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;2024.04. 偽-小説;虚構 mov. 01


 
 警告;以下、暴力的な描写、グロテスクな表現、ネガティブな状況描写を含む。
;在原篁 arihara takamura 2024.04.15,16,17.
;偽名の私小説;虚構 mov. 01. //silencio, presto
 
こどもが生まれた。妻が、…信じられる?ささやいた。そのまなざし。やどる唐突で不用意な熱気。NST162~169。本陣痛のさなか、いきなり見ひらかれた目にいま「うまれるんだよ?」じぶんがなにをしているのか、やっと「…本当に、」思い出せたかの、「うま…」声。「この子、ね。もうすぐうまれるん」恍惚。しずかな。ふるえ。顎。汗ばみ。表皮すべてに、まぶたにも。男子。第一子。わたしが31歳のとき結婚した。18歳だった。彼女は。事実として信じがたい事実。結婚後19年目にしての初産。かつての…少女?いや。かならずしもそうとは言えないだろう。その年齢を。なら、なんと謂えば?15、6歳くらいから21、2歳程度まで、あるいは染色体タイプXXもXYも正確になじむ呼称のあたえられない空白を生きるのだろうか?…と。おもいあまってそう口にすれば≪…A rose≫。笑うだろうか?お前は。あの、うすいあざけりの絶えない固有の…老い。笑み。衰弱。深刻な劣化。わたしたちの。あきらかに、…老残?わたしたちは日々衰退しつづけてい
 
 きみを
 
 
 残酷な、…な?
 
      かなしい?いいえ。かならずし
 …な。きみを
    …いん、でしょ?
 
 ≪…A rose≫と、仮りの
    いいよ
       もう。赦してください
 おしつけの偽名として
    舐めなよ
       え?
 呼んでおく。…なぜ?
    舐めたいでしょ?おれの
       なに?
 似合うから。きみには
    おやゆび
       え?
 そう思われたから。わたしには
 
       なん
 いかがわしい偽名のいかがわしさこそがきみには似合う
    咥えなよ
       え?
 と。…どう?
    咥えたいでしょ?おれの
       なに?
 な
    おやゆび
       え?
 …見た?
 
 
 なに?
    …れる、ね?
       もう。赦してください
 な。…動画。さっき送っ
    ね?わたしたちは
       見たろ?
 Line。「え?」在住のベトナムから≪…A rose≫が送って来た
    …れる、ね?
       ええ
 動画。その
    なれるかな?わたしたちしあわ
       ええ。わたしはあなたの残酷な
 醜悪。留保なき
    わっ
       せせら笑いを
 下劣。ためらいのない
    しあわせに?
       こっちに。…カメラの。こっちに、だからわたしの虹彩の
 卑劣。否定しようもない
    …れる、ね?
       内側あたりに?
 …嫉妬?
     れ、るかな?わたした
       …見たろ?
 わたしが
    ベイビーちゃんといっしょに?
       ええ。わたしはかつてわたしに
 抱いた感情。…そう。たぶん
    るれなか、した
       あなたが見せたかぎりなくナイーブな
 そう。かれ以外を、わたしは
    わっ
       泣き顔を思い出しもし
 愛せなかった。ついに、事実として
    た。…わっ
 
 妻でさえ?
 
 
 …そう。たぶん
    しゃぶりなよ
       え?
 もちろん。
    しゃぶりたいんでしょ?おれの
       なに?
 ベトナム人少年?
    おやゆび
       え?
 …どう?
 
 
 え?
    見えますか?可能性が、未来の
 
 …好き?おまえ
    れ、れ、れ
       ぶっ
 いずれにせよ、それは
    なれる。…ね?
       ぶって、と
 瘠せた、堀の深い顔だちの(と、予想される)
    ね、ね
       きみは叫ぶの?
 少年だっ(雑なカメラ・ワーク)た。顔中を
    しあわせに。もう
       ただ!ただ!ただ!声もなく
 包帯でしろ(…包帯?それともただの)
    世界中のみんなと
       執拗なまばたきの
 く、ぐるぐるまきにされ、しかし(無音。喉は)ただ
    の、ごくごく普通のみんなさんたちと
       うるんだ眸。悲惨な
 ふたつだ(痙攣?…顎)け(痙攣?…の、さき)曝された
    おなじように
       家畜。うしろ手の
 切り抜かれた、双渺。…見ない、と。見ないですむというせめてもの幸福を
    なれる。…ね?
       壊して、と
 さえ、も。赦されていないんだよ、お前は。と、…ね?
    ね、ね
       きみは求めたの?
 いい?おれは
    かつて
       悲惨を!もっと
 ね?お前に
    うしなわれたあの子たちのぶんも
       傷みを!もっと
 圧倒的な苦痛のなかに圧倒的な苦
    なれる。…ね?
       屈辱を!もっと
 …と?両手。少年の、それはうしろ手に巧妙に縛られ完璧に
    ね、ね
       なぶって、と
 虐待。加虐。集団的
    しあわせに
       せがむの?きみは
 リンチ。4人がかり?
    なれ
       つきだし、臀部を
 …どう?
    れ、るよね?
 
 え?
 
