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「特定の事業に固定されない横断チームだから幅広い経験値が蓄積されていく」/ デザインの現場に訊く #3

レバレジーズのデザイン戦略室のメンバーにデザインの裏側を訊く、インタビュー企画の3回目です!
「レバテック」のデザイン責任者の沼田さん動画クリエイティブユニットの神宮司さんに続き、今回は全社の広告やブランディング施策を幅広く担うコミュニケーションデザインチーム(以下、CDチーム)のリーダーである細谷さん。マネージャーの小林も交えて、新卒デザイナー1年目の山本がCDチームのデザインプロセスについて訊いてみました。

制作依頼は年間で200件以上

ー よろしくお願いします!まず、CDチームの役割について教えてください。

簡単に言うと、レバレジーズのコーポレートやサービスのあらゆる制作物のデザインをしています。
レバレジーズには40ほどのプロダクトがあります。それらのサービスを運営している事業部のマーケターやセールス、広報や人事などのコーポレート部門など、とても多くの人とコミュニケーションをとりながら仕事をしています。

ー たとえば、どんな制作の依頼が多いんですか?

サービスのリブランディングに伴うWebサイトのリニューアルだったり、営業資料やLP、バナー、チラシなどの制作物が多いですね。

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CDチームの制作物の事例


ー 今、メンバーは何人いるんですか?

体制としては、メンバーが全員で10名いて、私のほかにデザイナーが4名、ディレクターが3名、フロントエンドエンジニアが1名、動画クリエイティブユニットに2名在籍しています。私はアートディレクターとしてデザインレビューをしていますが、自分でも手を動かしてデザインすることもあります。

ー 依頼から制作物の完成までは、どんなフローで進むんですか?

デザイン依頼を受け付けるSlackチャンネルがあって、そこに依頼や相談がくるので、必要なものであればミーティングを設定して直接担当者に課題をヒアリングしていくところからはじまります。
そこで制作の方向性が決まったら、適性に応じてデザイナーをアサインして制作を進め、デザインレビューや事業側の確認を通して納品、という流れです。

ー 依頼ってどれくらいの頻度でくるんですか?

大体3ヶ月で50案件、1年だと200案件くらいですね。案件の規模もバラバラなのですが。

ー えっ、そんなにくるんですか!どうやって管理しているんですか?

タスク管理ツールの「Asana」を使ってメンバーのタスクを管理しています。

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CDチームで実際に行われているAsanaのタスク管理


品質に関しては、たとえば営業資料の場合はガイドラインなどを定めて、事業側でも運用できるようにして渡しています。
サービスのWebサイトや、バナーや交通広告、営業資料など、どんな場所で見た時にも、そのサービスが持っている印象が変わらないように一貫性を持ったクリエイティブをコントロールしていくように気をつけてます。

とにかく作って、見せて、反応をもらう

ー 最近の事例はどんなものがありますか?

キャリアチケット スカウト」という今年の10月にリリースされた就活のスカウトサービスで、CDチームではロゴ制作から、サービスで使うイラスト、サービスの紹介ページの制作を担当しました。事業側からサービスのコンセプトを共有してもらって、ヒアリングしながら競合と差別化できるポイントだったり、ターゲットに刺さるイメージを具現化するのに足りない部分を補っていきました。デザインイメージの叩き台を作って、事業部から出た意見を膨らませていってイメージのコンセプトを決めていきました。

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「キャリアチケット スカウト」のサービスページ


ー 事業サイドを巻き込んで、意見を「膨らませる」って具体的にはどういうことですか?

決まった会議体を設けずに、イメージを投げて、相手の反応や意見を聞いて、という壁打ちを何度もくり返すんです。とにかく「作って、見せて、反応をもらう」ことが大事だと思っているので、こちらからの一方的な提案ではなく、関係者を巻き込んでアイデアを広げていくことを心がけています。

全社に貼られたポスターが認知拡大のきっかけに

ー そもそもCDチームができたきっかけってどんな経緯だったんですか?

小林:細谷さんがレバレジーズに入られたのは2018年なんですけど、それまではコミュニケーションデザイン領域に強いデザイナーがほぼいない状態だったんですよね。プロダクトを担当しているデザイナーが片手間で各所からの依頼案件を担当していました。そんな状況だったので、各事業からの依頼窓口を統一するために、CDチームという横断組織を作りました。

正直なところ、チームを作る前は社内の依頼案件が中心の横断組織を作ることにも懐疑的な状況だったんですよね。上長からは「そんな仕事あるの?」って言われていました。でも、ビジュアルの力で説得できるようになれば必ず依頼が増えると信じて、チームを作らせてもらいました。

今、立ち上げから3年が経って、年間で200を越える案件をCDチームが担ってくれているわけですが、その仕事の中には、今までは専門職ではない人がやっていた仕事もあれば、新しく生まれた仕事もあります。それだけ眠っている状態だった仕事が掘り起こされたということなので、数値だけでは表せない価値がありますよね。

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CDチームの職域はどんどん広がっている

ー 細谷さんはCDチームのメンバーとして最初、どんな仕事をしたんですか?

