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動物の表情についての分析が面白い。放送大学:発達科学の先人たち「ダーウィン」の章 感想

発達科学の先人たち、第4回はダーウィン「人及び動物の表情について」。

放送大学に入学して最初の学期にとったのは導入科目の「発達科学の先人たち」。学び方も手探りなので、試みにnoteにちょっとした感想を書くことにしました。あくまで私の感想のため、授業の本筋とずれていってしまうのはご容赦を。

今までの授業はこちら。
1) 「発達科学の先人たち」を学ぶ
2)植物にも心がある!? 放送大学:発達科学の先人たち「アリストテレス」の章 感想
3)まるで呪いの書。 放送大学:発達科学の先人たち「貝原益軒」の章 感想


ダーウィン

発達科学の先人たち、というテーマに一瞬ギャップを感じてしまったのがこのダーウィン。もちろん進化論は知ってるけど、発達科学とどう結びつくんだろう?

父は外科医、母はウェッジウッドの家系…と、どうやら非常に恵まれた家の出であった彼がビーグル号に乗り込むことになるなんて一体何があった!?とか、教会や市民からの反発を恐れて進化論をすぐに発表しなかった慎重派なのは良い家柄ゆえというのもあったりして?とか、本題に入る前に、またもやあれこれ勝手に想像してしまいます。(ちなみに進化論にも人間についてのことはまったくと言っていいほど出てこないそう)

人及び動物の表情について

さて、この章で取り上げられたのは前述の「進化論」ではなく、「人及び動物の表情について」という著作でした。

人及び動物の表情について…… これはデザイナーとしてもなんだか興味が湧いてくるタイトルです。動物の表情ってなんだと思ったけれど、ここでいう「表情」というのは顔だけではなくて体全体に表出されるもののこと。

表情について、ダーウィンはいくつかの原理を打ち出して、説明していきます。「有用な連合性習慣の原理」「反対の原理」「神経系の直接作用の原理」、面白いなーと思ったのが2番目の「反対の原理」。

1番目の関係があるとすれば、一方を反対にした時には対になるものも反対になると言う理屈。

ひっくり返して次!みたいなそんな展開ありなの?とちょっと笑ってしまったけど、続く説明を読むと妙な説得力がありました。(詳しくはぜひ「人及び動物の表情について」や印刷教材を読んでみてください)

そして、この2つで説明のつかないものは第3の「神経系の直接作用の原理」で拾っていくというなかなか巧み(?)な論理。

そして人間の表情の話へと移っていきます。

今この説がどう評価されているのかよくわからないけれど、人間については自分の子どもの詳細な観察から論文を発表したりもしているそうで(子どもはいい迷惑な気もするけど!)、彼の研究は形を変えて、動物心理学や比較行動学の礎を築いたのだそうです(←話をだいぶ端折ってます、すまぬ)。

学校では「進化論」しか出てこなかったけど、そればっかりじゃなかったんですね(そういえばなんの教科で出てきたんだっけ?歴史?)。むしろ他の研究の方が面白そうだなと感じました(私たちがもはや進化論に新鮮さを感じないからではないかと思うけど)。

最後に出てきた心理学への影響というのもちょっと意外で、教科書で名前と代表作や肩書きだけ出てきた人も、いろんな面があるのだなあと、素直な感想も持つのでした。

ぱらっと読んでみたくなって本を調べてみたら、岩波文庫は絶版のようです。今度図書館で見てみようかな。旧字が多くて読みづらいというレビューも見たけど、アリストテレスよりは読みやすい気がする。

冒頭の写真は練馬区立美術館前の「練馬区立美術の森緑地」にある彫刻。ダーウィンもびっくりのカラフルトカゲ。

追記
ダーウィンの話を英語のレッスンでしたら、先生が妙にクセになるBBCの動画を送ってくれました。

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