 
 …どう思う?
    われわれの発情。赤裸々な
       救われていいんだ!
 これ以上の詳細は省く。画像の
 
 
 撮影者は
 
       ん?
 ≪…A rose≫。うつされているわるびれない笑い声の
    生きてる?
       …なに?
 加虐者たちは、被害者とおなじ
    え?
       …なん
 年頃のべつの
    あ
       …え?
 同国人の少年。Lineでの
    ほら…
       うごいた?
 画像通話でいままでにも何度か≪…A rose≫。かれの背後に見えていた
    ん…
       どこ?
 部屋。だから、かれの海辺の
    ね
       どこらへん?
 ホテル。7階建ての
    生きてる。…ん
       ここ?
 最上階の
    わたしたちは生きている
 
 客室。ときに
 
 
 窓からの陽光が画面を
    発情。われわれの、赤裸々な
       救われていいんだ!
 ときに白濁さ

不妊治療。年々減少してゆく精子の絶対数。受胎可能な最低限度。ときに、行為のあとにもこぼれださなくなる。だから、かさねられるたびに増えてゆく無臭の交配の回数。かつてに比べれば必要以上の息切れと、かかれた汗の匂いのけだもの臭以外は匂わない。なにも。
 
 ええ
    ほしい?
       ええ
 え?
    ほしい?
       はい。…なにが?
 わたしたち。すでに同性愛者でさえないものたち
 
 
 まばたくたび
    と、その辛辣な瞬間。見せられた
       見ないで。ぼくを
 きみが
    なんど?おまえに
       見つつづけて
 ふるえた。わたしは
    交尾。おまえと女との
       …や
 こころが。わたしの
    の、肌への
       ほほ笑み
 …愛してる。きみを
    噴射。の
       やめて。せめて
 愛さなかった。けして
    瞬間。…の
       なぜ?その
 きみ以外をは
    俊敏でささやかな綺羅めきの突進
       …あ
 そう。きみの
    すがりついていい?
       見ないで。ぼくを
 みぎ頬に
    われを忘れ、ぼくは
       返り見て
 に、くちづけを
 
 
 うつくしい存在。ありふれた
    9人連続の
 
 名前の、しかし
    少女たち誘拐。そして
       これら鮮明な突風に!
 いまやわたしにとっては口にためらわ…なぜ?れる
    監禁と破壊。…と
       好き?
 名。憎しみ?
    拘束。…と
       …ん?わたしたちは
 むしろ、愛。あふれ
    最終的な屠殺。…と、およびそれ以外の計3人への
       あっ。ささやき
 あふれかえり
    通り魔。かつ、そのうちひとりの
       これら鮮明な突風に!
 あふれかえるしかない感情のため
    半身不随の深刻。…一連の、
 
 その名をは
    とは、ついに
       好き?
 言いたくは、な
    知られなかった。だれにも。かれが
       …ん?わたしたちは
 うつくしい男。DNAたちの
    白状したのは、ただ
       あっ。ふれあい
 再構成のたわむれが、ふと
    手づから撮影されたビデオを見つけたきみに対してだけだったから。わるびない
 
 染色体XYタイプに見せた野蛮で狂暴なうつくしい
    微笑とともに。…ばかっ
       燃えあがるべきだったね?風たちは
 存在。ありふれた
    見つけたの?おまえ
       好き?
 名前の、しかし野蛮で
    ばっ
       …ん?わたしたちは
 狂暴な夢のなかの
    感じた?きみは
       澄まされた、あっ。耳
 の、夢。彼は
    嫉妬を。きみ以外の
       耳?
 …きみは
    まして、染色体タイプXXを
       これら鮮明な突
 うつくしい。たとえもう、いかにしても
    をも、もてあそべる
 
 うつくしいとは
    彼に、ばっ
       好き?
 言えなくともしかもうつくしい存在。ありふれた
    …ばかっ。自殺
       …ん?わたしたちは
 名前の野蛮で
    そして突然の、自裁
       あっ。触感
 狂暴なおさななじみの彼に、彼を
    かれの…自殺?じぶんで
 
 はじめて目にした記憶はない。わたしには、あるいは
    頸動脈を切り、まさか。
       好き?
 覚えているだろうか?
    11歳の少年はいくらなんでも
       …ん?わたしたちは
 彼は。その
    殺せないだろう。人を、…まして
       と、そして唐突であくまでも不当な
 双渺に、はじめてうつっ
    たぶん
       絶望
 わたしを。
 
 
 ええ。…わたしたち。すでに同性愛者でさえないものたち
 
 
 ささやくたび
    何人の女…え?
 
 きみが
    壊す気?きみは
       ため息さえわたしたちには
 ふるえた。わたしは
    ほほ笑みをくれた
       うつくしい。…じゃ
 こころが。わたしの
    おれ?…わたしたち。あまりにも
       ない?…じゃ
 …愛してる。きみを
    高品質な容姿の悪質な
       わたしたちはうつくしか(し、かったか)
 
 
       ら
 愛さなかった。けして
    ホストたち。何人の
       まばたきさえわたしたちには
 きみ以外をは
    おれ?…染色体XXたちは
       なやましい。…じゃ
 そう。きみの
    破壊され、あざわらわれるためにその時
       ない?…じゃ
 顎。尖端に
    存在していた
 
 に、くちづけを
 
 
 ささやき。きみの「境界を
    ね?「日本に、いら」
 
 またぐってこと。…」
 
 
 どう?
 
 
 なに?
 
 
 なぜ?「同性愛者が経験するのは、さ。所詮は
   「え?」…ね?
       どんなに遠く
 実はピュアでストレートな恋愛にすぎない。同性愛者が
    いられなくなった。…と、きみが
       どんなにとおく離れても
 異性をも愛してしまえば、彼は
    言った。「なに?」
 
 その時はじめて境界をまたぐ。…じゃない?」
    なんっ…
       どんなに近く
 どう?
   「なにやらかした?」なにも
       どんなにちかく寄り添っても
 なに?
    と。きみは
 
 なぜ、そんな必要が?「…だっ
    耳打ちしわたしの
       固く。どんなに
 うつくしくない。だって
    耳たぶに
       どんなに硬く誓いをたてあっ
 すべてが、あるべき
    舌さきを
        
 うべてが、あるべく
    あっ…と
       どんなに強く
 あるべき場所につつましく
    を、あてる。だから
       どんっ。つよく、抱きしめあっても
 ね?
    声。あっ
 
