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柿男

柿はお好きですか。

私の住んでいる神奈川県ではいよいよ実る様子も終わりのようです。

妖怪はお好きですか。

私の娘は激ハマりしている。
2月にフジテレビで放送された
『妖怪ランキング大百科 鬼強い!鬼とヤバいもののけたちが大集合!』
という番組を録画したものをプリキュアよりも高い頻度で再生し飽きもせず日々楽しんでいる。


私は妖怪やもののけといえば『ゲゲゲの鬼太郎』や柳田国男の『遠野物語』位でしか知らぬ素人なのだがこの番組はドラマや目撃談、懐かしのアニメ日本昔ばなしなどを交え様々な妖怪や鬼をランキング形式で楽しく、時に不気味に紹介しており、娘が再生するたびに一緒にちょいちょい見てしまう。

で、この3時間程の番組内で私の心を捉えて離さない妖怪がいる。
それは
『即タイホ!犯罪妖怪ランキング』なるものにで2位の「尻目しりめ」というなかなかインパクトある妖怪を抑え栄えある1位に選ばた
柿男かきおとこ」である。

名前だけみると「尻目」だって十分にヤバいのだが柿男、こいつはヤバい。

説明しよう。

東北地方の夕暮れ時に出没することが多いらしいそれは、身長約3メートル。
庭先に一人でいると、柿が頭の大男(アンパンマンの頭柿バージョン、服装和服バージョンを思い描くといいです)が
「おい、竹串を持って来い」
と高圧的に声を掛けてくる。

恐ろしい。

うちには今竹串があるのだが、私はあわてんぼうなので取り出しやすい場所にある爪楊枝で代用してしまうかもしれない。しかしそれは絶対にしてはいけない行為だ。愚行。

なぜならヤツはその後


「その串でオレの尻の穴をほじろ」
と命令してくるのだ。

爪楊枝では、絶対にだめだ。
短すぎる。
穴との距離が近すぎる。


竹串をチョイスしてくるあたり柿男側も少しこちら側に配慮してくれているのだろうか。


いや、そんなことはいい。


そこで安心してはいけない。

さらに妖怪の要求は続く
「その串をなめろ」

舐めろ

え、尻穴ほじった串を舐めろ?

私は妖怪などの類のはなしは、元になる何かそういう出来事があって生まれてきたと思っている。
一反木綿など本当に「いるか、いないか」は、また置いといて「そういうものを見た」という事実はそもそもあるのだ、と。

柿男のはなしの根本に「そういうものを見た」があるとしたら恐ろしすぎやしませんか。
危険すぎるへきの持ち主。

嫌だ。
そんな危険で不幸な癖の持ち主もそれに付き合わされた庭先の住人もいなかったと思いたい。

だとしたら、この話をゼロから生み出した人、才能ありすぎやしませんか。

だってこの串、要求通り舐めると

甘い柿の味がする

らしいんですよ。
オチまで完璧である。
串で尻穴差してそれを舐めさせて甘い!なんてストーリー私のように平平凡凡と生きてるような人間には到底思いつかない。

しかしこの柿男「柿を食べたいと思う女性の前にだけ現れる」というのだがこれがなんだか生々しい。

やはり危険で不幸な癖の持ち主とそれに付き合わされた人がいたのではなかろうか、、、

ちなみに番組内で柿男の罪と罰は
住居侵入罪
強要罪
で懲役1年6ヶ月としていた。


あなた柿はお好きですか。


用心してください。
「柿たべたいわー」等と思うとヤツが来ますよ。
あと、ほんと念の為、万が一の場合に備えて竹串、買っておきましょう。
何事も備えあれば憂いなし、です。

爪楊枝では短すぎます。
菜箸?それは少々太すぎるかもしれません。
お気を付けください。


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