白菜まつり
料理番組が好きでNHKなんかをよく見る。
「牛肉の切り落としを」
と示す肉にはいいサシが入っているし
「長ネギを」
と出されたものは白さが眩しくピンと太い。
さすがNHK、と感心させられる。
先日は白菜料理とかで、見たこともない立派なものが鎮座していた。
一緒に見ていた夫と三度見はして、盛り上がった。
お金を出せばいいってもんじゃない。
こんな立派な白菜を買うツテがある、ということも知らしめる立派な放送であった。
そんな出会えるわけない、と買うことを夢見ることもなかったドデカ白菜が近くのJA直売所でわんさか売られていた。
手を出そうか迷ったが、買ったところでどう使い切るのか、冷蔵庫にも到底入らない大きさのものをどう保存するのか怯んでしまい、その場を去った。
帰宅しその話を夫にすると
「みつい、冬のベランダは冷蔵庫だよ」
と言う。
狼煙があがった。
私は白菜を購入することを決め、家族には
「来週からうちは白菜まつりになります」
と高らかに宣言した。
まつりのはじまり
うちの体重計によると4.2kg。
お値段300円(税込)。
余談だが、NHKのはもっと大きかった。
月曜日
□白菜サラダ
白菜を7mmくらいに切って、塩砂糖ふって暫し放置後絞る。冷蔵庫に一枚残っていたベーコンを大事に3mm幅くらいに切ってカリカリに焼いたのとかつぶしとマヨポンごまとかと和える。
□八宝菜
みんな大好きNipponhamの。子ども達が喧嘩になるのでウズラの卵を追加で投下。
白菜は予定通り、濡らしたペーパーで切り口を包みラップして、立ててベランダという冷蔵庫へ。
火曜日
□ロール白菜
人参、玉ねぎを切り刻んで合い挽きに合わせたあと、茹でて柔らかくした白菜に包んでコンソメで茹でる。
□白菜漬け
塩振って、置いて、絞って、酢砂糖和風だし少しの柑橘皮と果汁と漬ける。
この時点で白菜は1.8kg。
「2日で半分じゃん!」と一瞬思いそうになるが3日は並走しそうな白菜漬けがあるので、油断するわけにはいかない。
この夜、寒波襲来で雪が降る。
布団の中で「そういえばベランダに白菜…」と心配になるが、暖かい寝床から抜け出せるわけもなく眠りに落ちる。
水曜日
恐る恐るベランダの白菜を見に行く。
が、何故か室内に。
「おまえ、まさか自力で…」と感動していたら起きて来た夫が「気を利かせて室内に入れといた」と言う。あ、そう。
□お好み焼き
カップ1の小麦粉、卵、出汁を混ぜたものに「行けるところまで行こうか」と白い雲を思わせる白菜の芯を見ながら刻み入れる。
□お味噌汁
やはり「行けるところまで(以下同略)」
もういいだろう、というところまで入れたのにやっぱり思ったよりかさは減る。
いまだにつかめない。
木曜日
□餃子
豚ひき肉を醤油・砂糖・味噌・鶏ガラスープの素など良さそうなもので味付けして、刻んで塩で水分出した白菜とネギニラを投入。
餃子の皮で包む。焼く。
味が濃ければそのままで、薄ければタレをつけて食べればいい、の精神なので餡のことはあまり気にしない。
□白菜チャーハン
きっかけになったNHKの料理番組で見たものを作るつもりだったが本家は「あんかけチャーハン」。
餃子作成で力尽きたのと別で作った卵スープがあるのでもう餡は作らない。
ずっと思ってたんだけど…
キャベツに出来ることは白菜にも出来るんじゃない?しかも、全部美味しい。
キャベツが白菜で、白菜がキャベツで、おれがあいつであいつがおれで。
この日から白菜が野菜室に入る大きさになったので、保管をベランダから冷蔵庫へ。
金曜日
□白菜グラタン
具材(今回は鮭と遂に買ってきたベーコン)を焼いて耐熱容器に入れる。フライパンで白菜をバターで炒める。小麦粉振って牛乳でのばしてコンソメで味付けして作ったホワイトソースを鮭とか入れてる耐熱容器に入れる。コーン、とろけるチーズ、粉チーズ、パン粉を振って焼く。
ずっと思ってたんだけど…
白菜ってなんでも出来るんじゃない?焼く煮る和える包み包まれ和洋中。
何ができないの?車の運転とか?
毎夜毎夜、酒のつまみにしていたので遂に、この日大量に作られた白菜漬けがなくなる。残念。
土曜日
□鍋
まずはご覧ください。
初日あんなに元気で大きくやってきた、あいつです。
そしてお気づきでしょうが、今日でまつりもおわりです。
ミルフィーユ鍋やピェンロー鍋は豚バラや干し椎茸が苦手な家族がいるので避けたが、そもそもそんな量の白菜が残されていなかった。
こうして大人二人、幼児二人の参加した白菜まつりは私が予想していた日程より早くはあったが無事におわった。
ありがとう白菜、さよならは言わない。また会おう。
今まで白菜は好きも嫌いもなかったけど、なんかもう、好き。
わたしキャベツより断然白菜派。
と、まつり終わりにテレビを見ていたら丸々とした雪中キャベツなるものが特集され、美味い美味いともてはやされていた。
ふーん
キャベツ、か。
キャベツ、ね。
美味しいよね。
次のまつり開催も近いかもしれない。
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気に掛けてもらって、ありがとうございます。 たぶん、面白そうな本か美味しいお酒になります。