 存在してるって、つまりは
    に、声にならない無声の息の
       どんなに稀薄に
 さ。絶望してるにひとしい」
    あっ…と。36歳と
       どんなにうすい、わらい声を咬みころしても
「絶望って?なんに」
    2ヶ月。かれは
 
「あまりにも自然な
    わたしは
       こわれてゆく。ほら
 あるがままのじぶん自身の
    4ヶ月。
       うしなわれてゆく。ほ
 自然さに」
 
 
 ええ。…わたしたち。すでに同性愛者でさえないものたち
 
 
 返り見るたび
    吐く。なんども
 
 きみが…わたしたちの崩壊
    やめて!
       あ
 ふるえた。わたしは
    きみは、切実に
       あ
 こころが。わたしの
    自壊する人
       あ、ふれる?
 …愛してる。きみを
    吐く。なんども
       ほほ笑みの洪水状態だよ
 愛さなかった。けして
    みずからつっこんだゆびを、きみは
 
 きみ以外をは
    舐めさせて
       わたしたちは
 そう。きみの
    ぼくに。きみの唾液に
       永遠にしあわせ
 みぞおちに
    うるおった爪を
 
 に、くちづけを
    手遅れだったね?…すでに
       あ
 ピュアで、ストレートじゃ
    …さ。日本に、
       あ
 だめなの?ゆびさきで
    さ。もういられなくなっ
       あ、ふれる?
 すくう。大量の
    「え?」
       わたしたちはささやきの洪
 精子。脇腹に、
    なっ
 
 交配。…に、
    「え?それマジ?」た。…と、きみが
       なに?
 似た、あるいは
    言った。「まだ、
       なにを以て幸福と定義し
 自慰。自慰にすぎない
    癒されないとか?」…微笑。
       いっ
 に、似た
    なぜ?わたしはその
       か、なる状態をその固体における幸
 交配。ただし
    瞬間、はっきり意図して残酷な「…ん?」
 
 純粋に感情の赤裸々な純度にだけふれる
    あざけりの
       あ
 あっ…と。失語?
    の、ある「って、なに?」
       あ
 経験。ピュアで、
    「おまえをぶっ壊した男への未練。まだ
       あ。だから、あざやかな
 ストレートじゃ、だめなの?きみが
    ある、とか?」…記憶?
       あ
 抱いてきたすべての女にリスクはなかっ
    わらっ「…ばか?おまえ」
       あ。朝に
 かった。いかなるリスクも。なぜなら
    らった。そう
       わかる?いま
 きみの、すこしも
    思えた。かれが。なにも、と。きみはもう
       報われてゆく!すべてが
 ざわめきのない白濁。すべて
    なにもおぼえていないにひとしい、
       わかります?
 鞭毛がないから。すべて
    と。耳たぶの唾液は
 
 いっさいの動きが
    すでに
       あ
 存在しないから。きみの、だから
    かわいた。36歳と
       あ
 ただひたすらな停滞しかない
    2ヶ月。かれは。
       あ、ふれる?
 白濁。ピュ
    わたしは
       だからわたしたちはざわめく心の
 ピュアで、ストレートじゃ
    4ヶ月
 
 だめなの?
 
 
 ええ。…わたしたち。すでに同性愛者でさえないものたち
 
 
 うつくむくたびに、…なぜ?
    幸福な瞬間。ふれるたび
 
 きみが
    きみに、ゆびさきで
       酸っぱい雨が
 ふるえた。わたしは
    顎に、その
       雨がふりま
 こころが。わたしの
    頸すじに、その
       まっ
 …愛してる。きみを
    後頭部を抱く。手のひらに
 
 愛さなかった。けして
    ひろがる幸福。きみに
       あまやかな雨が
 きみ以外をは
    いい?
       雨が…が。ふりま
 そう。きみの
    キスしつづけたい
       なんて…ええ。厖大な!
 肛門に、爪を
    いい?きみの
       まっ
 を、たてて。そして
    肌の匂いをふかく嗅ぐ
       毒性の雨が
 に、くちづけを
    ふか…いとおしすぎて
 
 それぞれ別の必然でわたしたちは
    はじけあう
       泣かないで
 歌舞伎町に
    ひかりたち
       傷つけないで
 流れた。あの
    ひかりたちを
       やめて。タトゥー…それ以上
 やさしい町。居場所の
    生殺しにした。きみの
       壊して。…ね?このぼくを
 ない、あるいは
    睫毛は
       ぼくの友達。守るから、ぼくが
 異端の、だから
    …どう?
       あっ
 社会的存在としての
    ひらきあう
       癒すから。きみを
 社会的異分子たち
    ひかりたち
       抱き締めるから
 には
    ひかりたちを
       ぼくを、きみのかわりに
 …に、流れ
    見殺しにした。きみの
       こわして。だから
 流れついた。あるいは
    眉毛
       泣かないで
 牧歌的な?(…野蛮な?)90年代。
    …どう?
       あっ
 24歳。わたしは
    かげりあう
       傷つけないで
 大学院からホストへ。父親の
    ひかりたち
       やめて。タトゥー…それ以上
 会社倒産と、その
    ひかりたちを
       壊して。…ね?このぼくを
 一家離散の産物。そして
    みな殺しにした。きみの
       ぼくの友達。守るから、ぼくが
 ≪…A rose≫残酷なおまえは
    まぶた。うぶ毛は
       癒すから。きみを
 凄惨な
    …どう?
       あっ
 母親殺しの保護観察下、
    なみじあう
       抱き締めるから
 24歳。俊敏で
    ひかりたち
       ぼくを、きみのかわりに
 狡猾な逃走。もう
    ひかりたちを
       こわして。だから
 日本国政府の統治する国土に
    半殺しに、…わたしの。された
       泣かないで
 お前の…≪…A rose≫。居場所は
    こころは
       傷つけないで
 ない。あるのは、まだ
    …どう?
       あっ
 拘束されていないという猶予の
    わたしたちは微動しつづける
       やめて。タトゥー…それ以上
 一時期的滞在にすぎない。
 
