気づいたら、食事が「一汁一菜」にたどり着いた話(2)

前回の話の続き。

うっすらまとめると
「『食事を作るのが面倒なので仙豆みたいな食べ物ないかな』
と考え、鍋にたどり着いた」という話。

<頻繁に買物に行けない!>

さて(2)の話。
スーパーの弁当と冷凍うどんでなんとか生きていた
「ピュアブラックな保育園で働いていた1人暮らし時代」
これは都会でスーパーが近くにあるという前提で成り立っていた。

しかし37歳にして仕事を辞め
新潟の山の中のアウトドアの専門学校に入学した時にあることに気づいた。

それは…

「街ほど頻繁に買物に行けない!」

だった。

最寄りのスーパーは約4km。距離的には問題ない。
職場まで片道17km自転車で通っていた人間にとっては
全然問題にならない距離だ。
ただ、これが「ずっと上り坂4km」になると話が変わる。
トレーニングがてらと考えればいいのだが
「通勤」という強制力がなくなると
「ん〜、あんま行きたくない」となるから不思議だ。

ちなみに、近くの大きな街である「上越」までは約15km。
ここまで行くと安い食材があったり、食材の種類が増える。
ただ、最寄りのスーパーより距離と坂の強度が増すので
強制トレーニング確定(冷凍食品がほぼ溶ける事も確定)。
そしてなによりも新潟の山の中、住んでいた場所は
「豪雪地帯」なので冬は自転車は不可能

雪がない時期はともかく
雪が降ってしまうと自転車は行動不能となるのだ。
なので冬の間は仲間に車を出してもらうことになる。

<「生きる」を考えた結果「鍋」になる>

そうするとちょこちょこ買い物には行けない
(もっというと自分のタイミングではほぼ無理)ので
食材を溜め込む必要がある。
そして、寮に設置してある冷蔵庫は共同で使っているので限りがある。
ということで

・多くの冷蔵食材は保管できない
・できれば長期保存できるもの
・そもそも学生になって収入がないのでお楽しみ食材よりも生きるための食材が必要

となった。
アウトドアの専門学校で学んでいたこともあり
「山の中で死なないように温かいものを食べる」
というのがメインな考え方になっていたこともあり
冬になると行動不能に陥るこド田舎の山の中で
生きるを考えた結果、行き着いた「鍋」だったのだ。

<鍋を食べ続けて気づいた事>

冬の間、ずっと鍋を食べ続けた。
大好きな「すき焼き」
体が芯から温まる「キムチ鍋」
猪肉をもらったら「ボタン鍋」
ちょっと変わり種「白湯鍋」
やっぱり大好き「カレー鍋
仲間と一緒に「ヤミ鍋」
1人でこっそり楽しむ「シャブシャブ…」

等々
色々鍋を楽しんだ。
めっちゃ楽しんだ。
毎日ハッピーだった。
ただ、途中で気づいた
「毎日違う鍋楽しむと、食材とタレが増えるのが面倒」

基本食材(とりあえず、白菜、キノコ類、油揚げ、鶏肉)を基本として
すき焼きなら「生卵とちくわぶ味わいたい」
キムチ鍋なら「キムチ入れたい」
猪鍋なら「いつもは食べられない(もらった時だけ)」
白湯鍋なら「食べた事ないけど、この味で合ってる?」
カレー鍋なら「白菜合わんよな…」
ヤミ鍋は「何が入ってるかわからない…」
シャブシャブは「ゴマだれ最高!でも、ポン…(以下略)」

と鍋によって色々と食材チェンジが起こる事に
今更ながら改めて気づく。
あと、買い物に行くと意外に値段がする「鍋の素」
自分で作れるようになればいいのだけど
「調味料増えるのもなー」と思って
結局は鍋の素を買ってしまっていた。

ただ、それはデメリットにもならないくらいのメリットに気づいた。
・食事が楽しみ
・体が温まる
・食材が大体固定化
・調理のシンプル化
・調理道具が減った
・片付けが楽になる

特に
・食材の大体固定化
・調理のシンプル化
・調理道具が減った
・片付けが楽になる

は全て時短につながった。

食材が決まっていれば、買い物時間の短縮になるし
出費もある程度計算できる。
調理は茹でるだけにすれば、茹でる間に他の事ができる。
調理道具が減れば、洗い物が減るし、収納場所の事も考えなくていい。
新しいキッチン道具も必要ないので移動の時に楽。
片付けは「油物」での調理が減ったので、キッチン周りの掃除が楽。
(カレー鍋とヤミ鍋以外)

<最大の敵が現れた>

「鍋ってメッチャええ!これこそまさに思い描いた最高の一品だ!」
完全にそう思っていた。
調理も楽、準備も片付けも楽
コストもある程度事前にわかり、スーパー行っても迷わない!
栄養も取れて、「モノグサヤローには最高だ!」
とそう信じて疑わなかった。
アイツが来るまでは…

最大の敵が現れた
それは、そう「夏」だ。
気温が上がるにつれて、食欲が落ちていった。
冷たいものが食べたくなってきた。
調理中、ちょっと暑くてその時点で食欲ダウンになってきた。
当たり前の話かもしれないが

「暑いと鍋食いたくなくなるんよ」

なぜだろう。味噌汁はかろうじてよし。
カップラーメンは食べたい(特に「中本」はMAXに食べたい)。
だけど、鍋は食べる気が…
不思議なものだ。

「最高の一品」と思っていた鍋も
結論としては「寒い時期限定」だった。
しばらくは
・冬以外は普通に調理
・冬だけ鍋

となり、そこから「冬だけ調理が楽な鍋」となり
数年その生活を続けることとなる。

(3)に続く…

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