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クリティカル・シンキング①


■クリティカル・シンキングの全体像

①課題の特定・解決 (ロジックツリー)今回のテーマはここ
②コミュニケーション(ピラミッドストラクチャー)

■課題の特定・解決のステップ

①イシュー(課題)を特定する。
そもそも何を論じるべきなのかを特定する。

②枠組みを考える
イシューに答えるために必要な枠組みを考える。

③初期仮説を考える
枠組みに対して仮の答えを立てる。

④仮説を検証し、進化させる。
情報を収集・解析し、仮説が正しいか検証を行う。

⑤結論づける
枠組みに対する答えを出し、各枠組みの答えからイシューに対する答えを結論づける。


■クリティカル・シンキングの基本姿勢

◆仮説を持つ
いきなり結論づけるのではなく、仮説を立てて検証する習慣をもつ。

◆前向きに疑う
一度出した答えを正当化したい、自分の願望に対する情報ばかりに目がいってしまう確証バイアスに陥ってしまいがちである。
本当にそうなのか、違う答えはないのか自ら問いかける姿勢をもつ。

◆要(かなめ)を押さえる
枠組みを考えるときに、何が重要なのかによって枠組みの決め方は変わってくる。特にピラミッドストラクチャーでは聞き手の関心は何かを意識して優先順位をつける。

◆使う言葉に注意する
相手に正しく伝えるためには、分かりやすい言葉を使うことが重要である。
つい最適化や効率、シナジーなどのビックワードは便利なので使いがちだが、逆に言うと相手にも様々な捉えられ方をされてしまう。


■クリティカル・シンキングの思考技術

■主張を根拠で支える

主張をする際は、なぜそう言えるのかの根拠を示す必要がある。この根拠は一つとは限らない。メリット、デメリットなど多角的な側面から根拠づける。
また、その根拠は主張でもあり、さらに根拠がなんなのかを考える。


■演繹法


「観察事項」を「一般論やルール」に結びつかせて結論を出す手法。
ただし、結論は一般論やルールに当てはまらない場合がある。その場合は一般論やルールが間違っていることになる。
逆に当てはまっていれば、その一般論やルールの確実性をより高めることになる。

◆演繹法の例
一般論:帰国子女は英語が話せる
観察事項:友人Aは帰国子女だ
結論:友人Aは英語が話せる

■帰納法


複数の観察事項の共通の項目からルール・一般論を導き出す手法。
共通の項目が複数ある場合は結論も複数あることになる。
持っている知識や想像力によって結論は変わるため、何が重要なのかポイントを押さえておく必要がある。

◆帰納法の例
観察事項①:今年、GAFAMの時価総額が東証一部の時価総額を超えた。
観察事項②:国内のIT業界市場規模はここ10年間右肩上がりである。
観察事項③:近年の高校生はデジタルネイティブである。
結論:今後さらにIT業界への就職希望者が増加するだろう。

■情報を分解して考える

情報を分解する時に、まずは全体を押さえる。その後に分解しなければそれらが正しく分解されているかの検証ができない。

◆全体を分ける
枠組みを考える時は、モレなくダブりなく(MECE)を意識して分ける。ただし、何が重要なのか、優先順位は何なのかを考えることが重要である。完全なMECEを目指そうとすると時間がかかったり効率が悪くなるため、枠組みを考える上で十分な分け方になっていればよい。

◆分析対象を多面的に捉える
・全体の中での「部分の大きさ」を確認する。
・全体の中での「ばらつき」を確認する。
・全体の中での「集中箇所」を確認する。
・時系列での変化を確認する。
・隠された関係性を見出す。

■因果関係を考える

根拠を考える時はそれが因果関係になっているかどうかが重要である。ある結果に対してそれが相関関係であるにも関わらず、思い込みや確証バイアスによって因果関係にあると結論づけてしまいやすい。

◆間違いの例
A社のシステム開発をした製品にはバグが多い。会社自体が創業2年と若く、開発担当も若手社員が多い。また若手社員はまだシステム開発を完璧にこなせる十分な技術を持っていない。だからA社の製品はバグが多い。

◆間違いの例の解説
若手社員は確かに完璧にこなせる技術がなかったとしても、熟練の開発者もミスをすることはある。開発に対するチェック体制など、根本的は原因がなんなのかを考える必要がある。


■ステップ①イシュー(課題)を特定する。

イシューとは「答えを出すべき 課題・問い 」である。
◆課題の特定・解決の場合
解決すべき課題は何か?
→例:来季どの国への進出が最も利益があるか?

◆会議・コミュニケーションの場合
聞き手の関心は何か?
→例:わが社はどの国へ進出すべきか?
(この聞き手は進出する国の来季利益についてがメインイシューではない)

「考えたいこと」「考えやすいこと」ではなく
「考えるべきこと」を考える

よって、イシューを押さえることが最も重要である。
言語がするほど大したことではないと思いがち。

だが
①人によってイシューの解釈が違うことがよくある
②理論展開していくうちにイシューがズレていくことがよくある

なので
必ずイシューを言語化すること。
そのイシューは必ず疑問形にすること。
ビックワードを使わないこと。
(効率化、最適化、推進、徹底、シナジー)
会議の議題でやりがちだが、「~の最適化について」、など抽象的な表現にするとイシューずれの原因になる。

そしてイシューを最後まで押さえ続けること。


■コミュニケーションの基礎(余談)

◆CREC法
Conclusion(結論)、Reason(理由)、Example(具体例)、Conclusion(結論)
相手にわかりやすく伝え、相手の納得・共感を生みやすい。

◆メリットデメリットの比較、代替案との比較
確証バイアスによって一方について論じてしまいがちだが、主張と逆の場合についても論じて比較することでより相手に納得感を与えられる。


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