森美術館で開催中の「ワールド・クラスルーム」へ行ってきました!
先日、六本木ヒルズの森美術館で開催中の展示「ワールド・クラスルーム」へ行ってきました!
僕はアートに関して全くの素人ですが、ここ最近はできるだけギャラリーや美術館を訪れて、新しい刺激に触れるようにしています。
今回は1時間半くらいの短い時間しか滞在できなかったものの、素人なりに楽しむことができました。本音は、もう1時間ぐらい時間があればもっとじっくり楽しめたのかなと思うんですけど。
この記事では、僕がとくに興味を持った作品とアーティストについて整理してみました。森美術館の展示は写真撮影がOKなものも多かったので、写真も合わせて紹介しますね。
森美術館と展示について
まずは今回行った美術館と展示の内容について紹介します。
森美術館
森美術館は、東京の六本木ヒルズ森タワーの最上階である52階に設けられている美術館です。
富裕層が集う華やかなイメージがある六本木。Wikipediaによると、複合商業施設である六本木ヒルズ開発の際に「六本木を文化の中心都市にしたい」と、あえて経済価値のあるビルの最上階に美術館を設けることにしたとのことです。
展示内容としては、現代アートを中心に絵画や彫刻、建築、ファッション、インスタレーション(空間を含めた作品)などさまざまな企画展示を行っています。「日本とアジアの若いアーティストにより良い作品発表の機会を提供し、活躍の場を与えることも一つの重要な役割」(公式ページより)という創設者の想いが込められているんですね。
展示:ワールド・クラスルーム
展示期間:2023.4.19(水)〜9/24(日)
この展示では、森美術館のコレクションを含めた54組のアーティストの作品を、「国語」「社会」「哲学」「算数」「理科」など8つのセクションに分けて紹介しています。「学校で習う教科を現代アートの入口とし、見たことのない、知らなかった世界に多様な観点から出会う試み」(公式ページ)というコンセプトの通り、学校の科目別にカテゴリ分けすることで、現代アートに馴染みのない人にとっても興味を惹きやすい構成になっているのかなと感じます。
興味を持った作品とアーティスト
僕が個人的に興味を持った作品とアーティストをまとめてみました。
(1)社会:美しい風景の裏にあるもの
「社会」のジャンルで興味を持った作品の一つが、ヴァンディー・ラッタナ氏の「爆弾の池」シリーズでした。カンボジアの農地に点在する、丸型のへこみや湖を写真に収めたものです。
一見、ふつうの農村の綺麗な風景写真かな?と思うのですが、よくよく解説を読んでみると、この湖はベトナム戦争中に米軍の爆撃により形成されたクレーターのようです。
ラッタナ氏の作品は、こちらのページでも紹介されています。
もうひとつ、こちらは日本の作品で、畠山直哉氏の「陸前高田」シリーズもなかなか想うところがありましたね。
2011年の東日本大震災の様子を収めた作品なのですが、中でも僕が思わず目を止めてしまったのが、荒廃した土地に虹がかかったこちらの写真。虹の美しさがすごくアンバランスかつ綺麗に見えます。
畠山氏の作品もこちらのページで見られます。
僕は社会派とは程遠い人間ですが、僕たちが普段何気なく眺めている美しい景色の中にも、その裏には歴史的な重みがあったりするんですかね。人的なもの・自然なもの問わず、災害によって僕たちの日常は変わってしまっても、そこにある景色は常に存在し続けるんだな…みたいなことを感じました。
(2)算数:数学とアートの融合
「算数」のジャンルは僕の趣味もあって、興味深い作品が多くありました。
まずは片山真妃氏の抽象絵画。これは二つで一組の作品で、ある法則性を持たせて描かれているようです。「どんな法則で描いているんだろう?」と、解説と絵画を行き来しながら、時間を忘れて眺めていました。
法則はこのようになっています。
縦と横のどちらかの長さの揃った一組のキャンバスを選ぶ
美しい配色の組み合わせを「配色辞典」から選ぶ
側面の釘同士をそれぞれ直線で結び、交差する点に絵の具を置く
2枚のキャンバスの一辺を支点にして表面を重ね、両面に絵の具を写す(衝突と呼ぶ)
支点となる辺を変えながら、すべての辺を使うまで衝突を繰り返す
木枠の側面の上下左右にキャンバスを張るための釘があり、その交差点に絵の具を置いているんですね。
この法則は作品ごとに変えていたり、必ずしも厳密性を求めているわけではないようです。法則性を求める「数学」とその対局にありそうな「アート」の融合に、僕はすごく興味を惹かれます。
もう一つ紹介したいのが、笹本晃氏の映像作品「ドー・ナッツ・ダイアグラム」です。
こちらはいかにも現代アートといった感じで、ほとんど理解はできないけど、なんだか世界観に惹き込まれてしまう作品でした。やや不安を掻き立てるBGMとともに、何かここは僕達にとっては非日常だけど、森の中にいる存在にとっての日常が繰り広げられてたりするのかな、みたいな感覚を覚えながら眺めていました。
(3)理科:大人が本気で遊ぶとこうなる
最後に、ペーター・フィッシュリ&ダヴィッド・ヴァイスの映像作品「The Way Things Go」。こちらは、視覚的にも楽しさがわかりやすく面白い作品です。
展示されていたものとは違う気がしますが、彼らの作品のひとつがYoutubeに挙がっていました。壮大なギミックに、なんだか見入ってしまいますね。
身の回りの日用品や木材、タイヤ、容器、風船などを使って、それらが連鎖反応で動いているだけでも面白いのですが、炎を使った化学現象もギミックに使用しているのが面白かったです。これはきっと「大人が本気で作ったピタゴラスイッチ」なんだと思いました。
おわりに
以上、今回の展示で僕がとくに興味を持ったところをまとめてみました。短い文章では紹介しきれない魅力の詰まった展示でしたね。
アート作品を前に、素人でわからないなりにその作品の背景に想いを巡らせてみたり、興味がある作品やアーティストについて調べてみたりすることは、誰でも取り組めるアートの楽しみ方のひとつなんだろうなと思います。
六本木の美術館もステキだったし、また新しく気になるアーティストとも出会うことができ、とても楽しい時間を過ごすことができました。いつか個展なんかも行ってみたいです。
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