なまえ、ね?「なに?」なにがいい?「なまえ?」…だって、と。妻。男の子なんだよ?その、性別がはじめて知らされた検診の帰り路。男の子だとわたしは予測していた。彼女の顔つきから。あくまでも女の子をほしがった妻のために染色体XXをひそかにのぞんだりもしなが…しかし、なぜ?通り過ぎる街路樹さえいとしくてしかたがないのは。…ええ。
 
 え?…わたしたち。すでに同性愛者でさえないものたち
 
 
 まばたくたび
    あっ…
 
 ぼくたちが
    いたっ。あたま
       愛しあっていますか?
 ふるえた。ふたりの
    あっ…
       昼下がりのいらだち
 こころが。わたしの
    いたっ。かかと
 
 …愛してる。きみを
    なに?…な
       見せて。おまえ、さ
 愛さなかった。こころは
    なに?この
       ね。じぶんでするとこ
 けして、きみ
    え?あまやかな
       ね。いま、おれの眼の前でひとりで…さ
 を、きみ以外
    え?…傷み
       いっちゃって見せろよ
 を、は
 
初産?…または、2回目。だから、2回目の初産。5度の流産。うち1回の死産。3度の早期流産。数度のいわゆる化学流産。そして忘れられない13トリソミー。1度。こころが折れていた。こころが折れそうな妻のために、わたしは尽くした。手のほどこしようもなく折れたまま、あの…かえっ
 
えっ
 
えっ
 
「なに?」星の世界に、ね?「…星?」帰るんだよ。ゆうくん、いま「言わないで。なにも」帰ってくんだよ。いま「言わなくていいん」なに?
   なにも、わたしには
      波紋。…の
え?
   できないことが多すぎて
      の
なみだ?
   だから
      の、ようにぼくらにひろがるあたたかな
なに?
   …さえ、絶望さえできな
      感情の感覚
これ、と。眼窩がひらかれるべき場所の平坦な皮膚に、ひかるしずくがふるえたような…と。ふたり
   しずく。…あっ
      あ
一緒に見たたぶん、
   しずく。…あっ
      いしてるというささやきが
錯覚。午後
   しずく。…あっ
      あ
9時すぎ。彼女が29歳だった春から夏の終わりにかけての期間、喜び。不安。告知された受胎。そしてさらなる告知。胎児の状態の。その絶望感、無力感、傷み、かなしみ、迷い、いのちの選択?義務?…後悔、なぜか怒り。嫉妬。羨望。卑下。ひたすら懺悔しつづけたくてしかたなくてどうしようもない突発的、発作的な…なに?あの感情。さまざまな、負の。または毅然とした明るい、つよい、無数の正のみずみずしかった感情たち。…の、連鎖。混淆。混濁。迷走。すなわち、暴流。結局は、と。白濁。あざやかなひかりの色彩が、最後には白光にしかならないかのように。生まれてほしかった。生きてほしかった。生きつづけてほ…裂けた口?なに?それがなに?あるいはたとえば背骨が曲がっていたとしても。あるいは手足が合計12本ついていたとしても。目が24個、肛門が36個の孔をひらいていたとしても。なに?それが。妊娠22週と自分で世界の大気にふれてから5日と6時間半。妻の胸元。もう、ふるえもしないやさしい腕の、感情がなぜか蒸発した中、わたしたちをつつんでゆくあの…なに?空虚な
 
幸福感?
 
…なぜ?あの
 
情感。
 
情感?
 
…情感。あえて謂えば
 
 わたしたちは、と
    る、と。祝福す
 ぶざまな生き物だ、と。そう
    る、と。す、るよ…と。きみは
 ≪…A rose≫に…知ってる?
    え?
 言った。「なに?」
    ささやく。きみは…
 「単細胞生物でも、さ。セックス、さ。ようするに受精、さ。からの、
    なに?「できたらしいじゃん。…祥子ちゃん、
 受胎。とか?…出産。この流れ、ある意味でやつらも
    元気?」って、そのことば
 経験するだよね」
    うれしいよ。純度100%の
 「なに、それ」
    いっさいまじりけのない
 「接合。たとえば、さ」きみは
    嘘でも。完璧な
 ≪…A rose≫。いつでも稀薄に笑んでくれるから。
 
 わたしは
    わっ
       あっ
          はっ
 ささやく。
    死にたいんだ、と。泣きじゃくるきみに
 ぶざまな、わたしたちはぶざ
    なかった。嘘は
 な、生き物だ、と。そう
    なかっ…ふと
 だ、と。≪…A rose≫に言っ
    思い出したように、19歳。きみは
 …知ってる?言っ
    泣きじゃくる。もう
 「なに?」言った。「単細胞生物でも、
    十年近く前の所詮他人の犯罪への
 ね?
    記憶。母親は
 さ。セックス、
    知らなかった。夫の
 ね?
    事実をは。だから
 さ。ようするに
    孤立。きみの
 ね?
    きみはあるいは自分の居場所をつくっ
 受精、
    くっ
さ。からの、
    くったのだ。
 ね?
    の、だ。…ろうか?あの
 え?
    絶え間ない加虐によって
 ね、そう。
    だれもまだきみの父が
 受胎。とか?…出産。この流れ、ある意味でやつらも経験するだよね」
    今世紀最悪の変態のひとりだとは
 「なに、それ」
    知られていない、知らないでいられる
 「接合。たとえば、
    町で。ひとり
 さ」きみは、≪…A rose≫。いつでも
    きみは
 こころなく笑んでくれるから。
 
