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ボドゲメイカーズフェスで学んだ「ゲームを考える方法」

4月24日(土)に「ボドゲメーカーズフェス」というイベントが開催されました。ボードゲームを作っている方から直にお話が伺えるとのことで「こんな機会ない!」と思い参加させていただきました。今回のnoteでは製作者の方々からのお話にもあった「何がきっかけでこのゲームを作ったのか(どうやって思いついたのか)」に着目していきたいと思います。

きっかけ:その1「システムから考える」

ボードゲームにおいて大切なゲームシステム。そのシステムから考え、ゲームとして仕上げていくという方法があります。今回登壇された中ではFriedeggGamesさんの『キャンディポット』がこのケースに近いようでした。

登壇者はホソヤタケヒロさん。「じゃんけん」の3すくみというゲームシステムに着目し、既存のゲームシステムから新しいゲームを作れないかと模索した結果、今回の新作である『キャンディポット』が生まれたとのこと。

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ボードゲームを考える上で最も楽しく、最も大変な作業(だと私が思っている)ゲームシステムを考えるという工程。すでに存在するゲームシステムに着目し、なぜこのゲームはおもしろいのか、なぜゲームとして成立しているのかを分析し、そこから新しいゲームシステムを構築するという工程はとても興味深いものでした。

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余談ですが、このキャンディのコンポーネント、香りをつけて渡されたら飴だと思って食べてたかもしれません…!フレーバー(テーマ)やコンポーネントを合わせることでよりゲームの独自性が高まりますね。

きっかけ:その2「プレイしている姿を想像する」

ゲームをプレイしているときに「こういうやりとりができればいいな」「こんな風に盛り上がれるゲームにしたいな」という、ゲームを遊んでいる人の姿やプレイ時のやりとりをイメージし、それが実現できるゲームを作るという方法です。

ヤブウチリョウコさんの『推しの尊さを語る君と知ったかぶりの私へ』は、お題に沿って自分の推し(好きなもの)を語りつつ、自分の推しではなく他の人の推しを語っている「知ったかぶり」が誰かを推理するゲーム。好きなことについて語れるゲームを作りたいと思ったことがきっかけで制作されたそうですが、自分の推しとなると語りやすく、初対面の人同士のプレイでも盛り上がっていました。

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大人数で遊ぶゲームやコミュニケーション系のゲームを作りたい時には「遊んでいる光景」をイメージしつつ、それが実現できるシステムを考えるとより面白いゲームができるのではないでしょうか。

きっかけ:その3「好きなこと(得意分野)をゲームにする」

Enjoy Boardgame Clubさんの『ウリカイ』は、タイトル通りフリマで売ったり買ったりするゲーム。ほしいものを買って、それを欲しいと思ってくれる人に売って、それによってお金をやりくりしながら買い物を楽しみ、人生をEnjoyした人の勝ち、というゲームです(私が大嫌いな転売ではない!)。

制作チームの中にフリマサイトの会社にお勤めの方がいらっしゃり、ものの売り買いの楽しさを伝えたいという思いがあって制作されたとのこと。フリマサイト(またはフリーマーケット)を実際に利用したことのない人でもその特性を理解しながらショッピングを楽しめるゲームです。

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生活様式や職業をテーマにしたボードゲームは多く存在していますが、それらのゲームをプレイすることでそのゲームのテーマに興味を持つことができます。例えば、お菓子を造るゲームをプレイし、そのゲームシステムを通してお菓子の製造工程を知ることができる、という感じです。そういった題材を取り扱う時に深い理解や専門的な知識が必要となることがありますが、それが自身の職業や得意なことであれば、それを活かしてゲームを作ることができるのです。その世界の魅力をゲームを通して他の人に広めることができるというのはとても素敵なことではないでしょうか。ボードゲームを作りたいけどテーマに迷うという時には、自分の経験や好きなことを振り返ってみるのもいいかもしれません。