最初は、私は中途採用向けのパンフレットの制作を担当し、それから少しずついろんな事業の仕事を受けていくようになっていきました。たとえば、全社総会で使うスライドをデザインして、代表から「デザインがよくなった」と言われたり、社内の人の目に触れる機会も徐々に増えていくようになりました。

ー デザインがよくなった、ということが少しずつ社内に認知されていったんですね。特に大きなきっかけとなるものってありましたか?

2019年に制作したリファラル採用のポスターかな。人事部からの依頼で、リファラル採用を促進させるためのポスターを制作したんです。事業部長を撮影して、キャッチーな漫画っぽくデザインして。全社の壁やドアに貼り出されてインパクトがあったので、認知されていった、という気がします。

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社内向けに制作されたリファラル採用促進のポスター


ー 横断的なチームだからできる強みってなんですか?

表現の幅が広いっていうのがCDチームの強みですね。デザイナーが特定の事業に固定されずにいろんな事業に関わっているからこそ、ほかの事業で蓄積された経験値を横展開しやすいと思ってます。
たとえば、LPやバナーの場合、訴求軸を決めてから制作するんですが、ほかの事業で刺さった訴求軸や表現を別の事業でも提案して試したり、いろんな事業のWebセミナーに使うスライド資料のフォーマットを横展開したりしています。

ヒアリングを通じて言語化されていない要素を引き出す

ー デザイナーのアサインって難しくないですか?

そうですね。既存事業と新規事業でも違いがあって、たとえば、既存事業では今まで蓄積された知見などがドキュメントにまとまっているので、それを参照すれば事業理解や課題感は得られるんですけど、新規事業だと当事者しか理解していない要素や言語化されていない要素がたくさんあるので、相手からユーザーに与えたいビジョンやイメージなどを引き出すスキルが大切になります。なので、いかに事業理解を深められるだけのヒアリング能力があるか、というのが鍵だと思います。

ー デザインレビューで気をつけているところってありますか?

ビジュアルの品質というよりは、目的にあったデザインになっているか?という視点を大事にしてます。ユーザー視点を意識して、なぜそのデザインにしたのか?という意図を聞くようにしています。『みんなではじめるデザイン批評』という本が参考になると思います。

デザイナーとしての職域がより広がっていく

ー CDチームの今後のビジョンはありますか?

デザイナーとしての職域がより広がっていくことになると思います。プロモーションもブランディングも、それぞれの領域での専門性がより高まって、担当領域が広がっていくと思います。

小林:そうですね。今はどちらかというと制作に強い人が多いのですが、全社的にもプロモーションに力を入れていくことになるので、コンセプトの軸を定めるプランニングやブランド戦略を進めていくクリエイティブディレクションの領域が強くなっていくと思います。

ー ところで、細谷さんがレバレジーズに来たきっかけってなんだったんですか?

私は前職、広告代理店で働いていたんですが、納品したら終わり、という世界だったので、本当に価値があるものを作っているかわからない状態だったんです。クライアントワークだと「本当にこれ、意味があるの?」というものでも、作らないといけない。だから、もっと事業に直接コミットできる環境に行きたいと思っていました。レバレジーズなら、事業と関わり合いながら、裁量を持って仕事ができそうだと思い入社しました。

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ー 今後、やらなきゃいけない課題ってありますか?

経営や事業の戦略を深く理解したうえで、経営層や事業責任者と取り組むプロジェクトを増やしていきたいです。大きな取り組みとしては、レバレジーズグループのコーポレートのブランディングはもっと軸を定める余地があると思っているので、今の会社の成長フェーズに合わせたブランディングを進めていきたいですね。

ー 最後に、今、どんな人を求めていますか?

前提として、ビジュアルの良し悪しが判断できる基礎的なデザイン感覚は求めますが、そのうえで事業の戦略を理解して、取捨選択ができる人が必要かなと思っています。戦略から最後のアウトプットまで一貫性を持ったデザインに取り組みたい人はマッチすると思いますので、ぜひレバレジーズでチャレンジをしてほしいです。

ー ありがとうございました!

細谷 明日美 / Asumi Hosoya
コミュニケーションデザインチーム リーダー
アートディレクター/デザイナー

大学卒業後、事業会社、広告代理店、制作会社を経て、2018年レバレジーズに入社。レバレジーズのコーポレートやサービスのVIの策定、アートディレクション、デザインを担当している。

レバレジーズのデザイン戦略室では、デザイナー、マネージャー、ディレクター、コピーライターなど幅広く人材を募集しています。応募はこちらから。

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