 わたしは
    わっ
       あっ。
          あの日見た
 ぶざ
 
 
          夢。まだおぼえてる?
 ざ、まな生き物だ
    いいよね?
 と。わたしたちは。あきらかに
    まだ、…と。「なに?」
 ぶざまな生き物だ、と。そう
    ときどき逢っても
 ≪…A rose≫に…知ってる?
    どう?
 言った。「なに?」
    いいよな?おれたち
 「単細胞生物でも、
    どう?
 さ。セックス。ようするに
    よくない?
 受精。からの
    …と。わたし。そして妻の
 受胎。出産。この流れ、ある意味で
    結婚式のあと、≪…A rose≫ふいに
 やつらもやっぱり
    新居をおとずれたきみの
 経験するだよ
    わるびれないほほ笑みの
 …ね」
    どうしようもない
 「なに、それ」
    赤裸々な
 「接合。たとえば、
    誘惑。なぜ?
 さ」きみは、≪…A rose≫。いつでも
    きみを
 繊細に笑んでくれるから。
 
 わたしは
    わめき声を…いいよ
       あっ
          吐いても。耳もとで
 わたしたちは、だから
    どうすればいい?
 ぶざまな生き物だ、と。
    ね、なに?
 ≪…A rose≫にわたしは
    償いって
 耳打ちを、し。…知ってる?
    なに?
 ささやき。「なに?」
    ね、生きたまま
 「単細胞生物でも、するん」
    魂殺されたままの
 「なに?」
    3人の子たち、あの子たちに
 「セックス。受精。受胎。出産。の、ようなもの。一連の
    おれ
 この流れ、ある意味で
    なにすればいい?
 やつらも」
    どうすればいい?
 「…で?」
    ね、なに?
 「接合。たとえば、さ」きみは
    償いって
 ≪…A rose≫。いつでも
    なに?
 冷酷に笑んでくれるから。
 
 わたしは
    わっ
       あっ。なんて
          透き通った雨つぶに!
 わた
 
 
          澄み切っ
 
 
 
          切っ
 
 
 
          切っ
 
 
 
          …た、雨つぶに!
 わっ。ぶざまな生き物だ、と。そう
    こっ
 ≪…A rose≫に…知ってる?
    …え?
 言った。「なに?」
    来いよ。サイゴンまで。
「単細胞生物でも、
    …え?
 さ。セックス、
    抱かれたいんだろ?
 さ。ようするに
    おまえ
 受精、
    …え?
 さ。からの、
    おれに
 受胎。とか?…出産。この
    ひらいてるんじゃない?
 流れ、ある意味でやつらも
    …え?
 経験するん
    ケツが、さ
 んっ
 
 「なに、そ
    教えてください。わたしたちは
 
 「接合。たとえば、さ」きみは、≪…A rose≫。いつで精密に笑んでく
    どうすればいいの?
       這うん、虫が
 …ひとつの明確なさげすみとして?
    どうすれば良かったの?
       肛門を、さ。わかる?
 れ、るか
    どうしなければ良かっ
       口蓋にむかって
 ら。
    教えてください。わた
 
 ら。
 
 
 ら。わたしは
 
13トリソミー。名前は虹。生誕3時間後、髪が匂った。ベビの?ではなくて、妻の。彼を抱き上げた彼女を、肩を、そっとわたしは抱いていたから。と、唐突に…いのちとは?
 あえて、しかも
    あなたのために生きよう。あなの、ただ
生きるとは?あるいは
 使い古された疑問の
    しあわせのために
うまれ、滅びてしまうとは?
 定型を、そう
    わたしたちは
なに?
 
 愛してる。おれ、おまだけは、さ。なんか
    思った以上に
       ね、はいってく
 かなしいくらいにすなおに
    わたしたちは
       …やめて
 「…嘘」と、だから
    生きていた。猶も
       ゆびさき、飲み込まれてくみたいに
 つぶやく。16歳の
    生きている。猶も
       さ。孔に
 わたしは。かれに、…≪…A rose≫くちびるを、肉体をうばわれたあとの、なにか巨大な解放感しかないうしろめたさの
    生きるのでしょう。すさまじい
       …やめて
 重力のない、しかも
    轟音の
       に、さ。…これって
 重圧。
    の、なかに
       きもちいいの?なんか
 苛酷な…
    の、反響に
       わらえる
 だから
 
あなたのほほに。やわらかな、まだふくよかでさえないちいさな、…ふ
   なんでもできる。おれ
      持ってて。なんか
ふれる。るれっ
   この子のためなら、さ
      むずがゆいの?わかんない。さっきから
れっ
   ほんと、ふつうに
      むずがってばっかだか
ゆびさきはいのちに。みずみずしい、わたしではないいのちの
 
 
固有。
 
 愛してる。おれ、おまだけは、さ。なんか
    咬んで。まるで
       どう思った?おまえが
 わらっちゃうくらいにすなおに
    おねがい。やさしく
       追い詰めたおんなが眼の前
 「…嘘」と、だから
    いたわるように
       部屋から、おまえの
 つぶやく。19歳のわたしはかれに…≪…A rose≫
    咬んで。まるで
       とび降りたとき
 ぶちのめされ、アスファルトの
    おねがい。そっと
       そしてぼくたちの
 ざらついたただ、どうしようもない武骨さを
    いつくしむように
       他人のふり。完璧な
 恨む。
 

   足りてる?
      ね、一回、ね
るれっ
   ミルク。なんか、どう?
      飲んでみる?T******くん、たぶん
れっ
   わかるの?おまえ
      飲んでみたくない?
ふと、おそれながらいのちに。みずみずしい、わたしではないいのちの
 
