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独立した理由を振り返るーPRで何がしたいのか?              広報・PRコンサルティング会社LEORISを設立しました

広報・PRコンサルティング会社 LEORIS合同会社代表 鎌田陽子です。
2023年も終わりが見え始めた頃、10数年の広報・PR経験を持って独立をしました。

2024年に入ってから本格的にクライアントワークに従事し、ヘルスケア関連企業、AI開発企業、地方製造業などの企業や自治体まで、多様な事業体や組織の広報・PR活動の伴走をしています。

創業期のバタバタが少し落ち着いてきた感があり、今後広報・㏚に関する情報も発信していきたいと考えこの記事を執筆しています。

今回は、独立した想いや、そこに至った理由などを残しておきたいと思い、このテーマにしました。


なぜ独立したのか

長らく広報・PRの現場に携わってきて、いくつか解決をしたいと思っていたことがあります。独立の理由として、また自分の想いにピンを指しておくためにここに記しておきたいと思います。

独立の理由①:広報・PRをアップデートし、認知を高めたい


仕事を尋ねられた時に「PRをしています」と伝えると、こんな言葉が返ってきます。
「ああ、広告屋さんね」
「PRってあのハッシュタグのですよね」
「プレスリリース書く人ですよね」
「TVとか出る人ですよね」

どれも完全な間違いではありませんが、残念ながら「そうです!」とは言えない私がいます。まあ、SNSでのハッシュタグには間違いですと言いたいですが…
そう、広報・㏚は極めてわかりにく仕事です。何をすると決まった形式もなければ、例えばマーケティングのような学術的にも確立されたフレームワークもほぼありません。

私は数社で広報経験を積みましたが、そのどこも同じ仕事ではありませんでした。事業内容、組織規模、企業理念、企業フェーズ…その企業や組織が置かれた内外の環境で仕事の目的も内容も全く異なるものになります。
先日、長年㏚に携わっている㏚パーソンの皆さんに、私が大手の上場企業で行っていた広報活動の内容をお話したところ、皆目を丸くして「そんな仕事聞いたこともない!」と言っていたのがとても印象的でした。長年携わっている人たちでさえ驚いてしまうような活動が存在するほど、広報・㏚は範囲も内容も決まったものがない活動なのです。

だからこそ、これが広報・㏚だという認知も一般化していないという現状につながっていると私は感じています。そしてこの現状が、一部の企業や組織にしか広報・㏚活動が必要であるという認識にならない要因であるとも思っています。ここが「独立の理由②:力になりたいものがたくさんある」につながっています。

独立の理由②:力になりたいものがたくさんある


私は、広報・㏚の力を信じています。実際に携わった企業や事業活動で、㏚の力の貢献もあり大きく成長したこと、また危機的な状況を乗り切ったことなど、数えきれないほどその力を信じるに値する経験をしてきました。

ですが、つかみどころがない活動であるが故に、また、企業に望ましい現象が起こったり、または危機を回避できたりといった場合でも、広報・㏚はその貢献度を明確に証明することが難しいが故に、必要性に気づかれていないケースも多く見受けられます。
特に独立後は地方に関わることも増えており、この状況は地方ではより顕著であると感じています。誇るべき商品やサービス、素晴らしい企業理念を持ち合わせながらも、広報・㏚そのものの認知がない、認知があったとしても有益である認識がないが故に、着手できていないと思っています。

もちろん広報・㏚に着手すれば、すべての課題や望みが解決するわけではありません。経営上の課題は複雑に絡み合っているのが常ですから、広報・㏚だけでするりと解決することなどはないでしょう。ですが、広報・㏚の軸は「関係性を構築する」ことです。多くの課題は何かと何かの関係性が変化し、発生していることが多々あるものです。経験豊富な㏚パーソンというのは、「関係性のほころびや未成熟さ」を見抜くのに長けています。ここを見抜き、解決に向けた戦略を立て、実行に移す。広報・㏚はそんな方向性で企業や組織の課題解決に貢献できる領域の仕事です。

独立後、広報・㏚があれば状況が変えられるはずと感じる場面にも多々遭遇してきました。力になりたいと思う場面があるものの、まだまだ広報・㏚の認知も、その有効性の認識も高められていません。これは㏚界隈全体の課題でもあり、私もその責任を負う人であると思っています。一つでも多くの企業や組織、一つでも多くの課題解決の力になりたい。これが独立した理由の2つ目です。

LEORISの活動目的

当社の活動目的は、「コミュニケーションをデザインし、サステナブルなビジネスへ」です。
広報・㏚は、企業や組織とステークホルダーの関係性をデザインしていく仕事です。その最大の目的はサステナブルであること。事業成長も採用の成功も、なぜそれが必要であるのかは、すべてはサステナブルに組織が運営できるために他なりません。そして、企業や組織がサステナブルであれば、社会全体のサステナビリティにつながっていく。そんな設計を支援していきたいと考えています。

