見出し画像

【市役所の仕事】提案・要望編∶首長の車が、黒く大きくなるのは

ときどきニュースで「全国知事会」とか「全国市長会」とか、聞くことはありませんか?

今日は市長の発言を用意する、市役所の仕事についてお話します。


市長や知事、単独ではなかなか国に対して提案や要望をしようとしても、効果的ではないので、知事会や市長会という団体を作って、地域の実情としての提案や要望を国に対して行います。

全国に知事は47人。市・区長は815人。確かに一人一人提案したり要望していると、国の機関は混乱します。


ちなみに、国と地方は役割分担をしていて、国は全国的に統一して決めることを決め、地方は身近なことを担当します。

その役割分担などは、地方自治法という法律に基づきます。


例えば、昨年いただいた10万円の臨時給付金。

国はどんな申請内容で10万円をどんな条件の人にお配りするか決めます。

市は実際に10万円を誰にあげるかを決めて配ります。


例えば、ワクチン接種。

国は外国からワクチンを調達し、どんな条件の人に打つのか決め、ワクチンを自治体に届けます。

市は実際に接種券を個人に渡し、集団接種の場合はどうやって接種するかを決めて、ワクチンを接種会場に届けます。


全国知事会や全国市長会とはまた別に、知事や市長がお互いに協力して提案または要望することがあります。


広域連携という約束を交わしている仲間の市や町と一緒に、そのテーマに準じて提案または要望することがあります。広域連携も地方自治法にある考え方です。


例えば、関西広域連合。

主に防災と観光をテーマに、近畿の府県と徳島県もだったかな、広域連携協定に基づき、チームを組んでいて、そのテーマにより提案したり要望します。

他にもいろんな市町がまとまって連携し、地方の実情を訴え、提案し、要望します。


市役所の中でもレアなこの仕事は、「企画」と名のつく部署で行うことが多いです。

市の全体を見渡して、

市長に、国に対して主張していただき、

国から注目をしてもらい、

そして、市民のやりたいことを実現し、市民の暮らしを向上させる。


面白そうですか?

市役所で働きたいという人は、少しくらいは面白そうと思っていただけるかしら。

私たちは市民の税金をつかって仕事します。私たちの地域で、その税金をどうつかうべきか、公共を担いたいと思う人の責任として、関心はあって欲しいです。


提案や要望の場においては、

あの市長は教育や子育て支援に熱心で、国とケンカしそうなくらい!

あの市長は農業と畜産を、世界に売り出してる!

あの市長は駅前整備とデジタルにめっちゃアツイ!

あの市長は市民活動まちづくりで若い人を呼び込もうとしてる!

あの市長は地元を掌握していて、道路工事と産業誘致を推してるー!

といった、市長の実現したい重点テーマを際立たせ、個性を演出します。


企画は、その重点テーマを軸に、予算や人員にメリハリのついた配分をしようと、ウチに向けてもソトに向けても準備します。

自分の市長には、我が市イチオシの提案と要望を、熱意と情熱を添えて、携えていただく仕事です。


私は、このレアなお仕事を、もう5年以上担当しているので、他の市長や町長、知事を観察しています。


前の兵庫県知事が、センチュリーに乗るに至った演出、ちょっぴりわかります。

提案や要望の場として、
大きなホテルや会館
が使われます。

提案や要望には、強烈な熱意威厳の演出が必要だったりするのです。

だいたいね、会場の車寄せに乗り付ける公用車は、

当選回数が少ない市長・町長の乗る車は、白っぽく軽いです。

当選回数を重ねると、黒く重くでっかくなります。


ま、そういうことですね。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?