私たちは根を生やし幹を育てるために言の葉を磨く
日常的に使っている”言葉”
「言葉遣いがその人の人間性を表す」
と言われるように、どんな言葉をつかうかは私たちにとってとても大切なことだ。
言葉の語源
そもそも言葉って何なのだろう。
ふとした疑問を抱き”言葉”の語源を調べてみると
『日本国語大辞典』には以下の通りに書いてあった。
「こと”端””葉””吐””話”」と諸説あるようだ。
どれも興味深いし、”ことば”の一部分を表していると納得できる。
言葉遣いは本当にその人の人間性を表すか
話は戻るが、「言葉遣いがその人の人間性を表す」が本当なのだろうか。
先程の語源の(3)を引用してみると
葉は木の特徴を表し、同様に話からその人が判別できる様から語が生じているとある。
詰まるところ”言葉”の語源からして、まさに言葉遣いがその人の人間性を表していると言えるだろう。
人間性は根の深さに現れる
”懐の深い人””安定感のある人””幅の広い人”
そんな人間性の根の深さを持っている人は素晴らしい。
しかし、この根の深い人はその素晴らしさは見えにくい。
根が深く広く生やされていることは、周りからは見えることがない。
地面に浮き出た部分、または干ばつで地面が干上がったときに、ようやくこの根の深い人の良さが顕在化する。
根を深く広く生やす努力はとても重要だが、客観的に伝わりにくいことが難点だ。
人間性は幹の太さに現れる
”堂々としている人””安心感のある人””包容力の高い人”
そんな人間性の幹の太さを持っている人は素晴らしい。
しかし、この幹の太い人の素晴らしさはわかりにくい。
幹が太く堅く育っていることは、周りからは理解してもらえない。
幹の太さの理由である年輪の物語は、木目が見えるように切断しなければわからない。
幹を太く育てる努力はとても重要だが、幹が切断された後でなければ理解されないことが難点だ。
人間性は葉の美しさに現れる
”魅せ方が綺麗な人””表現力が豊かな人””伝え方が上手い人”
そんな人間性の葉の美しさを持っている人は素晴らしい。
それは外見の美しさを表すのではなく、どんな相手にも共通する美しさである。
葉は木の中で最も見られる部分であり、その木の特徴を表す。
四季折々に姿を変え、青葉、新緑、紅葉、落ち葉と
季語としても用いられている。
葉の美しさは美麗であることではなく、折々にそれぞれの美があることだ。
”ことば”は”葉”だからこそ伝わるものがある
もしかすると「言葉」ではなく「言幹」や「言根」の方が直接的に伝えられる人間性があるのでは、という意見もあるかもしれない。
確かにそうかもしれないが、しかし”葉”という木の特徴をダイレクト表す媒体だからこそ、その木の若々しさ、迫力、豊かさ、儚さなどの繊細な部分が別の存在に伝えることができるのだろう。
逆に、葉の特徴は木を表すか
木の特徴を葉が表すことは今までも述べてきているが、その逆は成り立つのか。
ヒンズー教の教えに以下のような格言があると聞く。
人生があり、それに従って心はあるかもしれない。
しかし、心の有り様で人生を変えられることも事実だ。
私たちも、”葉”を磨くことで、幹を太く育て、根を深く生やすことができる。
葉の一枚一枚を磨くことは気の遠くなることだが、私にどんな葉が育っているのか、一枚一枚を見る時間はとても重要だろう。
日常的に使っている”言葉”
「言葉遣いがその人の人間性を表す」
どんな言葉をつかうかは、私たちにとってとても大切なことだ。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?