レバレジーズ デザイン戦略室
「動画クリエイティブは毎日追いかけっこで進化していく」 / デザインの現場に訊く #2
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「動画クリエイティブは毎日追いかけっこで進化していく」 / デザインの現場に訊く #2

レバレジーズ デザイン戦略室

前回の記事に引き続き、レバレジーズのデザイン戦略室のメンバーにデザインの現場を訊くインタビュー企画です!

2人目は、動画クリエイティブのスペシャリストである、クリエイティブディレクターの神宮司さんです。2021年2月に入社され、破竹の勢いで動画を制作されている神宮司さんに、最近のお仕事について、デザインマネージャーの小林が訊いてみました。

動画は今の時代に最も必要とされているクリエイティブ

ー よろしくお願いします。まず、神宮司さんが取り組んでいる「動画クリエイティブ」とはどういうものですか?

テレビCMのような映像コンテンツとは違って、スマホやパソコンで、SNS上で見られることに特化・最適化されたものになります。今の時代に最も必要とされていて、最も効果が出るであろうクリエイティブです。

つまりテレビで見ることを前提としたものを「映像」とすると、スマホで見ることに最適化したものが「動画」であり、僕らは短いスキマ時間に楽しめる情報量が詰まったコンテンツとしての「動画」を作っていくことを大前提に考えています。


ー どんな動画クリエイティブを作っているんですか?

メインはITエンジニアのフリーランス支援や転職エージェントを行うサービス「レバテック」のYouTubeやFacebook、Twitterで流れる動画広告です。あとは看護師の転職サービスの「看護のお仕事」や、フリーターや第二新卒向けの就職・転職サービスの「ハタラクティブ」のSNS動画広告のほかに、電車内のディスプレイで流れる動画なども制作しています。

ー どれくらいのペースで作っているんですか?

頻度は現状だと週に4~8本ぐらいです。 月の目標は15本以上と設定しているんですけど、多ければ月に20~30本ぐらいは作れる体制になっています。

ー すごいペースで作ってますよね…!動画制作の流れや体制も紹介いただけますか?

主にはシナリオ、デザイン、モーションを作っていくっていうプロセスがあって、

1.マーケターと共に現状の課題を把握する
2.課題からユーザー設定などのプランニングをしてゴールを決める
3.ユーザーに刺さる最適な動画の構成(シナリオ)を決める
4.デザインを作る
5.モーションを作る
6.実際に配信し、「そのサービスの課題とユーザーに刺さる動画クリエイティブとはどのようなものか」の効果検証を行う

というのが、ざっくりとした流れになります。

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レバレジーズの動画広告制作のプロセス


僕自身の主な役割はクリエイティブディレクターとして、そのサイクルを回してトータルでディレクションすることです。
体制については、マーケター複数名とデザイナー2名で、モーション以外は社内で内製しています。動画のモーションに関しては、社外パートナーの方にお任せしてディレクションしています。

そもそも本質の課題ってなんなのかを深掘る

ー 現状の課題を把握する際は、どういう観点から行われることが多いですか?

クリエイティブを通した本質的な課題解決をするためには、そもそも「事業の課題ってなんなのか」を深掘ることがまず一番最初の作業になります。

事業部のマーケターと話し合い、その事業が客観的に見た時の現在のポジショニングはどういう状況なのかっていうところから課題を把握し、クリエイティブの果たすべき目的をまず導き出します。そこからゴールをどう設定できるかを落とし込んで、認識を共有していくんです。

ー 今まで関わってきたプロジェクトで課題とゴール設定をした事例ってありますか?

たとえば「看護のお仕事」というサービスでは、「知名度が足りない」「好意度を上げたい」などが課題だったので、顧客に選ばれる理由が明確になるように、メインKPIを「サーチリフト」「 ブランドリフト」に設定したんです。そして「看護師の転職なら『看護のお仕事』だよね」っていう第一想起を獲得していこう、というゴールを設定しました。また訴求軸をより具体化するために、500人の看護師の方へのインタビューから導き出したインサイトをまとめて、こういう訴求がきっと刺さるよねっていう仮説を僕の方で規定して、コピーとして落とし込んだ動画クリエイティブを複数本作っていきました。

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「看護のお仕事」の絵コンテ(一部抜粋)


ー そのような課題解決のプロセスの中で、気をつけている点やこだわりって何ですか?

