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ぽっぽは空から降ってきた

田舎育ちです。何度も言ってますね。

田んぼの周りには
用水路があります。
田植えはこの用水路に水がきて
はじめておこなわれます。

同じ用水を利用している地域は
南から順番に水がきて
そして田植えがされていきます。

私が幼少のみぎり、
用水路はコンクリートではなくて
柔らかな小川が多く残っていて
細くて浅かったり
中くらいだったり

めだかはもちろん
ふな、どじょう、はや、たにし、
ざりがに、げんごろう、かえる
色んな生き物がすんでいて、
セリも生えていて
水草もこんもりと
ふかふかのベットのような
小川でした。

今これを書いていて
その光景を思い出すと
胸がいっぱいになります。

美しかった
光の粒を纏うような
美しさがありました。

🌱

そういえば、
水の中を初めて見た経験って
その用水路に頭から
落っこちたときのこと。
当時、超悪ガキの従兄ふたりに
完全にロックオンされていたわたし、
(ぴーぴーいうから面白かったんでしょう)

自転車の後ろに乗せられて
用水路ぎりぎりのところを走られ
ひーひーとしがみついたり、

遠くまで勝手に連れ出され
ありとあらゆる遊びに
付き合わされていた私は

ある日、とうとう用水路に
おっこちてしまいました💦

ぶくぶくぶく

その瞬間は何が起こったか
わからなかったけれど
フナが目の前を泳いでいたかなあ。

さすがにすぐに救出されて
しばらくは優しくしてもらったし
いまでも、きっと罪悪感からか
やたらと我が家に立ち寄り
お土産を届けながらお茶していく
ふたりですが、
正直、ながっ尻(帰らない)で
迷惑です!

それにしても
無事に大きくなれてよかったと
ほっとしたりするほどです。

とはいえ、生粋の田舎娘、
田んぼで耕運機を運転させて
もらったり(当時5歳)
おじいちゃんの押す
1輪車の手押し車(ネコとよばれる)
にのせてもらって
意気揚々としていたり、
書いていて汗が出てくるような
幼少期を過ごしました。



今思うと、勝手にずいぶんと遠出して
川にいっちゃだめ、
という母からの禁止事項は
まるで聞かずに
よく𠮟られました。

たも(魚をとるアミ)とバケツを
もって、ふなやざりがにを
楽しく採集していたある日

ばしゃんっ

と空から川に、
そう私の1m横に
なにかが落下しました。

落ちてきたのは 一羽の鳩

降ってきたのは 鳩

びっくりしてとりあえず
たもですくって
暴れるハトをなだめながら
家に連れて帰ってきたけれど

羽が折れていて
大怪我をしていたその子に
すっかり同情した私は

母に一生に一度のお願い、と
声が枯れるほどお願いして
やっといいといってもらい

ぽっぽは家族になったのでした。

包帯をぐるぐるまきにして
しばらくは家の中にいたけれど
当時はまだ動物病院に連れていく
なんてこともなく
自然に任せて

当然、大けがだったため、
飛べるようにはなりませんでした。

父が作ってくれた大きな小屋を
庭に設置して、そこがぽっぽの
家となったのだけれど

よく他の鳩が遊びに来て
いっしょに
ぐるぐるっぽっぽーーっ
と合唱していました。

かといってぽっぽは飛べないし
放してあげることもできなかったので

自然淘汰されるはずだった命を
救ってしまったことが
よかったのかわるかったのかと
少し大きくなってから
ずいぶん自問自答して

ぽっぽが幸せだったのかどうか
ずっと考えてきました。

今となっても、
答えはでないまま

最近気づいたけれど
自由、というものに私自身が
とても強く惹かれるから

ぽっぽにとって庭の小屋が
終の棲家となってしまったことに
やるせなさを持っているのかも
しれません。

ちなみに親戚中のこどもたちが
よくぽっぽを見に来ていて
そのため、私の父は

「ぽっぽのおじさん」

というかわいいあだ名を
もっていました。

ずるくない?

と今でも思っています。

そういえばこの話って
トラオくんにしてなかったな

実はnoteのお友達の方が
私のことをよく知っているかもしれない!
と気づいた朝です。

さあ仕事にゴー!
みなさま、素敵な土曜日を♫

いただいたサポートは毎年娘の誕生日前後に行っている、こどもたちのための非営利機関へのドネーションの一部とさせていただく予定です。私の気持ちとあなたのやさしさをミックスしていっしょにドネーションいたします。