 
息吹き。
 
 愛してる。おれ、おまだけは、さ。なんか
    叫んだら?と
       かんちがいしてんだよ。おまえも
 こころが傷いくらいにすなおに
    つぶやいたから、きみが
       おれが?
 「…嘘」と、だから
    いいよ、おっきな
       …も?
 つぶやく。26歳の
    声、だして。と、わたしは
       おれ、かならずしも、さ
 わたしは。かれに、…≪…A rose≫こころを
    くちびるを咬む。または
       あぶないやつじゃないよ。実際
 完璧に折られた10歳年上の
    喉をかためた。粘膜
       なにかした?おれ
 女。その焼身
    腸?
       ぎゃくに、さ。いつも
 自殺。目のまえで
    に、きみの
       追い詰められてんの、ある意味一方的に
 …おまえ
    触感。わたしたちは
       おれ。ね
 「なに?」…さ、火
    息づかう
       ちがう?
 つけてやれば?
 
るれっ
   好き。おれ、匂い。この
      やばっ。ぜんぜん
れっ
   ね、ミルクが発酵したみたいな
      くさくないんだ?
ためらいながらいのちに。みずみずしい、わたしではないいのちの
 
 
鮮烈。
 
 愛してる。おれ、おまだけは、さ。なんか
    あ、と
       突っ込んで
 くやしいくらいにすなおに
    声をこりつかせえた女たち
       え?
 「…嘘」と、だから
    加虐に、きみの
       おやゆびを、おまえの
 つぶやく。29歳のわたしは。かれに…あ
    あ
       え?
 あ
    あ
       のどに。おれの
 あ。≪…A rose≫やめてあげなよ、と。やめてあ
    あ
       え?
 あ
    あ
       なんか、いますっげぇ
 あ。もう…ばか
    あ
       苦しみたい気分。おまえに
 大丈夫だよ。叫んでも
    あ、と
       の、ために
 「…ね?」聞かない。だれも
    せめてささやかれるべき音声をさえわすれた女たち
       え?
 聞こえない
    嗜虐に、きみの
       ぶちこん…ふかく
 だれに
    あ
       え?
 も
 
る。るれっ
   あした、パーティしよう。ちっちゃい
      元気かな?生きられなかった
れっ
   ちょうど、100日
      …いま。ベビたちも
なぜる。いのちを。ふれ、いのちに。知った。みずみずしい、わたしではないいのちの
 
 
…ね?「え?」ぷにぷにしてんの
 
 
やわらかさ。
 
 愛してる。おれ、おまだけは、さ。なんか
    翳っていった
       死にたい
 いらだっちゃうくらいにすなおに
    と、ね?そんな
       た、くは、ない
 「…嘘」と、だから
    じゃない?
       なんだろう。この
 つぶやく。36歳のわたしは。かれ
    そんな気がした。きみに
       切実なせつなさ
 …に、…かれ
    きみの美貌は。と
       叫びたい
 ≪…A rose≫自傷癖?じぶんで
    ともに、加速した
       た、くは、な
 じぶんの白い肌を念入りに焼く。きみは
    自傷は、ときに
       わかる?この
 ピュア・ヴァージンのオリーブオイルで
    わたしに失語と
       感情の切迫
 じんわりと。…と
    失神に近い
       くだけたい。なぜ?
 ほほ笑みの
    唐突な眠気とを
       く、ないのになぜか
 恍惚。
 
れる。るれっ
   おもっ。すっごい
      見て。ほらもうなんかさ
れっ
   おもっ。最近、すっ
      わらっちゃってんの。寝てんのに
あたためる。いのちを。ゆびさきにみずみずしい、わたしではないいのちの
 
 
…の、存在。
 
 愛してる。おれ、おまだけは、さ。なんか
    存在。破壊するものと
       きみを
 ばかばかしいくらいにすなおに
    ね?
       をっ、見ていた。カミソリで
 「…嘘」と、だから
    破壊されるものと
       女の脇剃り用
 つぶやく。39歳のわたしは。かれに、…≪…A rose≫
    が、ね?存在し
       じぶんのくちびるを
 なんで、さ
    存在。破壊するものと
       うすく切り
 なんで?なんっ
    破壊さ、ら
       りっ
 いまさら?…だって
    だから破壊の主体と客体とが、さ
       微笑
 「唐突に死にたいって思えた朝の記念に」投身自殺の
    …いいわけ?
       きみを
 失敗からの迅速な
    いま、だれに言い訳してんの?
       をっ、見ていた。舌で
 回復。
    存在。破壊す
       じぶんの血にふれるのをためらい
 かれの
 
ふれる。るれっ
   熱?なんか
      副さ…反応?でも
れっ
   あつくな
      だいじょうぶだよ。だってまだ
感じた?いのちは、みずみずしい、わたしではないいのちの固有はゆびさきを、この。触感。どんな肌触りとして?
 
 愛してる。おれ、おまだけは、さ。なんか
    と、…海
       あいしてください!
 信じらんないくらいにすなおに
    好き?
       わたしを。ゆるしてくだ
 「…嘘」と、だから
    海?
       ゆるしてください!わた
 つぶやく。46歳のわたしは。かれに、…≪…A rose≫すでに
    おれ、さ。いつか
       わたしを、…とか?
 焼け爛れた肌。そして
    死ぬなら海で
       おまえ、おれの
 ひだり半身の
    死にたい
       足の指にキスしながら、さ
 極彩色の
    なんで?
       ささやいてみたくない?
 タトゥー。なおもうつくしい
    好き?
       美紅。あの唐突な自殺の
 と。きみを、ねぇ
    海?
       5日前、朝
 …なぜ?
 