そうですね、たとえばこちら側で伝えたいメッセージっていうのはたくさんあるんですけど、見る側にとっては広告は「見たくないもの」っていうのが大前提になるんです。それをいかに見てもらえる情報、つまりは楽しみながら見れるコンテンツへと最適化していけるか、がとても大事になります。
そのためには、ペルソナをしっかり意識して、見る人にどう動いてもらいたいかを短い時間で明確に提示して、コントロールすることが大事なことかなと思います。

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短い時間で面白く伝え切るためのシナリオ(一部抜粋)

0.8秒で見てもらえるかどうかは決まる

ー具体的にはどういった媒体で配信されていて、どれくらいの長さの動画が多いんですか?

一番多いのは YouTubeで、あとはFacebook、Twitter、LINEなどです。
秒数に関してはGoogleが公開しているアルゴリズムに最適化することを大前提としていて、15秒程度が最も視聴されやすいとされているんです。
ただ、広告としての見え方ではなくコンテンツとしての面白さで興味を引くことができれば長い時間のコミュニケーションのクリエイティブでも見てもらえるので、秒数としては15秒を目安に30秒以内ぐらいを目処に作ることが多いです。 あとは、6秒バンパーという強制視聴型のクリエイティブもあるので、それも併用して作ったりします。

ー だからこそ短い時間が勝負なんですね。それはシナリオやデザイン、モーションのどれが欠けても成り立たないのですか?

そうですね。極論を言うと、0.8秒で見てもらえるかどうかは決まると言われているんです。
例えばFacebook広告だと、上スクロールをするっていうメディアの特性に基づいて「0.8秒でいかに指を止めるか」ということも考慮しないといけません。
このようなロジックはGoogle側と一緒に研究を進めていったり、それを踏まえて動画広告を実際に運用して、効果検証を行い、その効果を洗い出して発見していったという感じです。

ー 効果検証の結果、改善した事例ってありますか?

最近だと「レバテックキャリア」で、今まで作ってきたYouTube広告10本を一斉に同時配信して、そこから勝ったクリエイティブをさらにブラッシュアップして運用したんです。 勝ちクリエイティブをそのまま活かしつつ、さらにブラッシュアップして、より精度の高いクリエイティブを運用できるように細かい効果検証を進めて「ただ作るだけじゃなく、広告効果を高く継続させる」っていうところを目指しています。
また、「レバテッククリエイター」では配信したFacebook広告が平均で8%以上のCTR(クリック率)を出せたり、最高だと9.3%まで出たかな。 高いクリック率を継続的に出すことができました。

ー 動画クリエイティブのことはかなり分かってきました。ところで、「アルゴリズム」っていう言葉が出てきたんですけど、改めてアルゴリズムってどういうものですか?

「3つのFIT」というものを僕は作っていて、それが

スマホFIT
ユーザーFIT
メディアFIT

という考え方ですね。

まず「スマホFIT」はスマホ視聴に最適化している表現のシナリオ(構成)になっているか。「ユーザーFIT」はちゃんとユーザーさんに最適化したトンマナ(デザイン)になっているか。「メディアFIT」に関してはちゃんとメディアごとのアルゴリズムに最適化したモーション(動き)になっているか、が大事です。その3つを外さないように作れば、結果の数字としては上がりやすいです。

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動画の最適化に必要な「3つのFIT」


特に「メディアFIT」に関してはそれぞれ、YouTubeやFacebook、インスタ 、Twitter、 LINEなど、各メディアによってアルゴリズムが異なるので、それぞれに最適化したものを作る必要があります。

ー 素朴な疑問なんですが、たとえば「冒頭で目を引くコミュニケーション」など、「伝え方」としては不変的なものもあるのかなと思ったりするんですけど、そんなことはないんですか?

極論を言うと、変わらないものはないのかもしれないという気がします。たとえば、最近YouTubeで開発された新しいメディアアルゴリズム「VAC」に関して、今までは音あり(BGMやナレーション)の環境を前提に配信していたのですが、音なしで視聴する場面にも自動的に配信されてしまう、というケースも出てきたりして。そうすると冒頭インパクトも新しい考え方で作る必要があり、色々な進化によって柔軟に僕らのクリエイティブも変化させていかないといけないんです。
今考えているアルゴリズムの考え方は1年後には通用しないかもしれないので、「必ずこれは永遠に守れるコミュニケーションのルール」みたいなものは無いのかもしれないっていう気はしています。

追いかけっこがあるから毎日新しい発見と進化がある

ー ところで、神宮司さんは動画クリエイティブに何年関わっていらっしゃるんですか?

