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ジェンダー的な最近の気づきをいくつか

「お客様相談窓口」というのはアイディアの宝庫だそうです。

不満なこと不便なことを意見として蓄積し、そんな事例から発明や改善や工夫を生み出して、よい商品・サービスを世の中に提供する、
そして世の中をより便利で快適に、喜んでいただくことで富を得る、というのが資本主義の発展という仕組みなのかなと思います。

世の中にあるちょっとした違和感、不便、理不尽、不平等などを表現することで、世の中はきっとよくなっていくだろうという思いで、この数日で感じたジェンダーに関する気づき事例を3つ話そうと思います。


決して責めているわけではありません。

ジェンダー(gender)とは、生物学的な性別(sex)に対し、社会的・文化的につくられる性別のことを指します。男女の社会的・文化的役割の違いや男女間の関係性を示します。

私が初めてジェンダー的に変な感じを覚えたのは高校生時代でした。
その約35年前と比べると、今は本当に、確実に緩やかになっていると感じています。
世界と比べればまだ遅れている、という指摘もあるかもしれませんが、時系列的に比べれば、本当に確実に良くなっていると感じます。

そんな発言をする私だって、昭和生まれですから、身に染みついたアンコンシャスバイアスがあると思います。私も誰かに責められることなく、穏やかに気づいていきたいです。


SDGs解説動画のアバター

SDGsに関する市役所での担当となっている私。

とある金融機関に、SDGsをベーシックに学べる動画はないですか?と尋ねたところ、提供いただいた動画に衝撃を受けました。

解説しているキャラクターにのけぞりました。

若い、髪の長い、色白で、スリムな体にフィットするミニスカートから伸びる細長い脚にハイヒールを履いていました。

はい、そうです、女性と思われるアバターでした。
・・・世の中の「女子アナ」「スチュワーデス」に対して期待しているウキウキ・キラキラ感をアバターに詰め込んでいるようでした。

やれやれ、もうそこから何を言っているのか、もう耳に入ってきません。
一緒に見ていた職員と目を合わせ、すぐに再生を止めました。

なんでこうなったのかなぁ。きっと悪気はないと思うのです。
「こんな若くてキレイなお嬢さんから教えてもらいたい~その方が理解できるよね。」と思っている方が、見る人のやる気が出るようにという善意で作成したのでしょう。・・・理解します。

でもね、アバターなんですから、SDGsなんですから、もっとキャラ設定に選択肢があったでしょうに。
ホッキョクグマとかモアイとかペンギンとかパンダとか大仏とか絶滅危惧種のタガメとか。
アバターがなくたってもいいくらいです。
こういう女性像を見せつけられると、何かしら残念な気持ちになっている人がいることを記しておきたいと思います。

世の中、腕を失っていても、ニキビができていても、ホクロがあっても、髪がなくなっていても、車椅子でも、肥満傾向でも痩せ型でも、背が低くても、高くても、男性でも女性でもそのどちらでもなくても、一人の人として尊重されたいわけです。
それが基本的人権の尊重だし、ジェンダー平等だし、SDGsじゃないかと思うので、残念でした。


新庁舎への案内役

市役所が今、絶賛引っ越し作業中で、半数の部署が新庁舎に移転しました。
半数の部署は旧庁舎に残ったままです。

となると、市役所に来て、どこに行っていいのか迷われる方が多くいらっしゃることが容易に想像できます。
案内役が必要だ!・・・という発想はとてもステキなことです。

その後、「できれば女性の方がいいなぁ」と上司が発言。
私がすぐ「女性男性問わず、うちの職員は親切ですから大丈夫です。」と発言したので、なぜそんな発言になったか、深く知ることはできませんでした。

なので、ここから推測ですが、女性というのは親切だと思っているのでしょう。彼のアンコンシャスバイアスです。
残念なお知らせですが、私は女性ですが、まったく親切ではありません。ごめんなさい、はっきり言って冷たいです。
案内役が必要だと発想した男性上司、あなたの方がよっぽど私より親切です。
親切さに、男や女といった性器の違いは関係ありません。


男性ばっかりじゃこういうところに気づかないよね発言

新庁舎で職員が勤務を始めた、初日の今日。内線電話がかかってきました。

「こんなことを○○さんに言うものじゃないかもしれないけど、
女子トイレに汚物入れがないって知ってた?
困った女子がトイレにナプキンを流してしまったりでもしたら、詰まったら大変!早く対応してもらえるように言ってもらえる?
男性ばっかりで新庁舎の建設をしているから気づかないっていうことよね。」

という趣旨でした。

女子トイレに確かに汚物入れがありませんでした。

でもこれは、「男性ばっかりで新庁舎の建設をしたから」なのでしょうか。

トイレに汚物入れが必要と言うことは、庁舎管理では常識、ワンセット。
トイレにトイレットペーパーが必要なことと同じ。
確かにトイレットペーパーと比べると、男性では気づきにくい可能性はあります。
でも、庁舎管理界隈では、トイレにはそれがパッケージだし、事業系廃棄物のうち衛生用品が含まれていることを担当者は理解しています。
男性だからトイレには汚物入れ、というパッケージを見落としたのではなく、単に見落としただけではないのでしょうか。女性なら気づいたと言い切ることはできるのでしょうか。

すぐに職員が、汚物入れを買いに店に走ってくれました。男性職員です。

「ありがとう、とっても助かったわ~」です。

「だから男性っていうのは」「だから男性だけっていうのは」という発言は聞いていてとても不快でした。「だから女性っていうのは」「だから女性だけっていうのは」という発言をされて、不快になるのと同じです。


念のため、もう一度言いますが、責めているわけではないのです。
責めることで萎縮したり、窮屈な気持ちにさせることはまったく本意ではありません。

このnoteは、社会全体に対する「お客様相談窓口」、そんな役割もあるんだと感じていて、今日の伝えたいことnoteにします。



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