きっかけ:その4「興味をもったことからゲームを作る」

先ほどの「好きなこと・得意なことからゲームを作る」とは逆で、自分の知らなかったことに興味を持ち、それを題材にしたゲームを作るために深く調べるということもあると思います。この方法でゲームを作ると自分の見識が広がりますね。

株式会社バンソウさんの『サラダマスター』の誕生のきっかけも小さな興味から。ミヤザキユウさんはある日、体調を整えるために「野菜を摂ろう」と思いたちます。そこで野菜に興味を持ち調べてみると、そこには豊富で様々な成分データが…!この成分データをもとにゲームが作れるのではないかと考え、生まれたのが『サラダマスター』なんだそうです。

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身近にある野菜の「成分」に着目したゲーム。野菜の名前や味は知っていても100グラムあたりのカロリーやたんぱく質の量は知らない…という人も多いのではないでしょうか。ありそうでなかったゲームですが、そういったゲームを作る「きっかけ」は私たちのすぐそばに存在しているのかもしれません。

きっかけ:その5「ボードゲームが好き!だから作る!」

これはゲームの考案以前のきっかけとなりますが、そもそも何故私たちはボードゲームを作るのでしょうか。それは「ボードゲームが好き」だからに他なりません。ボードゲームをすでに制作している人はもうわからなくなっているかもしれませんが、ボードゲームを作って販売するということはとってもとっても大変なことです。そして、「ボードゲームが好き=ボードゲームを作る」という方程式は必ずしも成り立たないのです。ですが「ボードゲームを作る=ボードゲームが好き」という式は成り立つのです。不思議ですが、これは事実です。

ボードゲームを楽しむという過程を経て「楽しめるボードゲームを自分たちで作る」という挑戦をしたのは、あっとわんさん。ボードゲームのプレイ動画を配信されている女性3名のグループですが、ボードゲームを作りたいという思いがあり今回『 神在演宴よろず札』を制作されたとのこと。日頃楽しんでいるボードゲームですが、いざ制作するとなると大変…!しかし、それぞれの得意分野を活かし、ゲームデザイン・アートワーク・宣伝(動画制作)を分担して行い、見事ボードゲーム初制作・ゲームマーケット初出展を果たしたとのこと。

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ボードゲームを作って売れるようにするためには、楽しめるゲームシステムとゲームをより楽しませるためのデザイン、そして、そのゲームの存在を知らせるための宣伝が必要だと思っています。あっとわんさんのゲームは初制作ながらそれらすべてに注力されていました。

ボードゲームに限った話ではありませんが、何かを作るということは簡単なことばかりではありません。その苦労を越えられたのは「このゲームで楽しんでほしい(楽しみたい)」という思いや「ボードゲームが大好き」という熱い気持ちがあったからではないでしょうか。

今回登壇された製作者の皆さんは、ご自身のゲームについてお話しする際、とてもイキイキとしていました。皆さんボードゲームが本当に好きなんだと肌で感じることのできる良いイベントでした。

イベント当時のイキイキ具合が今でも伝わってくる関美穂子さんのグラフィックレコーディングはこちら▼

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グラフィックレコーディングを生で見ていた時も「すごい!」と思っていたのですが、時間が経った今、改めてそのすごさを感じているところです。見るだけでイベントのことが思い出せるんですよね…すごい!

終わりに

「ボードゲームは好きだけど、どうやって作ればいいのかわからない」や「作ってみたい気持ちはあるけど、ゲームが思いつかない」という方もいらっしゃるかもしれません。もしボードゲーム制作に興味を持ったら、作っている人の話を聞いてみるといいかもしれません。きっと新しい気づきと、熱い思いを受け取ることができると思います。

また、そういった方のためにも、今回のような製作者と交流できるイベントが今後も開催されるといいなと思っています。最後になりましたが、感染対策を徹底しイベントを開催してくださった主催の皆様、ご参加くださった皆様、登壇者の皆様、本当にありがとうございました!


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一個人として、好きなことを、好きな時に書きます。アナログゲーム制作サークル「VicVillage」の代表・ゲームデザイン担当。好きな物:ボードゲーム、漫画、小説、野球。