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ORIGINALS-誰もが「人と違うこと」ができる時代を読んだので感想とメモ

こんにちは。fujitaniです。今回は本の感想とメモです。独創的な人のオリジナリティを応援してくれる本です。


性格分析をしてみると自分の場合、ビッグ5という心理分析(心理学の世界で最も研究が進んでいて信頼性が高いと言われており、開放性、外向性、神経症的傾向、協調性、誠実性の5つの性格特性を測る)では、好奇心や創造性に該当する「開放性」という素質が最も高く、自分の創造性をブーストさせるには最高の本では?!という思いで読み始めました。

著者のアダム・グラント先生は、 ハーバード大学で学士号(心理学)を取得し、ミシガン大学で組織心理学の博士号を取得し、数々の賞を受賞している、組織心理学の権威です。

これからの時代特に「好奇心」という能力は、知性よりも重要で、実際に過去の研究でも好奇心が大事だよ!みたいなデータがあったりします。

  • LinkedInの調査

    •  企業が求めるスキルセットは好奇心や柔軟な思考にシフト

  •  グーグルの社内調査

    • 成功するチームの共通要素はメンバーの「好奇心」

  • ハーバードの研究

    • 好奇心の強い人は知性が高い人よりも創造性が高く、問題解決能力が優れている

これは、好奇心を鍛え、オリジナリティを発揮するしかない…!ってことでこの本を読みました。
ということで全8パートについて、それぞれざっくりとしたメモと感想を書いていきます。ざっくりと思ったことと軽いメモしか書かないので気になった方はぜひ買って読んでみてくださいませ。


パート1 変化を生み出す「創造的破壊」

オリジナルな人は、自分の「ビジョン」「信念」を実現するために行動し、既存のものを疑って、行動するそうです。
ですが、オリジナルな人だからといって、失敗を恐れていないか?というとそうではなく、同様に恐怖や不安を感じながら行動するとのこと。

ビジョンや信念ってやっぱりどんなときも大事なんだなと思いました。信念があるからこそリスクを取れるし、積極的に行動していける。本の中に元大統領の「信念に関しては岩のように動じるな、その他に関しては、流れに任せてしまえ」という言葉の通り、オリジナリティを活かすには、あらゆる外的要因の障壁を乗り越えるだけの強い信念が大事なんだなと、この本全体でこの章に一番共感しました。

オリジナルな人の定義

「みずからのビジョンを率先して実現させていく人」
オリジナリティの最もたるポイントは「既存のもの」を疑い、より良い選択肢を探すこと。成功を収めるオリジナルな人は、ある部分で大きなリスクを冒しつつ、別の部分ではことさら慎重になることでバランスを取っている。

オリジナルな人の仕事の捉え方

  • 仕事は静的な彫刻ではなく、形状を変えられる積み木のようなもの。

    • 必要なのは好奇心であり、そもそもなぜ既存のものが存在するのかをじっくり考えることが重要。そして自分で仕事は作れる!という気持ちが大事。

    • デジャブならぬブジャデ(既知のものを新たな視点で見つめ、古い問題から新たな洞察を得ること)を体験することで、当たり前に存在するものが疑問に思えてくる。


パート2: 大胆に発想し、緻密に進める

パート2では「創造性とは失敗を許すこと」であり、「技術とはどの創造物を維持するかを知ること」と書かれていました

アイデアにおいては質よりも量だと、強調されていました。たくさんのアイデアの中から適切なものを選び出せる人が少ないことが一番の問題とのこと。(実際にエジソンも1000を超える特許を取ってきたがその殆どのアイデアはインパクトがなかった)

