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なけなしの文化的生活【エッセイ】
引き続き、まとまった時間を取れない日々が続いています。小間切れの空き時間は何かを鑑賞するにも創造するにも不十分すぎて、元々の燃費の悪さも相まってすっかり創作活動から遠ざかっています。困った困った。とボヤいてもしょうがないので、この1ヶ月なけなしの時間をはたいて得た文化的生活について振り返ろうと思います。
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アマプラで1990年の香港映画「欲望の翼」を鑑賞。本当はタルコフスキー監督の映画が良かったのだけど、アマプラで観れる作品がなかったため「映像美」をキーワードに検索してこの作品に行き着きました。舞台、小物、照明等を活かすカメラワークの意匠に終始目が釘付け。
内容は、空虚な男ヨディ(故レスリー・チャン)を中心にした群像劇。連続性のある人生を送る一同を他所に、彼のぶつ切りの情熱ばかりが激しく儚く閃滅していました。
以前、小説についても同様のことを書いたのだけど、群像劇が好きです。主役がコロコロ入れ替わる作品。それぞれの物語が繋がっていたり、繋がらなかったり、それぞれの挙動に意味があったりなかったり。因果律で編み上げていく一人称の物語はどうしても結末へ向けて尻窄みになっていく傾向があります。だからこそ強烈なカタルシスを産むのだけど、共振できなかった時の残念感というリスクも孕んでいる。群像劇の場合、描かれるもの(人)と描かれないもの(人)の境界線の曖昧さによって鑑賞者が補完する余地が多いように思います。
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来日されるそうです、ジュリアン・マッケイ。かねてより公言しているのですが、我が長編小説『葬舞師と星の声を聴く楽師』の主人公、アシュディンのモデルとなった人物です。モデルと言っても見た目そのまんまを思い浮かべていたというより、彼の舞う姿にインスピレーションを受けて物語が生まれたといった感じです。KバレエカンパニーのHPによる謳い文句は「神が遣わした舞人」 まさにその通り。過不足のない文句に脱帽。アシュディン君にも是非そのようになっていただきたい(セカンドシーズンの連載は多忙につきお休みしていますm(__)m)
残念ながら公演に行ける気配はないので、いつかの機会を夢見つつ、動画を見て楽しむ所存です。
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今年の5月ロードショーのインド映画を巡って、インド学界隈が賑わっていました。映画のスケールや内容についてはもちろんのことですが、話題になっていたのはそのタイトルの正誤について。
『ブラフマーストラ』が正しい。しかし少しでもインド学を齧った経験があると『ブラフマスートラ』と見間違えがちです。
原語サンスクリットで表記すると、『Brahmāsutra』が正しく『Brahmasūtra』が誤り。後者『Brahma-Sūtra/ブラフマスートラ』とは日本語に訳すと『ブラフマンの経』。インド哲学の一派であるヴェーダーンタ学派の根本教典のことです。
一方で映画のタイトルになっている『Brahma-Astra/ブラフマアストラ→サンスクリット語の規則に従って変形し、Brahmāstra/ブラフマーストラ』は、意訳すると『ブラフマンの武器』といったところでしょうか。astraは弓矢やミサイルなどの投射系武器を示す言葉だそうです。
武器で闘うんじゃなくて、経や教義で闘うんじゃないか!?と、界隈は冗談を交えながら大盛り上がりだったのです。こういうの好き。
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『大病院占拠』というドラマを毎週観ています。鬼の仮面を被った集団が病院を占拠し、動画配信サイトを通じて病院や警察の闇を暴いていく話で、主人公の櫻井翔くんは警察側の人間です。敵である犯罪者集団の方が物語があり、鬼チームの方に共感しやすいと思います。話が進むにつれて鬼の仮面が剥がれていき、同世代の俳優さんや好きな芸人さんの顔が出てきて興奮しています。
……と言いつつ実は、メインテーマがきな臭くなってきて残り2話まで来たところでテンションが下がってきてしまいました。「3年前」「豪華客船」「感染症」とキーワードが並べられており、メタファーどころかあからさまです。風刺をするには時期尚早な気がします(風刺とはそういうものだが)
TVドラマで意見を述べるな、などとは決して言いませんが、多方面に配慮されたラストであってほしいと願うばかりです。
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忙しくても栄養補給は欠かしていません←
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小間切れの時間をなんとか活かそうと、短い文章がまとまった本を読んだり、語学の学び直しなんかをしています。
少しでも生活が落ち着いて、自分のために筆を取れる時間ができることを切に願っています。
◇
書き殴っただけの乱文にて失礼しました。
ご支援頂いたお気持ちの分、作品に昇華したいと思います!