3年くらいです。

ー それでも、まだ新しい発見や気づきってあったりするんですか?

毎日めちゃくちゃあります。どこまでいっても無くならないんじゃないかなと思っていて、日々発見の連続が動画クリエイティブの一番面白いところですね。
それはなぜかと言うと、先ほど話したメディアのアルゴリズムが更新され続けるからだと思うんです。僕らがあるアルゴリズムに最適化を図ったら、次のメディアアルゴリズムが発表されて、それに最適化するクリエイティブを作る必要が出てくる、みたいな追いかけっこがずっと続いて進化しています。なので日々新しい発見と効果検証をしながら、より良いものができるための過程を追っている状況ですね。

ーなるほど。ここで、神宮司さんと共に動画クリエイティブを作っている21卒デザイナーの山本くんにも話を聞いてみましょう。半年ぐらい関わってみて、やりがいや難しいことはなんですか?

山本:一番のやりがいは、他の静止画コンテンツと比べて段違いに、より多く情報や​​表現だったりが伝えられるところです。
ですが、表現できることが増えると難しくなるのも当然で、時間軸を意識したビジュアルだけではなくモーションも含めてデザインしなければいけなかったり、アルゴリズムに最適化しなければいけなかったり、考慮するべきことがとても多いです。
特に難しいと感じるのは、神宮司さんが先ほど話されていた「冒頭インパクトで興味を持たせる」ことです。「このサービスとユーザーにとって一番最適なコミュニケーションってなんだっけ」を神宮司さんは常に考えているので、アルゴリズムを深く理解し、日々の気づきを取りこぼさないように、神宮司さんに1日も早く追いつけるようにもっと頑張っていきたいです。

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心から楽しんで仕事したい人と一緒に化学反応を起こしたい

ー 神宮司さんたちの動画クリエイティブユニットが目指すべき将来像ってなんですか?

まず僕たちはチームのミッションとビジョンを掲げていて、ミッションに関しては、

より高いクオリティを。
より効果的に。
より効率的に。
化学反応を起こして。

と定めています。
それに紐づくビジョンとしては、

クリエイティブを通した課題解決、社会貢献、価値の最大化を実現する。
クオリティアップ、効果向上、効率化を実現する。
誰よりも仕事を楽しみ、ポジティブな化学反応をチーム・社内・世界に起こす。
結果で応える。

というものです。
そのうえで、僕個人としては動画だけの課題解決に留まりたくないなって思っていて。動画クリエイティブ以外に改善の余地があるなら、そこまで含めた本質的な課題解決、社会貢献、価値の最大化を実現したうえで、最大限の結果で応えられるチームにしたいなと思っています。

ー 最後に、レバレジーズで動画クリエイティブを作る人にはどんなものを求めていますか?

スキル面でいうと、2つの領域で求めていて、ひとつは、課題からシナリオまでのプランニングやコピーライティング。もうひとつは、デザインやモーションのアートディレクション。この2つの領域で活躍できる方をそれぞれ必要としています。この領域が重なっていることが重要で、コピーライターだけどデザインのことも分かるし、アートディレクターだけどシナリオのところも分かる方を歓迎しています。

マインドに関しては大きくは3つあって。
・意欲
・主体性
・楽しみながら仕事をしたい

以上の意識がある人がいいなって思います。

動画広告はこれからの時代に特に伸び続けていく市場だと思うので、そこに意欲をもってチャレンジしていく志がある方が嬉しいです。 あとは主体性をもって、自分がこうしたい、と主張したり、自分から研究して成長していく気持ちを持っている人が一番望ましいです。

最後に、僕のモットーとして、そもそも楽しんで仕事をやっていきたいので、本当に心から楽しみながらチームに良い化学反応を起こして仕事ができる人と一緒に仕事がしたいなと思っています。

ー ありがとうございました!

神宮司 憲 / Ken Jinguji
動画クリエイティブユニット リーダー
クリエイティブディレクター

博報堂系制作会社、サイバーエージェントを経て2021年レバレジーズに入社。サービス特性を最大限拡張させるコンセプトワークと、マス広告、インターネット広告、動画広告、ブランディング等、メディアを限定しないクリエイティブディレクションを得意とする。 モットーは「 結果で応える。」
朝日広告賞 / JAA広告賞 / 東京新聞広告賞 / BOVA動画広告賞 / 日本産業広告賞グランプリ / TOSHIBA先端技術広告賞グランプリ 等

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