  • 傑作を生み出す方法

    • 傑作を生み出す可能性を高めるには「多くのアイデアを生み出すこと」が重要。

    • 「3割の打率があれば天才だ。未来は予測できないものなのだから。早いうちに学べば学ぶほど早く上達することができる」

    • サイモントンの研究によると、天才的な創作者は他の人たちよりも創作の質が特別優れているわけではない。

    • 「影響力のあるアイデアや成功するアイデアを生み出す可能性は、創出されるアイデアの総数が多いことがプラスに働く」

  • アイデアの数と質

    • 多くの人が斬新なものに到達できないのは、少数のアイデアを完璧に磨き上げることに囚われているから。完璧なものを作らなきゃ!という思考があって、なかなかアイデアの「量」が出てこない。

    • オリジナリティを正確に評価するには、自己判断や上司の意見ではなく、同じ分野の仲間の意見を求めるべき。

  • 価値とはなにか?

    • 「製品は価値を生み出さない。価値を生み出すのは顧客だ


パート3 "無関心"を"情熱"へ変える方法

不満への対処法として、「離脱」「発言」「粘り」「無視」の4つがあるとのこと。で、離脱と発言は許されるけれど、粘りと無視は「現状維持」どころか後退であり、避けなければならないらしいです。

「声を上げつつ、リスクポートフォリオを安全に保ち、必要であれば立ち去る準備をしておくことが大切。」

↑これ刺さりました。

不満への対処法は4つしかない

  • 離脱: その場から身を引くこと

    • 欠点もある。自分の環境は変わるが、現状維持を許すことになり、他の誰のためにもならない。

  • 発言: 状況を積極的に改善しようと行動すること。

    • とにかく発言して信念のために行動することが大事!

    • 研究によると、長期的に後悔するのは行動を起こさなかったことによる失敗であり、行動を起こしたうえでの失敗ではない。

  •  粘り: 我慢すること。

    • 粘るのは一時的に発言権を得るための手段だが、長期的には無視と同じく現状維持に留まる。

  •  無視: 現状に留まるが努力しないこと。

    • 問題をどうにかしようというとき、無視する選択肢はない。

↑のどれを選ぶかは「コントロール」(状況の決定権が自分にあるという気持ち)と「コミットメント」(状況に関与したいという前向きな気持ち)に依存する。

親しみやすい人とトゲのある人

  • 親しみやすい人

    • 周りと協調し、基準に従うことを重視し、対人関係を乱すことを避ける。

  • トゲのある人

    •  他者や慣習に立ち向かうことを厭わない。

    •  研究によると、現状に異議を唱えた管理職は、新しいアイデアに対して寛容で、提案を脅威と捉えない傾向がある。


パート4 賢者は時を待ち、愚者は先を急ぐ

世間的には「先延ばしは良くない!」っていうのが主流ですが、先延ばしには創造性を高める効果があり、創造性の観点で言えば、スピーディな行動よりもメリットがあることがあるっていう視点は新しくて、なるほどと刺激になりました。

オリジナリティを発揮するためには、計画的な先延ばしが重要だそうです。リスクを恐れずに行動するのではなく、適切なタイミングを待つことが成功の鍵とのこと。

先延ばしは「生産性の敵」かもしれないが、「創造性の源」でもあると説明されていました。
例えば、 ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」は15年先延ばししてようやく完成した、など。

戦略的な先延ばし

オリジナリティを発揮する人は、戦略的に先延ばしし、様々な可能性を試し、改良しながら進めていくそう。また、何事も最初にやった人が優位かとも思っていたのですが、実はそういったエビデンスはなく、逆に先発者となることは利点よりも不利が大きかったりもするんだとか。