社名の由来

ここで少し余談。社名のLEORISの由来についてよく尋ねられるのですが、これはコミュニケーションに関係している要素で作った造語です。以前に趣味で西洋占星術を学んだ経験があり、その要素を取り入れました。西洋占星術はよく認知のある太陽星座(私は●●座という誰もが知っている星座占いです)だけではなく、他の惑星にもその人がこの世に生を受けた時に星座が紐づきます。

中でも水星はコミュニケーションを司る惑星で、私の出生時の水星の場所がが獅子座、つまりLEOに位置しているため、頭をLEOにしました。後半のRISはギリシャ神話に登場する女神Iris(イーリス、アイリス)から取りました。Irisは、ゼウスの配偶者であった最高位の女性神へーラーの伝令使を務めた女神で、天地を結ぶ虹として、ヘーラーの、そして時にはゼウスの意向を伝えコミュニケーションに携わったとされています。長く伝統のある言葉をつなぎ、コミュニケーションとサステナブルを表現したく、このような社名にしました。
ただ、あまりにも説明が難しいので、尋ねられても「また飲みの席ででも…」としてしまっているので、ここで初めて全容開示です。

広報・PRを続けるお守り

広報・PRは成果に不確実性が高く、正解がないため、常に悩みごとと隣り合わせの活動です。良い結果につながった時は嬉しく思う反面、辛く長いトンネルに迷い込んでしまうことも数々経験してきました。

そんな時でも、私がやっぱりこの仕事をしていきたいと我に返るお守りのような言葉があります。それはある企業でその企業の中ではかなり小規模の事業を担当していたときのことです。諸事情があり長らく広報活動を停止していた事業だったのですが、事業がその時の社会の状況とのマッチングがとても良く、上層部と交渉して広報活動の再開を願い出ました。

「派手にはやるなよ」と釘を刺されながらも、粛々と活動を進め、その1年後くらいの出来事でした。国の法令が見直されることに伴い、部門責任者が有識者として見解を述べる取材をセットすることにこぎつけ、某大手新聞に記事が掲載されました。その記事がきっかけの一つになり、右肩下がりだった事業に変化が訪れました。それだけにとどまらず、次の中期経営計画では、「自社の次世代を担う重要事業」と紹介されるまでに格上げされたのです。ある時、当時の事業部門の責任者の方がこんな言葉をかけてくれました。

「あの記事がターニングポイントだったんだよね」

取材に至ったのは、当然ながら事業の素晴らしさがあってこそです。そして関係者が暗闇の中で耐え続けながら、蓄えてきた知見と技術があったからこそ、その取材をセットすることができたわけです。広報・PRはその存在だけで何かをどうにかすることはできませんが、関係者が大切に培ってきたものを社会とつなげることができた時、そのやりがいを最大限に感じることができます。これが事業のサステナビリティにPRが貢献できるのだと、PRを、そして自分を信じられるお守りのような言葉です。

そして、決して良くない状況から飛躍を遂げた事業部門は、社員の顔つきが全く違ってきたのを鮮明に覚えています。

きっと、長くこの仕事をしている人たちは、苦しいことの多いPRの仕事を続けていける原風景ともいえるような体験を、心の中に大切に持っていると思っています。

今後について

広報・PRの支援、担当者の育成を行っていきます。特に地方企業の支援には注力をしていきたいと考えています。
都市部には支援会社も多く、選択肢も豊富ですが、地方には支援会社は多くなく、またそもそもこの困りごとを誰に相談すればいいかわからないという悩みがあるように感じています。

地方・都市部に関係なく、最近多いお問い合わせは、大きくはこの4点に集約されます。

  • 広報・PRの必要性は感じるが、何から取り組めばいいかわからない

  • 担当者が広報未経験、社内も誰も経験者は不在だから、先生をしてほしい

  • 危機管理全くやってないかったけど、そろそろ備える必要性を感じてきた

  • 採用広報を取り組みたいけど、自社に何が合うのか、何を発信すればよいかわからない

特に広報担当者育成は私も注力したいテーマの1つなので、広報・㏚活動を考えておられる方々の力になりたいと思っています。私は大手企業でPRのキャリアをスタートしたので、周囲にたくさん教えてくれる先輩がいました。一方で、地方企業やスタートアップでは社内に経験者がいるケースはほぼないため、途方に暮れるといった話をお聞きし、新任担当者の方の支援の必要性を痛感しています。

今後このnote では、広報・㏚に関係する情報をお届けしていきたいと思っています。ただ、戦術的なTipsではなく、広報・PRを組織や人に実装するために必要となる考え方を中心に発信していく予定です。

  • 広報・PRに関心のある経営者・事業オーナーの方

  • PR業界をアップデートしていきたいPR仲間の方

特にこういった方々と情報が共有できればと思っています。
読んだ感想などお聞きできると嬉しいです。

LEORIS合同会社
代表 鎌田陽子


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