わたしは、だから
   いっぱい、いっぱい
      なんかもう耐えらんないの
ふれる。るれっ
   愛してあげたい。いっ
      やばくない?この
れっ
   だって、おれたちの
      ぷにぷにほっ
いのちに。ふれた。いのちに。ふれていた。頬に、この。みずみずしい、わたしではないいのちの
 
 愛してる。おれ、おまだけは、さ。なんか
    夢、見た。…おまえ?
 絶望的なくらいにすなおに
    の、なかで。夢の
 「…嘘」と、だから
    おれ、さ
 つぶやく。49歳のわたしは。か
    太陽、咬みつこうとしてんの
 か
    真っ昏い
 か。…rose≫ささやき。…どう?
    真空で、さ
 「え?」
    がぶって、あの
 おまえの奧さん、妊娠させやろっか?
    口蓋以上にはるかにでかい
 おれが。ほしいんだろ?
    発光
 こども。
 
…ねぇ
 
いのちとは?
 あえて、しかも
    あなたのために生きよう。あなの、ただ
生きるとは?あるいは
 使い古された疑問の
    しあわせのために
うまれ、滅びてしまうとは?
 定型を、そう
    わたしたちは
なに?せめて、わたしたちはすこやかでありたいね。
 
 
…ね?
 
 うまれたくなかった。おれ
    微光。ひかりたちが
       傷み?なにも
 と、泣きじゃくるきみは
    ぼくらを焼いた。あっ
       なっ。…ここちいいん、逆に、さ
 あられもなく
    微光。ひかりたちが
       焼くと。肌を
 …ね?それ
    ぼくらを映えさせ
       じっくり…さ
 演技?
 
受胎。DNAの破壊と創造。旧態廃棄と再構成。ようするにリ-バース。DNA情報の実態を基準にすればその、創造するもの=旧体が生きながらえながらの創造されたもの=新体の発生。ゆがんだ転生?いずれにせよ、卵細胞の発芽。染色体タイプXXの胎児は、かなり早い時期にすでに卵子を持つ。母胎と切り離しては自生さえできないくせに。おさなすぎる卵巣における厖大な卵子たちの密集。そのうちのいくつか、またはたったひとつはやがて、みずからとおなじように発芽してゆく。…の、かも、知れない。どうだろう?ならば≪生まれる≫という現象は言葉による虚構ではないのか。≪生まれる≫と言われたとき、実際にはすでに生きられつづけていた。同一体内におくひとつ細胞の変異にすぎない。単細胞生物固体Aと固体Bが接合したからといって、やがて分離した固体A’と固体B’とを、誰が≪生まれた≫と言い得るだろう。ヒトたちの行い。愛だの性欲だの言おうが、DNAのリ-バースとしてはあくまでも単細胞生物のそれに変わらない。連鎖。リ-バースした被造物に維持されつづけた卵細胞の、更なるリ-バース。わたしが≪生じた≫と言うためには、その≪わたし≫の、あるいは意識という脳の稼働に卵子以上の、DNAシステム以上の、または世界の存立以上の価値があたえられていなければならない。しかし、内省してみれば意識と呼ぶ事態の実態は、所詮言語中枢の戯れにすぎない。それ以外をは、わたしたちはすべて無意識と呼ぶ。いのちと呼ばれたすべては、実は文字通りことば遊びの陽炎にすぎな
 
 あ
 
       知ってる?わたしたちは
 rose≫
    なんでだろ?おれ
       うつくしい。すべて
 ののしるヒト、…≪…A
    愛せない気がする。なにも
       知っ、そう
 あ
    いままで、なん
       1ミリの留保もなく
 あ
 
 
 あ
 
 
 
 rose≫。ふいの
    見る。まだ
       ひとつの薔薇
          泣きもしなかっ
 激昂と肉体的
    夢に。ほら
       薔薇。そして
          友香さんは(と、あえて
 暴力。相手が、だから
    親父の夢
       無数の蛇
          きみはそう母の名を)泣きもしな
 生まれて来たことを
    親父の?
       蛇。そして
          おれに耳打ちした。刑事たちの
 後悔するまで。
    じゃ、なくて
       無数のナイフ
          家宅捜査に、もう
 破壊。わら
    逆に親父になぶられ
       ナイフ。そして
          終わりだよ、もう
 わらうヒト、…≪…A
 
 
 
 あ
 
 
 あ
 
 
 あ
 
       知ってる?わたしたちは
 rose≫ふいに
    思う時、ある。朝
       すばらしい。すべて
 せせらわらうヒト、…≪…A
    起きて、まだおれ
       知っ、そう
 あ
    生き延びてる。なんでって
       一点のくもりもなく
 あ
 
 
 あ
 
 
 
 rose≫。唐突な
    て、強姦され
       無数の
          恐くないよ、と
 失笑。その
    て、ぶちこわされ
       ええ。あの
          共犯だろう?あなたも
 無意味な
    て、だいなしにさ
       猟奇的犯罪者は
          遺棄したじゃない?
 嘲笑。女性嫌悪。そのくせ
    …た、報道された限り9人の
       ひとり息子をも
          ぶった斬ったじゃない?
 身辺に女を
    女の子たち
       壊しましたか?
          風呂場で
 絶やさない。あるいは
    の、初潮まえの
       無数の棘
          …いや。秘密にしておく
 絶やせない?
    むらさき色の肛門が
       蔓に、棘。薔薇は
          おれは、自分が
 家畜として?と、…
    色彩のない、しずかな
       きみのこめかみに
          餓えて路頭に迷わないために
 復讐?
    焔をひろげてゆく
       ひとつの蛇が
          …や。秘密にしてお
 復讐にも似て。そう、その2字を匂わすことでわたしはせめても
    見る。まだ
       咥えていたのだ。…と
          …おれは?
 癒される。いたぶ
    夢に、ほら
       そんな
          見せら
 いたぶるヒト、…≪…A
 
 
 
