年配の方より若者のほうがサウナに行っているのではないか、テレビの影響力は凄まじいものだ。
私がよく行く銭湯では年配の常連同士で「今日も混んでるな」「ちょっと前まですいてたんだけどな」という言葉が飛び交っているほどである。

そんな流行りものが好きな方々は本当に「サウナ」を味わいに銭湯やスーパー銭湯に行っているのであろうか、時折疑問に思う。

最近流行っている「サウナ」に行ってる「自分」という部分にフォーカスしているだけではないだろうか。

テレビで放送された施設にいき、何が良いのか本質はさておきその施設に行った「自分」という主張をしたいだけの人が大半ではないか。実際そのような自慢話をよく聞く。
また「あの有名な○○が言ってた施設だからここは良い所なんだ」と大衆は思う。
そこがポイントであり「なぜここが良い所なのか?」という疑問を抱かないのである。

私も何度か混んでいる施設にいったことがあるが、サウナ内は三段掛けになっておりそこにみっちり人が敷き詰まっていた。
それを目の当たりにし、なんだか馬鹿馬鹿しく思えた。

何分かサウナ内にいると人が良く移動しているのに気づいた、上段から人がいなくなればすかさず下段から人がくる。時折上段を狙っていた者どうしが鉢合わせている場面も見受けられる。
これこそ本質を理解しているのか疑問に思う事柄である。
確かに上段の方が温度が高く良いのかもしれぬが、落ち着きなくいつ上段が空くのか確認しソワソワしている姿は滑稽である。まるで密閉された熱い空間で裸の男たちが椅子取りゲームでもしているかのようだ。

そのような光景を目の当たりにし、私は「有名施設」「混んでいる施設」を自然と避けている。

サウナ内の椅子取りゲームを見たことがあるのは私だけであろうか。


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