というのも、先発者が悪い!ってわけではなく、競合他社よりも先にゴールへたどり着くことだけを目的に急ぐのは、失敗率上げるよ〜みたいな話です。

イノベーションのスタイルには2パターンある。

若き天才には全力疾走が有効だが、老練になるにはマラソンを完走する忍耐が必要らしい。

  1. 概念的イノベーション

    • 大胆なアイデアを短期間で実行。平均年齢43歳で偉業を成し遂げる。若い視点での発見が多いが、年齢と共にオリジナリティが低下。

  2. 実験的イノベーション

    •  試行錯誤を繰り返し、問題解決しながら進化。平均年齢61歳で偉業を成し遂げる。知識とスキルの蓄積が長く、オリジナリティが長続き。


パート5 「誰と組むか」が勝敗を決める

ここでは冒頭で似ている人同士が組むと、僅かな価値観の違いで却って喧嘩になりやすいよ!みたいなことが書かれていました。

同じ目標に向かって進む仲間同士が成功するためには、共通の手段を持つことがポイントだそう。

また、ぶっ飛んでる人はみんなに受け入れてもらえないから一番自分が良い!って思ったポイントはあえてぼかしてしまうのも良いそうです。そのほうが実現可能性が高く見える。

で、「最高の味方になるのは、初めは反対していたが、次第に味方になってくれた人たち。」というのも述べられていて、関係構築っていうのは、最初悪くても徐々に改善したり認めてくれたり、成長を見てくれてきた人のほうが味方になってくれやすいんだとか。

たしかに最初から肯定的だとボロが出たときにがっかりされやすかったりします。これは恋愛でもそうかも?

共通の手段の重要性:
同じ価値観を持つグループと協力する際、共通の手段があることが重要。共通の目標達成の手段が同盟関係を築く上での指標になる。

目標と手段の違い
目標が同じでも、最良の方法や手段は人によって異なる。

節度のある過激派
 オリジナルな人が成功するためには、「節度のある過激派」になることが重要。伝統とはかけ離れた価値観や反抗的な考えを持つが、これをダイレクトに伝えると心に響かない。
「なぜ」から「どのように」へ焦点を合わせると過激さが和らぐ。「どのように」が明確になると、自分の知識の穴に気付ける。


パート6: 「はみ出す人」こそ時代をつくる

現状に異議を唱える人は、自分のアイデンティティと向き合い、自分が何をすべきかというのをとにかく追求することが重要らしい。

常に現状に異議を唱える人は「結果の論理」ではなく「妥当性の論理」を使います。
「こういう状況ではどうするか」と考え、外側を見回して結果を予想するのではなく、内側、自分のアイデンティティと向き合います。

自分の価値観が決断の基礎である!
自分がどういう人間であるか、もしくはどういう人間になりたいかが決断の基礎となる。
「自分が望む結果を約束してくれるもの」ではなく「自分のような人間は何をすべきか」を深く深く考えることが重要なんだとか。


パート7: ダメになる組織、飛躍する組織

このパートでは「集団思考」、つまり周りと合わせ過ぎることで、自分の意見を言えない組織の危険性について述べられていました。集団思考が強まる結果カルト集団になるとのこと。

内容的にもかなり本質的で重要なことが書かれています。

集団思考はオリジナリティの敵であり、多様な考えを尊重せず、集団内の多数意見や既存の視点に沿わせるプレッシャーが生じる大問題です。

「強い部下を持つこと」と「カルト集団のようになること」は紙一重であり、強すぎる集団文化は破滅を招く可能性があるらしい。

本当に団結力のある集団というのは、みんながフラットに、互いに、議論をぶつけ合える文化が築けていること。

みんなが思ったことを言える透明性のある文化づくりが大事で、集団思考を防ぐことで、たくさんのイノベーション、アイデアなどが生まれます。

響いた言葉:
「自分が正しいつもりで議論し、自分が間違っているつもりで話を聞け」
「異なる意見は、たとえ間違っていても役立つ。どんどん発言しよう」


少数派の視点の重要性

  • 少数派の視点:

    • 少数派の視点は意識の幅を広げ、異なる考えを生む。たとえ少数意見が間違っていても、より良い解決法を見つける際に役立つ。

  • 異なる意見の価値:

