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読書関連

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読んだ本の感想記事をまとめます。
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#読書感想文

読書感想:「ケーキの切れない非行少年たち」「どうしても頑張れない人たち ケーキの切れない非行少年たち2」 宮口幸治

「ケーキの切れない非行少年たち」はネット記事などでも何度かタイトルが出ているのを見かけたことがあり、有名な本だったが、いままで読んだことが無かった。図書館で偶然見つけたため、借りて読んでみることにした。さらに、「ケーキの切れない非行少年たち2」として「どうしても頑張れない人たち」も隣に並んでいたので、それも一緒に借りてきた。ここでは2冊まとめて紹介する。読んでいて、とても辛い、悲しい、やりきれないというような気持ちになるのだ。もし、自分や自分と親しい人が犯罪の被害に遭った場合

読書感想:「アレックスと私」アイリーン・M・ペパーバーグ

この本は前から読んでみたいと思っていたので、図書館で見つけた時は嬉しかった。 ヨウムと言う鳥は、おしゃべりが得意で、とても賢い事で知られ、youtubeなどでも流暢に話している動画が多くみられる。 アレクサを操作できるヨウムもいるらしい。 しかし、アイリーン博士がアレックスの研究をしていた時代は、動物に知性があることは信じられておらず、研究を信じてもらえなかったり、研究費の確保に苦労したりしたそうだ。 アレックスの研究によって、動物に知性や感情がある事が広く認められたようだ

読書感想:「うそつきロボット」アイザック・アシモフ

この本には、4つの短編が収録されている。 「子守りロボット・ロビィ」:子守りロボットとばかり遊ぶ子供を心配して、両親はロボットを工場に返してしまうが、子供はロボットに会いたがってしまう話。 「水星ロボット・スピーディ」:高温環境の水星で、資源採掘をするロボット・スピーディが任務中に迷走を始めてしまい、科学者たちが原因を考える話。 「うそつきロボット・ハービィ」:人間の心が読めるロボット・ハービィは 人間のこころを傷つけないために嘘をつくが、そのせいでかえって人間たちに混乱をも

読書感想:「いのちの科学の最前線 生きていることの不思議に挑む」チーム・パスカル

(見出し画像はChatGPTのDALL-Eで作成しました。) 10の異なる研究について書かれている。全てを紹介することはできないが、いくつか面白かったものを紹介したい。 腸内細菌との共生 マウスを無菌状態で育てると、正常に生育しないという。おそらく人も同様で、菌の存在を前提として身体は作られている。もしも腸内細菌が存在しなければ、まともに生きていく事ができないそうだ。 この章の研究で驚いた部分は、腸の仲は厳密には「体の外」という部分だ。 たしかに、いわれてみればそうだっ

読書感想:「カラスの補習授業」松原始

(見出し画像はChatGPTのDALL-Eで作成しました。) 「カラスの教科書」の続編。より多岐にわたるカラスの観察や考察。 カラスの感覚(じつは鼻はあまり利かず、視覚に頼って餌を探している等) カラスの知能(仲間の声と顔を覚えていたり、道具を使用したり) カラスの社会(縄張りの分布、ハシブトガラスとハシボソガラスの縄張りの干渉の観察等) カラス観察の実地調査の話等。 前作より、漫画などからのパロディ表現が増えている。 各章の注釈のページに、パロディの解説も書いてあるくらい

読書感想:「最強脳『スマホ脳』ハンセン先生の特別授業」アンデシュ・ハンセン

(見出し画像はChatGPTのDALL-Eで作成しました。) 人間の身体と脳は、サバンナで動物を狩ったり、逆に動物に襲われたりしながら生きていた頃に適応してできている。生き延びるのに適したことをすれば脳に「ごほうび」(ドーパミン)がもらえるという仕組みで、生き延びるためには常に体を動かしている必要があった。なので、運動をすると脳にとって良い事が起こる。集中力や発想力を高められる。 といった内容だった。 確かに、人間も動物の一種。野生で生き残るために適した進化をしているはずだ

読書感想:「空想科学裁判」円道祥之

(見出し画像はCopilot Designerで作成しました。) 2001年発行なので、20年以上前の本だが、こういう古い本と出合いやすいのは図書館の良いところだと思う。 漫画やアニメ作品の中の出来事を、現実の法律にあてはめて考えている本。 たとえば巨大ロボットを出撃させるとしたら、自動車では無いので道路上は歩けないとか、「家宅侵入罪」や「建造物損害罪」になるとか、そんな話だ。 本書で取り上げられている作品は「仮面ライダー」、「巨人の星」、「マジンガーZ」等。有名なのでタイト

読書感想:「暴走老人!」藤原智美

「暴走老人」…老人が他者をどなったり、暴力をふるったり、犯罪行為までするのは何故なのか。「時間」、「空間」、「感情」の3つの視点から描かれている。タイトルから想像されるような、迷惑行為をする老人を非難する内容ではなかった。暴走する老人への対処法などは特に書かれていない。 「時間」の章では特に「待つこと」「待たされること」に関して考察されている。 この本の内容からはズレるが、「暴走老人」に対して思った事を書く。 老人が暴走する原因、時代の変化に対応しきれない苛立ちや孤独感から

読書感想:「カラスの教科書」松原始

(見出し画像はCopilot Designerで作成しました。) カラスの行動や、カラスについてのありがちな誤解、カラスの関係する伝承…カラスについての様々な記録が書かれている。 カラス含め、鳥類は代謝が活発で、哺乳類以上のペースで食べ続ける必要がある。 カラスの「賢い」とされる行動や、(ごみを散らかすなど)人間にとって迷惑と感じられる行動も、餌を得るためのものであるという。 カラスが群れになるのは、実は若い時だけで、子育てをする段階になると雄と雌の2羽で縄張りをつくり

読書感想「ヴァンパイアハンター・リンカーン」セス・グレアム=スミス

(見出し画像はChatGPTのDALL-Eで作成しました。) 実在の大統領、エイブラハム・リンカーンがヴァンパイアハンターだった、という設定の史実と創作の入り混じった小説でした。 奴隷制にはじつはヴァンパイアの陰謀が絡んでいた、という設定になっていて、突拍子が無いながらもまるで本当のような部分もある不思議な感触の物語でした。リンカーンにたいしての知識が豊富だったらもっと楽しめたかも、と思いましたが架空の話としてみても楽しめました。 ヴァンパイアとの緊迫した戦闘シーンあり、主

読書感想:「ひとりで老いるということ」松原惇子

(見出し画像はChatGPTのDALL-Eで作成しました。) 一人で老いて死ぬのは、いずれ自分の身に起きる避けられない事なので、どうしても気になってしまう。その前に、親の老いと死にも直面せねばならず、不安で押しつぶされそうな気分になる。 この本では老いては保証人なしでは貸金庫も契約できなくなるなどと言った困りごとや、人手の足りない老人ホームの現状、老人を狙う詐欺などの問題点から、年老いても元気な人達の生き方などが紹介、現金をいくらか手元に置いておこう等の具体的なアドバイスも

読書感想:『「気にしない」習慣』植西聰

色々とまよったり、ネガティブになっていたりしたので、タイトルが気になって読んでみた本。嫌な事があっても、ポジティブにとらえよう。そんなことが書いてある。たしかにね、とは思うけど、ポジティブすぎてそこまでできるかな?とも思った。失敗しても成長のチャンスととらえる。でもね、失敗続きだと落ち込んでしまうのよ。 未来の事は不安だけど、未来の不幸を今から味わうのって良くないなという考えもあって、今を大事にするように気持ちを持っていく。不安が消えるわけではないけれど。 本の中から、気