ロシア入国のビザ取得に手間取った話
日本のパスポートは世界最強だといわれる。ビザなしで渡航できる国が世界最多の190ヵ国にのぼるからだ。私もいろいろな国を訪ねたことがあるが、日本のパスポートを持っていて不便に感じたことはなかった。旅行の際にも仕事の際にも、パスポートひとつ持って出かければどこの国でも入国できてしまうかのように錯覚してしまうくらいだ。
しかし世の中には日本のパスポートではビザなし入国できない数少ない国も存在する。そのひとつがロシアだ。(2019年現在)ロシアに入国するには仕事はもちろん数日程度の旅行やトランジットで入国するだけでもビザが必要になる。
私は下記の記事でも少し触れたが去年HighLoad++というカンファレンスでスピーチをするためモスクワを訪れることとなった。
私はそれまでパスポートひとつ片手に適当に旅行や仕事で海外に行っていたので、ビザを取得しないと行けない国があることに少々戸惑った。何かとてつもなくめんどくさいことのような気がしていたのだ。思っていたとおり確かに時間もかかる上にめんどくさくもあったので、今回はそのロシア行きのビザをとる方法をまとめておきたい。
目次
- バウチャーの取得
- 電子申請
- ロシア大使館にパスポートを持っていく
- ロシア大使館でパスポートを受け取る
- ビザ取得に手間取ったこと
バウチャーの取得
まず申請をするためのバウチャーを取得する必要がある。バウチャーの申請には私はから行った。
基本的には自分の個人情報を素直に入力していくだけなので難しいことは何一つなかった。この時点では航空券や滞在先の情報も不明でよい。ただ入国日と出国日は入力する必要があるので、バウチャー取得の際には決まっている必要がある。私はカンファレンスの前後1日ずつとって申請をした。入力する項目は以下にある。
- 国籍
- ビザタイプ(シングル or ダブル)
- 性別
- 名前
- 生年月日
- パスポート番号
- 到着日/出国日
ビザタイプは観光ビザならシングルとダブルの2種類あり、シングルは1回の入国、ダブルはどこか他の国にいってからの再入国が認められている。私の場合は他の国に行く予定はなかったのでもちろんシングルを選んだ。
支払いはクレジットカードやPaypalが選べる。私はクレジットカードを選んだが、その場で決済ではなくメールが飛んできてそこに決済画面へのリンクがあるのできちんとメールを確認する必要がある。私はあれよあれよという間にバウチャー申請が終わってしまった上に、ロシア語を含んだメールはスパムフォルダに入りやすかったため、少々手間取ってしまった。きちんとメールを確認する必要がある。
リンクから支払いを済ませるとバウチャーをダウンロードする場所があるのでPDFをダウンロードしておく。
電子申請
バウチャーを手に入れると次はオンライン申請を行う段になる。ロシア領事館のサイトからできる。
言語は日本語を選択することができるため、言語変更して指示に従えばよい。最初にパスワードを設定する必要があるが、このパスワードは途中で申請一時保存したりする場合に必要になる。入力する項目は以下だ。
- 国籍
- ソ連国籍の有無
- 渡航目的
- ビザタイプ
- 入国日/出国日
- 名前
- 生年月日
- 出生地
- 旅券番号/発行日/有効期限
- バウチャー番号
- バウチャーの発行会社
- ロシアでの滞在都市
- 住所
- 電話番号
- 職業
- ビザの申請先
なかなかボリュームがある。1/3くらいはバウチャーに書いてある情報なのでそちらで参照してもらいたかった。少し戸惑ったのはバウチャーの発行会社でこれはバウチャーの右上の方に情報が書いてあるので参照してほしい。ロシア語で書かれていていまいち住所っぽいものとか名前っぽいものの区別が私にはわからなかったのでカンファレンスの運営の人に発行会社の書き方を教えてもらいようやく電子申請を終えることができた。
あとは申請先だが、私は東京に住んでいるので港区のロシア大使館領事部を申請先にした。他にも大阪や新潟に領事館や分館があるようだ。
電子申請書類はプリントアウトし写真添付とサインをする必要がある。大使館に行く前に貼っておくと申請がスムーズにいくはずだ。またこれとは別に写真を提出する必要があるので合計で2枚写真は用意しておくといい。
ロシア大使館にパスポートを持っていく
電子申請が終わるとロシア大使館でパスポートにビザのシールを貼ってもらう必要がある。以下の書類を持っていく。
- パスポート原本
- ビザ申請書のプリントアウト(写真添付、サイン済)
- 顔写真
- お金(必要であれば)
少々困ったのが大使館の営業時間だ。ロシア大使館は平日の午前中しか空いていない。9:30から12:30までしか受付していないので、仕事に行く前に受付を行うしかない。私は比較的仕事の時間を自由に調整できるので問題ではなかったが、そうでない場合は厳しいかもしれない。幸い受付自体は書類に不備がなく、空いていればすぐ終わる。
申請自体は無料なのだが、私はカンファレンスまでの日がなかったためお急ぎ特急便を頼んだ。観光ビザの場合は1万円払うと3営業日以内にビザの発給を完了してくれる。時間のある場合には11営業日以上かかる可能性があるが、無料で発給できる。
申請が完了すると引換券兼領収書(お金を払った場合)がもらえる。これを持って指定の日時以降に受け取りにいく。すごい薄いペラペラの紙だが大事に領収書も兼ねているので大事にとっておく必要がある。
若干自分のパスポートを手元から手放すことに不安を覚えたが、預けないとどうしようもないので、そのまま大使館を後にした。
ロシア大使館でパスポートを受け取る
私の場合は2日後に同じく大使館に受け取りに行った。以前もらった引換券だけあれば大丈夫だ。引き換え用の窓口は申請窓口とは別なのでそこに直接行き引換券を手渡すと無事ビザのシールが貼られたパスポートを手に入れることができる。受付の人が引換券兼領収書を持って奥に行ってしまったので領収書が元に戻ってこないのではと少々不安になったが、パスポートと共に返されたので安心した。
ビザ取得に手間取ったこと
トータルでビザ取得には2週間ほどかかった。これは主に私がプロセスをあまり理解していなかったことが大きい。またカンファレンスの運営者とやりとりしつつの申請だったので余計にオーバヘッドがかかってしまった。航空券の手配や滞在先は彼らに用意してもらったのでその情報をいちいち聞く必要があったのだ。
ただそれでも終わってみるとなんということはないプロセスだし、日帰りで大使館や領事館にアクセスできる環境にいればそれほど時間のかかるプロセスでもないと思う。このように少々入国まで手間はかかるが、モスクワは西側の街とはちょっと変わった雰囲気のある美しい街だったのでぜひ足を運んでみてほしい。
赤の広場前のデパートもクリスマス一色
私はモスクワ郊外のというところに滞在してスピーチをしたのだが、このSkolkovoというところがまたちょっと面白いところだったのまた今度紹介したいと思う。
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