    • 異なる意見は、たとえ間違っていても役立つ。

  • 多様性の価値

    • 強い文化を作り上げるためには、コア価値観の一つとして「多様性」を掲げること。意見の相違を歓迎し、異論を唱えることに対する責任は皆が持って良い。

  • 透明性の重要性

    • 自分の意見をはっきり述べる文化を作り、従業員間で徹底的に透明性を保つことで、集団思考を防ぎ、間違った決断を長期にわたって回避できる。

  • 探究心の欠如

    • 多くの上司は「問題を持ってくるな。解決策を持ってこい」と言うが、この文化は探究心を削ぎ、広い視点から学ぶ機会を失う。

    •  いつも答えを用意することを求められると、広い視点から学ぶ機会を失う。

    • 問題を認識することは集団思考との戦いの半分。残りの半分は問題を解決するために正しい意見を聞くこと。

    • 早い段階で「解決策」ではなく「問題」を認識し、意見交換ができる確実な情報網を持つことが大事。

    • 自分の意見に確信があるなら伝えるべきだが、妥当かどうかの判断は同僚に求める。「自分が正しいつもりで議論し、自分が間違っているつもりで話を聞け」

    • 世界を創造する者は「好奇心が強い」「周りに同調しない」「反抗的」という3つの性質を持つ。彼らは失敗よりも成功しないことを恐れる。


パート8 どんな「荒波」もしなやかに乗りこなせ

オリジナルな人は外見では確信と自信に満ちていますが、内心では様々な感情や自己不信を抱えているんだとか。

困難に対応するためには「戦略的楽観主義」と「防衛的悲観主義」の2つの戦略があるが、防衛的悲観主義のほうが、あらゆる最悪を想定できるから最終的に成功しやすいっていうのはおもしろかった。

あと、これは熱い人にありがちだけど熱くなりすぎて言い方きつくなったりするので、熱くなりつつ冷静になることも大事だなぁ〜ってここも共感。

困難への対応戦略

戦略的楽観主義: 最高の結果を予測し、冷静を保ち、目標を高く設定する。
防衛的悲観主義: 最悪の結果を想定し、不安を感じながら、起こり得るあらゆる悪い事態を予測する。研究によると、防衛的悲観主義のほうがより良い結果を得やすい。
防衛的悲観主義の利点: 最悪のケースを想定して不安を増幅させることで、それがモチベーションとなる。事態をコントロールしている実感が生まれる。
注意点: 信念が揺らいでいると、不安や疑問が裏目に出る可能性がある。

感情のバランス

熱くなりつつ、冷静になること: 熱くなることは行動と変化の燃料になる。冷静になると、行動と変化が論理的かつ実現可能なものに変わる。
怒りの役割: 不当に扱われたと感じると、戦わずにいられない。しかし、行き過ぎを防ぐためには冷静さも重要。

でも結局、この怒りは人を罰したいのではなくて、助けたいっていう気持ちの強い現れなので、怒りは大切にしながら助けていこうという気持ちを大事にしたいなって思いました。


最後に

この本を読んでもっと積極的にオリジナリティ出していきたいな!!!って強く思いました。

この本では過去の実例(ジョブズなど)が登場していてオリジナルな人がどのようにして成功したか?みたいなことが細かく書かれていました。

ジョブズのようなすごい人であってもリスクと慎重さはみんなどちらも持っててバランスを取っているってことも新たな発見でしたし、タイミングが大事だったり、「自分が正しいつもりで議論し、自分が間違っているつもりで話を聞け」が一番ぐさっときました。
意見はどんなときも述べたほうが良いっていうのも意識しようと思いました。

といいつつ、この本に書かれていることを鵜呑みにしてこの本のとおりに行動することも、オリジナリティからかけ離れる原因になると思っています。あくまで参考にするだけで自分に信念があればそちらを優先したほうが良いのではと思います。とくに世界的に成功した人(ジョブズやエジソン)を出されても全く親近感わかないんですよね・・・

とはいえ、価値観をブーストさせるには良い感じ。オリジナル、創造性、好奇心、興味ある方はぜひ!


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