 あ
 
 
 あ
 
 
 あ
 
       知ってる?わたしたちは
 rose≫まよいなく
    わかんない。なんで
       生きていていい。すべて
 いたぶ…自虐にあやうくすれちがう加虐のヒト、…≪…A
    おれ、なんでこんなに絶望感ないんだろ?
       知っ、そう
 あ
    こんなに絶
       1秒の留保もなく
 あ
 
 あ
 
 
 
 rose≫。いったいどれだけの人々が?不幸にされただろう?彼に。すくなくとも、幸福と感じ得る可能性から遮断され
    犯罪者の嫡子。…ね?
       あざやかなタトゥーを
          見た。あの
 …正当化しようもなく、また
    生きてて、いい?
       体中に。きみは
          少女達のことさらな
 目的も、意味も
    おれ。うまれなくて
       右半身の皮膚すべてに
          媚。目の
 必然もない
    いい?生まれたこと
       に、だけ?
          おれは?
 加虐。
    なかったことにして
       に
          見た。あの
 破壊。かつ、
    いい?夢に
       ええ。あの
          少女達のことさらな
 泣きじゃくる人、…≪…A
 
 
 
 あ
 
 
 あ
 
 
 あ
 
       知ってる?わたしたちの
 rose≫
    なんでだろ?おれ
       有価値性。すべて
 ときには自覚的で巧妙な嘘泣き?…≪…A
    愛せない気がする。なにも
       知っ、そう
 あ
    いままで、なん
       一瞬のためらいもなく
 あ
 
 
 あ
 
 
 
 rose≫。生まれて来なければよかったのは
    見る。まだ
       猟奇的犯罪者は
          開口。鼻孔の
 …どう?あなた
    夢に、ほら
       ひとり息子をも
          完璧にくちびるは
 あなた自身じゃなかった?
    むらさき色の肛門たちは
       強姦しましたか?
          ひらかれ、しかも
 あなたを、≪…A rose≫
    その皴のひとつ
       11歳の
          発しはしない。ただ
 愛してる。だれより
    襞の、ひとつひとつに
       あなたは家屋に
          一音の
 圧倒的に、なにより
    歓喜の声をあげた。…で、ないと
       侵入する幾人もの
          ノイズたりとも
 ふかく。絶望的なまでに
    壊れてしまうから
       警察官たちを夢見た。もう
          ときに、突き出された
 あきらかに。
    …ね?
       あの男は逮捕されているら
          舌は、しかしふるえもしないで
 たしかに。
 
 
 
 あ
 
 
 あ
    …なに?
       でも、おまえじぶん自身の意志で、さ
 あ
    …なに?
       通報しなかったん
 あ
 
 
 あ
 
       知ってる?わたしたちは
 rose≫
    なんでだろ?おれ
       存在している。すべて
 あ
 
なんで?なんで?なんでこんなにベビちゃんかわいいの?そしてわたしは妻を抱き締めた。部屋の中、抱き上げられた2週と3日間ベイビーごとかぎりなく、やさしく。
 
 なんっ
 
 
 え?
 
 
 花を咬む。薔薇を
    地表に、いつか
       咬む。花を
 咬む。咬み
    蛇を咥えた薔薇たちを
       をっ
 咬む。咬み砕く。そんな
    放とうよ、と
       咬む。薔薇を
 …な、夢をさえ
    ふと、朝。起き抜けに
       をっ
 わたしは
    きみは、しなやかな
       咬む。蕊を
 蛇を咬む。…毒蛇?
    裸身をさらして
       をっ
 咬む。咬み
    逆光に
       咬む。蔦を
 咬む。咬み砕く。そんな
    笑みを
       をっ
 なんっ
 
 
 え?
 
 なんど?わたしたちは愛し合っただろう?気が遠くなるまでの時間を、いつかタトゥーに染まらない肌をじぶんで
    燃えてんっ
       見せて。もっとよくきみの
 焼き焦がしてしまったきみと
    ん、てんっ
       悲惨を。ぼくは
 すごしただろう?
 
 
 なんっ
    ひとりよがりな
       愛した!おれは
 え?老いた。わたしは
    自壊
       おれを。そして
 たち、は?
    自慰行為じみた
       愛した!きみをも
 やつれたきみのやつれを知らない翳りに
    自傷
       せいいっぱ…おれは
 ひそかに
 
 
思ったのだった。ふと、2ヶ月半。こどもがいわる≪喃語≫をさかんにつかい始めた時に、…口で。しめった、くちびるで。うるおった、喉で。みずみずしく、さまざまな音量で。ちがいない、と。あるに、違いない、と。わたしには根拠もないまま確信された。存在。コア言語というべきものの。乳児たち。あー。はぁ。きいぃ、ぃんぎゃあっ…と、すきほうだいに情動と音声があまりに一致しすぎた言語を話す。絶望的なまでのそのあきらかさ。わたしたちには了解できない。文法的には。語彙的には。しかし、あまりにあきらかな、それら。音のすさまじい多彩さ。ア音だけでいったいどれだけの種類があるのだろう?最低10音以上?群れ。発語の。群らがり。響きの。母語の習得とは、コア言語を離れてあえて流通する日本語、英語、その他あらゆる既存言語の媒介性に堕してゆく、と。そういうことだ、…と。忘却。コア言語の。すなわち滅びとともにおとずれる、ことばとの出逢い。
もしもコア言語が集団的実態を持つなら、…どう?ベイビーたちは実は圧倒的に正確な言語で会話しつづけているのではないか?検診で、たとえばとなりあった同胞たちと。深刻なまでのあざやかさで…どう?
 
どう思う?
 
…どう?
 
 
 
 
 
 
...vipers ? snakes, knives and A rose=偽名)のための私小説;虚構
;構成;沙ゝ

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